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太陽の通り道についての質問です。

下図は,北緯36度の場所での,夏至の日の太陽の通り道です。

太陽が,真東から出て真西に沈む春分・秋分の日は,
①XYの長さ
②XPの長さ
③PQの長さ
は,それぞれ下図(夏至の日)と比べて,長くなりますか? 短くなりますか?

解答は,
①短くなる。
②短くなる。
③長くなる。
とのっているのですが,正しいでしょうか?
また,正しいとしたら,なぜなのでしょうか?(特に,③)

分かる方がいらっしゃいましたら,どうぞ宜しくお願い申し上げます。

「太陽の動きについて」の質問画像

A 回答 (3件)

この問題では透明半球を台紙の上に置いて長さを求めよといっていますから、透明半球上の長さを求めればいいだけなので、天球上の長さや距離を考える必要はありません。

当然、天動説とか地動説とかは関係ないことになります。
 答える上で一番簡単なのは「③PQの長さ」だと思います。他の2つは意外と難しいようです。

 「③PQの長さ」から説明します。これは1時間あたりに太陽が動く長さを示しています。太陽は同じ速さで動いていますから、太陽が動く円周の長さを24等分した長さになります。
 この円周は、透明半球(が全球だったとして)の切り口になります。いちばん大きなものが春分・秋分の日の通り道です(大円になります)。夏至や冬至の日はそこからずれたところでの切り口になりますから、円の半径や全周の長さはこれよりは小さくなっています。理論上は、cos(23.4度)≒0.92倍の長さになります(三角関数は大丈夫ですか)。

 次に「①XYの長さ」を考えることにします。何となくどちらが長いかはっきりしているようですが、単純ではない所があります。
 たとえば観測地点の緯度が0度(赤道上)だったとします。季節に限らず日の出は午前6時、日の入りは午後6時で、この間はきっかり12時間です。12時間分の長さを見ればいいのですから「③PQの長さ」の12倍になります。明らかに春分・秋分の方が長くなります。
 それでは、北極圏ではどうでしょう。夏至の日は太陽が沈みませんから、きれいに一周することになります。春分秋分の日は、真東から昇って真西に沈みますから半周しかしません。夏至の日の「③PQの長さ」の効果を加えたとしてもはるかに夏至の日の方が長くなる(1.84倍)のがわかります。明らかに緯度によって結果が違ってくることがわかります。どこかの緯度で逆転するところがありそうです。
 とりあえず、強引に北緯36度の地点での長さを式を立てて計算することにします。三角関数が必要になってきます。
 X点と同じ時刻の春分秋分の日の太陽の位置をX’とします。X’から真東(と書かれている地点)までの長さは中心の角度(地球が自転する角度)で
asin{tan(緯度)×tan(23.4度)} ≒ 18.3度
となります。このことから、日の出から日の入りまで春分秋分の日は180度地球は自転するのに対して、夏至の日は216.6度自転します。「③PQの長さ」の長さと同じ効果が加わりますから、夏至の日は199度ぶんに相当します。明らかに秋分春分の方が短いといえます。

 最後に「②XPの長さ」を考えます。Pから南中するまでの長さは、春分秋分の方が長くなります(同じ時間だから)。全体の長さが短くなった上に、Pから先で長くなる時間を引けばさらに短くなることがわかります。従って、この答えも春分秋分の方が短くなると答えることができます。

 ところで、図を見てわかるとおり、Sの位置が(天の)子午線上にありません。明らかに正午より早く南中していることを示しています。
 これが起こるのは、2つの効果があります。1つは経度の問題で東の地点ほど早く南中するということです。もう一つは均時差の影響です。
 均時差は季節によって南中時刻(日の出時刻)に影響を与えてきます。先ほどの計算した18.3度(≒1時間15分)とNo.1さんが書いた1時間半とのちがいはこれが原因で生じています。問題で春分と秋分を一緒にしているところを見ると、均時差の影響は考えないでいいのかなと思います。実際には緯度によっては影響してきそうです。
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この回答へのお礼

ご丁寧なご回答,心より感謝いたします。
たいへん参考になりました。
どうもありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2021/11/24 11:07

これは「地動説」で考えるか、「天動説」で考えるかの典型的な問題であり、「天動説」で考えるとそういう疑問がわきます。


そもそも図の「透明半球」などというものは存在しませんから。
そもそも「透明半球」などというものが存在するわけではないので、その球面上の長さを「長くなる」だの「短くなる」と議論するのも変な話です。

この問題は、あくまで「ある固定半径の透明半球というものを仮定する」とした上での話です。

「地動説」の立場に立てば、地球の自転軸が「O を通って右斜め上方向」(太陽の通り道の作る平面に垂直)にあります。
そして、季節が変わるにしたがって、「太陽の道」は固定で、「O」の位置が「南北」の線上を動いて行くのです。つまりは「透明半球」そのものが動いて行くのです。
そして、南中したときに太陽に向かったときの「透明半球の表面」と「裏面」の境目が、「東西」位置を通って右上方向にあります。つまり、右下のあたりに「南中したときに太陽の光が当たらない場所、影」が存在します。そこを以下では「透明半球の裏側」と呼びます。
それをきちんと理解・認識しないと、疑問は晴れません。

春分・秋分のときに、X, Y の位置がちょうど「東」「西」と書かれた位置に来ますので、そのときの「太陽の道」がちょうど「透明半球」の赤道の位置になります。
ということは、図に書かれた「夏至」のときの太陽の道は、「透明半球の赤道」の位置より「軸の中心方向」(地球でいえば北極方向)に寄った「円周、緯度線」に相当します。つまり「透明半球の赤道の長さ」よりも短いのです。

そして、春分・秋分のときには、「太陽の道」はちょうど「透明半球」の円周の半分が見えていますが、夏至のときに見えている「太陽の道」は「透明半球」の円周の半分よりも大きく(少し裏側まで見えている)、逆に「冬」に向かうと「透明半球」の円周の半分よりも小さくなります(表側の一部が欠ける)。
わかりますね?

そういうことをきちんと読み取った上で、問題に当たりましょう。

①この「XY の長さ」が、「直線XY」なのか「太陽の道の円弧 XY」なのか不明確ですね。

「直線XY」なら、単純に「XY の直線」と「東西の直線」を比較すれば分かりますね。夏至に比べ春分・秋分の方が「長くなる」です。
夏至のときの「透明半球の直径」は、「X の少し上」と「Y の少し上」を結んだ直線になり、台紙面を通りませんから。

「太陽の道の円弧 XY」のことなら、夏至に比べ春分・秋分の方が「短くなる」です。
上に書いたように、「夏至」のときには「透明半球」の少し裏側まで見えているので、夏至のときの方が長いです。

模範解答が「短くなる」だとしたら、おそらく「太陽の道の円弧 XY」をいっているのでしょうね。
それにしても、明らかな欠陥問題ですね。

②上に書いたように、「夏至」のときには「透明半球」の少し裏側まで見えているので、Pの位置が固定であれば(9:00のときの地球の自転角から見える太陽の位置は固定のはず)夏至のときの方が長いです。

③PQ の長さとは、1時間分つまり「円周の 1/24 の長さ」ですから、春分・秋分の「透明半球の赤道」のときが最も長くなり、「透明半球の極方向に寄った円周」(夏至のとき)よりも長いです。
従って、夏至に比べ春分・秋分の方が「長くなる」です。


上手い文章が書けないので分かりにくいかもしれませんが、想像力をたくましくして考えてみてください。
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この回答へのお礼

ご丁寧なご回答,心から感謝いたします。
たいへん参考になりました。
どうもありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2021/11/24 11:08

全部正しいと思います。



③は、なんとなく「同じ」になりそうな気がしますよね。でも違うのです。
まず、図の透明半球を台紙の下にも拡大して透明球とし、夜の間の太陽の通り道を、夏至の日と春分・秋分の日の両方とも作図してみてください。(春分・秋分の日の日中の通り道の作図もあわせてお願いします。)
どちらの通り道の軌跡も、球を平面で切断した時の形である「円」になるのですが、この円の大きさが両者で違うのです。
春分・秋分の円の中心は図のOであり、これは透明球の中心でもあるのですが、夏至の円の中心はOよりも北の位置になるため、こちらの円は球の中心を通りません。
球を任意の平面で切断した時に、切断面が一番大きくなるのは平面が球の中心を通る場合で、球の中心を通らない切断面の円形はすべてそれよりも小さくなるため、円周も当然短くなります。
夏至と春分・秋分のそれぞれのPとQの位置は、円の中心からの角度で決められているので、角度が同じ扇形の弧の長さが半径に比例する事を考えると、大きい円である春分・秋分のPQ間の方が、小さい円の夏至のPQ間よりも長くなる事が理解できるのではないでしょうか。

②については少し微妙ですが、北緯36度に一番近い県庁所在地である福井市の、夏至と春分の日の「日の出の時刻」を調べてみたところ、約1時間半の差がありました。この時間による移動距離はPQ間の1.5倍であり、③で出た差よりも大きいと考えるのが妥当なので、答えは「短くなる」が正解になるでしょう。

それにしても、理科としての問題で、通り道の「長さ」(それも透明半球という架空の存在の)を比較する事にどれだけの意味があるのか私には判りません。数学としてならまだ理解できるのですが。
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この回答へのお礼

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どうもありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2021/11/24 11:08

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