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変圧器の温度上昇と冷却についての質問です。
(1)温度上昇の理由
(2)冷却の必要性
(3)冷却方法
について教えて下さい。
教科書で隈なく調べたつもりですが、(1)(2)は全くわかりません。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

変圧器はループ状の鉄心(強磁性体、鉄を主成分としている。

)に1次巻き線、2次巻き線などの導線(銅を主成分とする線状の導電性のよい導体)を巻いてできている。
(1)温度上昇は変圧器の使用時に発熱が起こり、発熱と放熱とのバランスによって決まる。簡単のために単位時間あたりの発熱量が一定とすると、変圧器を使用し始めた時期には、変圧器の内部と外界との温度差が少ないので、放熱は少なく、発熱量と放熱量との差が正になって、熱は変圧器内に蓄積されて、その温度は上昇して行く。放熱量は前記の温度差に比例するので、変圧器内の温度が上昇を続ければ放熱量も増大を続け、ある時点で、発熱量と放熱量とが等しくなる。このときの温度が長時間使用した場合の最終的な温度上昇を規定する。なお同様な考察から、発熱量に変動がある場合は、内部温度は発熱量の変化より遅れて、追従することも理解できると思う。
次に発熱の原因も考えておこう。この原因は3つに大別できる。その第1は、導線の電気抵抗(以下、単に抵抗という)によるものである。導線はなるべく抵抗の小さいものを用いるが、それでも有限の抵抗を持っている。この導線には電流を流して使用するので、ジュール熱(オームの法則で与えられる大きさの熱)を発生する。この発熱は変圧器では通常、銅損と呼ばれている。
第2は鉄心に生じる渦電流によるものである。巻き線に流れる電流によって鉄心の中に磁界ができる。鉄心はその磁界によって磁化される。電流は交流であるから流れる向きが反転を繰り返すが、それに対応して磁界の向きも反転を繰り返す。磁界の変動があると、それをうち消す方向に電流が誘起される。(正確には、誘起されるのは起電力であり、そこに導体があると電流が流れる)この電流は鉄心の中に流れて、鉄心の抵抗のためにジュール熱を発生する。この発熱は鉄損と呼ばれている。この種の鉄損を少なくするために、鉄心として薄い板状の鉄板を用いることが多い。その際、鉄板同士は絶縁しておく。また用途によってはフェライトなど、粉末にした絶縁性化合物の強磁性体を焼結して用いることもある。
第3に鉄心の特性として存在するヒステレシスによる発熱がある。これも鉄損の中に含められている。ヒステレシスは履歴現象とも呼ばれ、磁界Hと磁化Bとの大きさの比が、Hの大きさにだけ依存するのではなく、その変化の履歴にも依存する現象である。ヒステレシスによる鉄損は、1サイクルの変化で、B-H曲線上で囲まれる面積に比例する。ヒステレシスによって発熱が生じるメカニズムは、説明できるが長くなるので、要すれば別途に質問してほしいと思います。
(2)冷却の必要性:
一口に変圧器といっても、大きさ(寸法)、容量(扱う(皮相)電力)、電圧、用途などによって、ピンからキリまであり、このことが冷却にも関係してくる。そこで、一般的な考え方を述べるにとどめたい。
まず、温度上昇が大きくなりすぎれば、変圧器を構成する物質が、温度に耐えられなくなり、燃焼したり、溶融したりする。その結果、変圧器がその機能を果たさなくなる。そのために、冷却を行い、温度上昇を、支障のない程度に押さえる必要が出てくる。ただ、ことさら冷却を行わなくても、自然の放熱だけで、温度を支障のない範囲にとどめることができる場合もある。(1)で説明したように、温度上昇は発熱と放熱のバランスで決まるということを、思い出してほしい。自然の放熱では、熱はまず空気に伝わり、暖まって空気はおもに対流によって拡散していく。熱の一部は変圧器の支持部材を伝わって放熱されるものもあろう。
(3)冷却方法:
冷却の方法としては、強制空冷(空気を吹き付けることによって、冷却する。表面積を増やすためにフィンなどをつけることが多い)、水冷(流水で冷却する。もちろん、水が内部に進入しないように、防水構造にする)などがある。前項で述べたように空気中に放置する場合も、これを一種の冷却と見て、自然空冷と呼ぶこともある。

実は私は、冷却方法の具体的なことはあまり知りません。電気・電子工学に関しては、専門的な知識を持っていますが、実際に接する製品は限られているし、変圧器についてとくに網羅的に調べたこともありません。ここに記した回答に間違いはないという意味で自信はありますが、ふれなかった事項も多々あり、質問に対する回答としては、不十分・不完全であることを認識しています。
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1)温度上昇の理由


変圧器の損失は3つあります。
   ジュール損(銅損):巻線の電気抵抗による損失
   ヒステリシス損(鉄損):鉄心のヒステリシス特性による損失
   磁力損(鉄損):鉄心の磁気抵抗による損失
これらの損失が熱エネルギーに変換され変圧器の温度上昇となります。

2)冷却が充分でないと温度が上昇し巻線の絶縁物(エナメル等)の許容温度以上となり絶縁破壊が生じレアショートとなる。巻線を最大負荷時にも絶縁体の許容温度以下に抑えるため、また鉄心の特性劣化防止の為、それぞれの温度を抑える必要があります。

3)一般に放熱(冷却)には以下の方法があります
自然冷却
強制空冷
自然水冷
強制水冷

でも、これらは教科書とか専門書に解説されていると思います。
ご自分で調べられる事をお勧めします。(特に書かれている内容を理解すること)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
鉄心中の磁界の変化による鉄損と、巻物自体の抵抗による銅損が発生する。ってとこまではなんとなくわかっていたんですが、どうして熱が発生するのか?っていうところでつまっちゃったんです。よくよく考えれば電気的なエネルギーの損失=熱発生ですよね。中学生の話でした。もっとよく勉強してから質問します。
すみません。

お礼日時:2001/10/15 00:07

変圧器は、勉強したのに、なぜ教科書には書いてないのでしょう。


およそ次のようです。
(1)変圧器には、大きく分けて無負荷損と負荷損が発生しますが、損失は、すべて熱になります。
(2)発生した熱は、適切に放散しないと温度が上昇し、絶縁物の温度上昇限度を超えてしまうので、適切な冷却が必要です。
(3)熱の放散は、伝導、対流および放射により行われることは、ご存知ですね。
小型の物は、空気による自然対流で冷却することが多いです。
電柱の上などで見かける柱上変圧器は、油入りで油の対流でケースの表面に移動した熱を表面から自然空冷します。
その他ファンで空気を当てる強制空冷もありますね。
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この回答へのお礼

お返事ありがとうございます。
今回の質問は僕の勉強不足でした。すみません。
やや専門的な内容になってきますと、言葉・内容が難しくなかなか理解がしがたいので・・・ご返事を参考にテキストを振り返ると、よく理解できました。
ありがとうございました。

お礼日時:2001/10/15 00:26

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