No.1
- 回答日時:
「気管内挿管」は、医療行為にあたります。
医療行為は「医師」のみに許されている作業です。
それ故、「気管内挿管」をしなかったから患者が死亡したとしても、「殺人」行為にはあたりません。
逆に、救急救命士が医療行為をすれば、法律違反になります。
ですから、「気管内挿管をする為の設備を取り外した」こと自体は、法の遵守にあたり何ら非難されるべき行為では在りません。
さて此処からは、私の見解ですが。
日本では「医師会」の既得権益確保の力が強く、患者や医療従事者・福祉関連職従事者の権利や利益が、抑えられていると思います。
それこそ、「生命」よりも。
また、医療行為自体は、昔の触診中心から、機器の操作中心に移っています。
それ故、最新の医療行為を学ぼうとすると、勢い都市部に集中してしまいます。
そのため、都市部以外の「救急救命士」が最新機器の講習を受けようとしても、地域によって水準のばらつきが出るのも、また、事実です。
此処を「医師会」は危惧しています。
ですが、今出来る事をないがしろにするのは果たしてどうでしょうか。
やはり難しい問題のようですね、確かに既得権益の問題は大きい様に思います。ドイツの権威主義的制度を摸倣したせいか、弁護士にしても医師にしてもあまりにも権限が集約しすぎて弊害が色々な所で出ているように思います、各部署のを担当する者も、しかるべき教育を受け、その専門のポジションで責任を持ち働いているはずなのですが、それに見合った待遇や発言権は無い様に思われます。ご回答ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
sanokuさんの言うことも正論だと思います。
確かに助かる命が、助からない確率が高くなるのですから。
しかし、全て法律の上で生活しているのですから、法律に違反したら犯罪と見なされてしまいます。
今まで失敗なく助かっている人もいるわけですが、もし気管を傷つけてしまい助かる命も助からなかったとなれば、それは殺人の汚名をきせられることになります。
昔、血圧測定も医療行為の一部でしたが、今は家庭用にもありますし、店先にご自由にどうぞなんて言う血圧測定器もあります。
アメリカでは、除細動器(電気ショック)なども一般の人が扱えるようにまでなっています。
そのうち、気管内挿管なども血圧測定みたいに救急隊が扱えるような法律に変わるのではないでしょうか。
そうなって欲しいと望んでいます。
やはり働きかけをしなければ変わって行きませんよね。
しかしほとんどの人が、自分の生活費を何とかする事がやっとで、変えてゆくという事はナカナカままなりません。
多くの友人は1日12時間以上働いているにもかかわらず、みな金銭的に余裕があるようには到底思えません。餓死すると言う事も無いし、レジャーランドも沢山あるし日本は豊かな国だなーとは思うのですが、色々なところに落とし穴やカラクリがあり「百姓は生かさぬよう殺さぬよう」と言う感じで、その実あまり豊かではないと感じることもしばしばです。ご回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
この問題は単純ではありません。
気管内挿管自体にある程度の技術が必要ですし、どう言った状態になったら挿管するべきかという判断など難しい問題です。実際僕も今でこそ挿管に苦を感じる事はありませんがそれは研修医の時代に麻酔科などをまわって100人以上全身麻酔などをかけて気管内挿管をやったからです。実際の救急現場でそのような研修システムが可能であるとは思えませんからどこかの病院で修行させてもらうしか無いと思いますが、そんな余裕のある病院は今の日本には無いでしょう。またそれ位の経験があればジャクソンリースやアンビューバックで換気させたりラリンゲアルマスク(挿管とマスク換気の中間の様な道具で救急救命士でもいれられる)の挿入位で十分に対応できるものです。
また、食道挿管は問題外としても緊張性気胸では呼吸が悪くても挿管して強制換気なんかしたらそのまま死んでしまいますし、クモ膜下出血で呼吸が少し怪しいひとに麻酔剤や鎮静剤の類いを使わずあわてて挿管すればストレスで血圧があがって再出血してそれが原因で死亡してしまう事もあります。そういう判断を救命士に求めて良いのか?また現実に挿管が原因で結果患者さんが死亡しないまでも不利益を被った場合責任は誰が取るのか?救命士に責任が行く場合その責任に見合った研修を受けたり報酬を得ていると言えるのか?など考えるべき問題が山積みです。今の様に必要も無いのに救急車を呼ぶ人が後を立たないようなモラルの欠如した社会で果たして自治体がそこまでのコストやリスクを負ってまで救命士を増やそうと考えるか?という事も問題となるでしょう。
そういった問題をクリアーするにはおそらくマニュアル化されてそれを満たせば挿管して例えそれが原因で患者さんが不利益を被っても罪を問われない制度も必要となります。しかしマニュアルは確率論であって全ての人にはあてはまらないわけですから結果として挿管自体が「殺人に近いような行為」となる人の権利は無視される事となります。
また、延命拒否などの問題も出てくるでしょう。普段延命を拒否する意志を周りの人に伝えていて書面でもきちんとしていても遠くの親戚みたいな人が突如あらわれて十分な医療行為がなされなかったといってトラブルになる事は現場の医療ではまれでありません。現行の制度のまま救命士に挿管させる様にしてしまうと医療現場の第一線の混乱がそのまま救命士の所に行ってしまいます。
そういった諸々の事を考える時、僕としては単純に「気管内挿管を救命士にやらせろ」という意見には賛成しかねることになってしまうのです。
現状としてはマスク換気をもっと上手にできる様トレーニングしたり、ラリンゲアルマスクの練習を良くやった方が効果があると考えています。
それから細かい事ですが基本的人権のなかに「誰でもすぐ気管内挿管を受けることができる権利」というものは含まれていないと思われますがいかがでしょうか?
現場の人間としての個人的な見解でした。
ご回答大変勉強になりました。10年の教育期間を持つ医師と違い確かに救命士の教育期間は研修を含めて4年程度と少ないように思えますが、新聞の紙面には、「秋田市では91年度から医師らの強力を得て訓練システムが立ち上がった。救命士教育のカリキュラムにこんなくだりがある。「特定行為を中心とした手技と重症患者の呼吸、循環管理」医師以外には禁じられている気管内挿管などの実習のことだ。手術で全身麻酔された患者に医師の指導のもと、挿管を実施していた。訓練を指導していた医師は「現場に医師が居なくても命が救われるシステムが必要だった」と話す。」と書いてありさらに、全国平均の3倍近い救命率上げていたとも書いてあります。
つまり彼らはすでにそれを行い、成果を少なからず上げていたということだと思います。救命士と言う国家資格なのですから、それに見合った学習と法律の整備をしてしかるべきだと思います。・・・細かい事ですが全国平均以下の救命率の県で間に合わず亡くなった方はやはり生存権の侵害を間接的にあるいは消極的に受けたことになるような気がするのですが。
No.4
- 回答日時:
朝日新聞、テレビ朝日の報道には事実誤認と情報の確認ミスがあります。
futukayoiさんが既にあげていますが
『ラリンジャルマスク』この存在をまったく欠いているのです。
応急処置として安全性の問題から考えて気管内挿管は問題があります。極端な話、ソコに散水用のホースしかなくってこれを挿管したのならわかりますが、『救急車輌にラリンジャルマスクを載せておかずに挿管チューブだけが載っていた』…この時点でこの救急隊の救急蘇生に対しての知識の収集不足と日々の点検不足が明らかであり、医療従事者としてどんな言い訳も通用しません。
『気管内挿管は知っていてもラリンジャルマスクは知らなかった…そんなの救命士の資格あるのかいな?』
正直な感想です。
いち医師として。
医者でも挿管に自信のない人間はラリンジャルマスクを選択します。
うーん、ということは、そういった指導カリキュラムを作り、指導した医師にも事実誤認がある?と言うことでしょうか、それとも記事自体がむちゃくちゃな取材内容だったと言う事でしょうか?救命士の方の意見も聞きたいですね!ご回答有難うございました。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
一応、法律カテなので、その面からのコメントを。
sanokuさんは、救命士による気管内挿管が受けられないことを「日本国憲法の基本的人権の尊重に違反」「生存権の侵害を間接的にあるいは消極的に受けた」と表現なさっています。もし救命士が気管内挿管を行えないことが不合理であることが事実であるなら、この主張自体は直ちに間違っているとは言えません。しかし、何というか、鶏を割くに牛刀を用いるというか、敢えて憲法を持ち出す問題か?、という気がしてしまうのです。凡そ、ある問題の解決のためには、「適切な」法律構成というものがあるのです。
救命士の技術レベルを考えれば、彼らに気管内挿管をさせないことには一定の合理性があるとも言えます。逆に、早期処置の必要性がそのリスクを上回るのであるならば、それは不合理な規則と言えます。また、その必要性も高く、またリスクも無視できないとしたら、救命士教育の方に不適切さがあると言えます。しかし、いづれにせよこれらは純粋に行政マターの問題です。患者の人権自体は自明の前提として、それをもっとも適切に実現するのはどのような方法かという技術的な問題に過ぎません。
とすると、一般的に医療行政の不備を問うのであれば、「不適切な行政」という行政機関の一般義務違反を問えば良いのです。明文の規定がある義務ではありませんが、そのような義務は無いと主張する人はいません。そして、もし具体的に気管内挿管を受けられなかったことにより不利益を受けたのであれば、行政機関の過失として不法行為責任(民法709条)を問えば良いのです。この「過失」は裁判所ではなかなか認められませんが、気管内挿管ができないことの不合理が明白なのであれば十分に成り立つ法律構成であり、少なくとも生存権侵害よりは現実性のある請求です。もし、敢えて生存権侵害を主張しなければいけない場面があるとしたら、例えば医師会が政治力を発揮して気管内挿管に関する権限を独占し、正常な政治過程ではもはや適切な行政が期待できない、というような場面に至ってからでしょう。
ただ、「日常会話として」「比喩として」「『政治的』インパクトを狙って」の発言であれば、まあ憲法違反を言うのも効果があるでしょう。しかし、医療・行政カテならともかく、法律カテとしては以上のような回答になると思われます。
非常に明快なお答え感謝致します。問題のとらえ方というのは、いつも悩まされる所です、多くの分野で知識の構築が必要なようでがナカナカままなりません。不合理ダナーと感じるのですが、何がどのように、どのような立場でそう思えるのか、自分でも解らない時がたまにあります。意識的に医療カテではなく法律カテとして、この問題のとらえ方に付いて質問したつもりだったのですが、どーも違う所に矛先が向いてしまっていたようで、大変申し訳なく思います、ご回答有難うございました。
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