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環境ホルモンなどで、高分子の可塑剤が取り上げられていますが、高分子の可塑剤というのは、そもそもどうして高分子をやわらかくできるのでしょうか?
高分子同士の会合を切断するのでしょうか?高分子内の結合を妨げるのでしょうか?

また、高分子が柔らかい、というのはどういう場合ですか?
分子量が小さい、炭素-炭素単結合が多い、の他に考えられる要因があれば教えて下さい。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

参考URLは可塑剤工業会のホームページの一部


http://www.kasozai.gr.jp/

参考URL:http://www.kasozai.gr.jp/main/index2.htm
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
さっそく読んでみたところ、可塑剤の仕組みが分かりやすく書いてありますね。高分子の間でどういう形で可塑剤が存在していたのかわからなかったのですが、その点が明解に書いてあって理解できました。

お礼日時:2002/01/18 09:57

まず、固い、柔らかいというのは抽象的な表現ですが


弾性率が大きい、小さいと考えればよいのではないでしょうか。
弾性率とは固体を変形させようと一定の力を加えたときに
大きく変形する物が弾性率が小さくて柔らかい、少ししか
変形しない物が弾性率が大きくて固い。
高分子化合物が低分子化合物と大きく異なる点は分子量が
大きいこと。分子量が大きくて隣の分子と絡み合っていることです。
分子量が小さいと気体で大きくなるにしたがって液体、固体と
変化しますが、これ以上の分子量になると初めて絡み合いが
生じるという分子量が存在するはずです。この分子量のことを
臨界分子量といいますが、臨界分子量以上の分子量になって初めて
高分子らしさが出て来るとも言えるでしょう。
このように高分子化合物は絡み合っています。
密に絡み合っているほど変形させようとしても変形しにくいので
弾性率は大きくなって固くなります。
環境ホルモンの問題となる後添加の可塑剤は液状物質が多く、
これら高分子の絡み合いをほぐすことによって柔らかくする
働きをします。
密に絡み合う高分子か元々あまり絡み合わない高分子なのかは
高分子の構造に依存し、高分子鎖が変形しやすい
(C-C結合が回転しやすい構造)ほど絡みにくく柔らかくなります。
分子内に存在する極性基による高分子間に水素結合や結晶なども
絡み合いと同じように分子を拘束するので、そのような部分が増えても
変形しにくく固くなります。
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この回答へのお礼

わかりやすい説明をありがとうございました。
高分子の剛性について考える場合、分子量と物質の状態の関係、C-C結合と物質の状態の関係、以外の要素があるのかな、と悩んでいたので。
接着剤の硬化後の強度について調べていて出てきた疑問でした。
ポリイミドなどの熱伝導性の低いものの剛性は見当がつきやすいのですが、逆に「しなやかな」接着剤の要望があった場合、どういう物性基準で探したらいいのか、というのが出発点でした。(職場は文系的現場と理系の橋渡しをしているようなところです)
でも結局は、可塑剤を入れる、分子量を落とす、直鎖C-Cを増やす、という点で探していくしかないようですね。
・・・もし何かアイディアをお持ちでしたら教えていただけると嬉しいのですが・・・

お礼日時:2002/01/18 10:14

熱硬化型の接着剤の剛性を小さくするという話ですね。


熱硬化性接着剤といっても何系かが分からないので
一般的な考え方を述べます。
接着強度を低下させる原因の一つに硬化時の収縮による
残留応力の問題があります。当然残留応力が大きいほど
接着強度は低下してしまいます。
同じ収縮量ならば弾性率(剪断方向ならば剛性率)が
高いほど応力は大きくなってしまうので剛性を下げたい
という要望が出てくることが良くあります。
単純に剛性を下げる方法の一つとして液体の可塑剤を
加えるというのも一案ですが、私自身はあまりお奨め
しません。接着強度を支配するのは残留応力だけでは
ないからです。液体成分を加えると一般的に接着強度は
低下するからです。
プラスチックなどで対衝撃性を向上する手段として、
ゴム成分を添加するというのが一般的だと思います。
これは、直鎖のC-Cを増やすということと同じ様な
考えかもしれませんが。
熱硬化性の接着剤の場合、硬化反応によって架橋点が
沢山形成されます。熱可塑性の高分子では分子の絡み合い
(水素結合や結晶による分子の拘束も含めて)の
度合いが剛性を支配する因子になってきますが、
このような絡み合いよりも密に架橋点が生じるので
架橋間の分子量が支配因子になると思います。
架橋間分子量が小さいほど(架橋が密なほど)
剛性率は高くなってしまいます。
架橋点間を離す工夫も必要でしょう。
低分子の材料を使用すると硬化させたときに結局
架橋点間分子量が小さくなってしまうようでは
逆効果です。
もう一つ、何℃での剛性率を問題にするか?
ゴム成分を加えるというのは、使用温度よりもガラス転移温度の
低い材料を加えると言うことなので、接着剤成分のガラス転移温度
も場合によっては考慮が必要だと思います。
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この回答へのお礼

なるほど!
何度もご丁寧な解答を頂けて、感動です。
本当にありがとうございます。
熱硬化性高分子と熱可塑性高分子とでは、剛性の影響因子は違うんですね!
確かに、言われてみれば「なるほど」と思ってしまいますが、言われないとわからない盲点でした。
熱硬化性のほうが複雑な系なわけですね。(これも言われてみれば納得ですが)
してみると、熱可塑性のほうが、高分子鎖の絡み合いだけ注目していれば、ある程度制御しやすいというわけですか。
いま私の扱っている現場では長らく、少し特殊な分子量の低めの天然材料(デンプン系)を使っており、それを私は残留応力が少ないために、基材への物理的影響を少なくできるからだろうと解釈していたのです。しかし、現場の方からは、接着剤だけでなく基材をも含めた仕上がり感の「しなやかさ」にこだわっている、との理由を聞きました。(使っている方達は、化学組成には興味なく、ただ、今まで使ってきて上記の効果が得られているので使っているわけですが。)本当のところ、この天然材料はpH調整がしにくく、うちの職場としては代替材料(熱硬化性でも熱可塑性でも)を捜せるものなら探したい、という意向があったので、彼らの言う「しなやかさ」とは何か、また、他に材料を探すとしてそもそも高分子を柔軟にするためにはどうしたらいいか、という観点から考え込んでいました。
結局、熱可塑性高分子の場合、「しなやかさ」と残留応力ひずみは直結しているのですね。現場の方と、私とでは言語が違うだけで同じ要素を見ていたのだということがわかりました。
ご丁寧な解答のおかげで、代替材料探しの糸口が少し見つかったような気がしています。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2002/01/19 22:51

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