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PDMSについて質問です.
文献などに,シリコーンゴム(PDMS)や,PDMS(シリコン)などの書かれ方をしており,シリコンとの関係がよく理解できません.

PDMS(ポリジメチルシロキサン)という化学物質は,シリコーンゴムの別名なのでしょうか?
あるいはシリコーンゴムの一種なのでしょうか?

また,シリコーンゴムの一種なのだとしたら,他のシリコーンゴムと具体的にどのような特性の違いを持つのでしょうか?

ご回答のほど宜しくお願いいたします.

A 回答 (4件)

炭素とケイ素は周期律表で同族なので、炭素が作る化合物はケイ素でも出来るのではないかと種々研究されました。



その中で、ケトンと同じ構造、つまり、R-Si(=O)-Rが合成できたと考え、それをケトンからの由来で、語尾をoneとしたSiliconeと名付けました。

結果的には、ケイ素のSiliconの語尾にeが付いただけですが、この両者には決定的な違いがあります。

後年、ケトンと同様の構造と思われていたSiliconeが、実はSi=Oのところが開いていて、-Si(R)2-O-であることが判明しましたが、Siliconeという名称はそのまま残りました。

日本語では、ケイ素を表すSiliconをシリコンと表記し、有機ケイ素化合物の重合体であるSiliconeをシリコーンと表記して区別しています。

よって、ポリジメチルシロキサンは、シリコーンです。

ちなみに無機ガラスの原料であるSiO2は、Si-O結合を有していますが、シリコーンではありません。

シリコーンゴムは、ポリジメチルシロキサンが原料ですが、それだけではゴム弾性を示しません。

一般にMQレジンと呼ばれるシリコン化合物を混合します。

これはSiO2骨格を持った球体の分子の表面に-O-Si(CH3)3(これをMタイプと表記しています。酸素が1つという意味)をつけたものです。

実際は、単純なブレンドではありませんが、詳しいことは省略します。

このMQレジンの添加量を増やすほど軟らかくなって行きます。


適切な量のMQレジンを添加して、架橋反応を起こし、適度に3次元化したものがシリコーンゴムだと考えればよいと思います。

ポリジメチルシロキサンの分子量、MQレジンの添加量、架橋度合いなどで、いろいろな物性のシリコーンゴムを作ることが出来ます。

PDMS(ポリジメチルシロキサン)をシリコンというのは、その文献著者の勘違いではないでしょうか?

メタンのことを炭化水素または、有機化合物と言う代わりに「炭素」と言っているようなものです。
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この回答へのお礼

詳細なご回答ありがとうございます.
非常に参考になりました.

お礼日時:2010/08/04 10:46

1)PDMSは一つのポリマーの化学名です。

シリコーンゴムの一種ではありません。PDMSそのものも色々な分子量のポリマーがあり、その用途も様々です。
2)シリコーンゴムはPDMS (主として?)や他のシリコーンポリマーを架橋させて、色々な添加剤を加えてゴムの性質を持ったもので、この範囲は色々な分野で、非常に多く使用され、性質も多くあり、非常にコンプレックスです。架橋剤には、有機peroxide を使用したり、PDMSと共に他のシリコーンポリマーも使用して、その性質(温度、薬品、粘弾性など)をかえて、その用途におおじ、それにより添加剤もかわります。これは企業秘密で、そう容易ではありません。
3)英語では、Silicone Polymer (Rubber, Oil, Resin, etc), ドイツ語で、Silikone
日本語のシリコ-ン は少しまぎらわしい(シリコン)ですが、なれれば、有機と無機の違いは感でわかります。
4)無機のシリコンの SiO2 ( Eng. Silicondioxide ) で、英語からその言い方が日本語のほうに入ってきたので、ドイツ語なら、SiO2 ( Siliciumdioxid ) で、紛らわしさがないですが?
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この回答へのお礼

詳細なご回答ありがとうございます.
非常に参考になりました.

お礼日時:2010/08/04 10:47

ちょっと修正シリコーンですがSi-CではなくSi-o-Siを主骨格にした高分子化合物です。


この主骨格に通常アルキル基などが付いています。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます.

お礼日時:2010/11/30 23:43

まずシリコーンとシリコンの違いですが、


シリコーンはSi-C結合を含む化合物のことを示し、
シリコンは半導体などに使われるSi原子そのもののことです。

PDMSですが名前の通りジメチルシロキサンがたくさんつながった構造をしています。
単純につながっているだけでほぼ直線でできていますのでゴム弾性はありません。

これに架橋(加硫)処理をしてやることでゴムとしての性質が出てきます。

PDMSはいわばシリコーンゴムのベース材料と考えたほうが良いでしょう。
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この回答へのお礼

すばやいご回答ありがとうございます.
非常に参考になりました.

お礼日時:2010/08/04 10:45

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