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日本家屋で育ち、実家にも床の間があり絶えず掛け軸等かざってあります。
この4月に結婚し、自分自身が幼稚園のころまで住んでいた家(結婚前は空き家)に住み始めました。
家で商売をしていた関係でか、床の間が2階にあり、別に掛け軸を飾ろうという思いもありません。
そこで、ヒーター等を置く場所にしようかと思ったのですが、何か気が引けます。小さい頃、床の間を拭き掃除する時には、仏壇を掃除するような感覚で掃除していたからか、何か変なものを置くと罰が当たりそうな気がします。
そこで、疑問に思ったのですが、床の間って一体何の為にあるのでしょう?

A 回答 (4件)

こんにちわ



実は私、学生時代にまったく同じ疑問から、床の間と茶室の起原と変遷についてを
卒論のテーマにしたものです…
#2のかたが
「家として使用している建物の斎を表す場所が床の間です。またそのような精神」
とご説明くださっていますね!
でも、そもそもどうしてこんな狭い空間が特別大事な空間なのか、単純素朴に不思議
ですよね?

実は、床の間、という空間が発生したのは室町時代のことなんですが、
「だったら結局禅宗と千利休の発明でしょ」とおもわれがちなのが落とし穴です。

実は床の間の起原は、こころの高みやわびさびの精神よりも、もうちょっと権力主義的
なところにありました…
(というと、違う学説の方から袋だたきになるかもしれませんが、私はこの説に非常に
説得力を感じて人生の大きな謎が解けてすっきりした思い出がありますのでご紹介しま
す)

千利休が登場する以前から、「書院造り」の建物がこの時代の主流でした。
書院はその名の通り、書を読むための明かり取りと文机があるコーナーのことですが、
この書斎(書院)と同時に、書院造りにはあと二つ、床の間の成立に直結する特徴が
ありました。

ひとつは、「上段」(じょうだん、とそのまま読みます)といって、エライお方が
鎮座まします、二畳ぐらいから広いものでは六畳ほどもある、「一段高いお座敷」
です。
このエライお方のまします「上段」に付属品として取り付けられるようになったのが
床の間のはじまりになっています。
つまり、エライ人の背景を飾る意味での舞台装置の一種と考えられますので、色々、
さらにエライ威厳を増すようなお飾りをするようになる訳です。

このお飾りの儀式を定めたのが、能阿弥と相阿弥コンビによる「君台観左右帳記」
(くんたいかんそうちょうき)という日本最初のインテリアしきたり教本です。

戦国時代が激化すると、豊臣秀吉はキンキラキンの黄金茶室を作ったりしますが
千利休とその弟子達は、どんどん小型化したわびさびの「草庵」を追求するように
なり、とうとう床の間のサイズも「壁床」という壁だけの床の間(面積はゼロです
ので、掛け軸だけしか飾れません…)まで過激にわびさびをマニアックに追求する
ことになってしまいました。

>床の間って一体何の為にあるのでしょう?
という当初の問には、最初の存在理由は「エライ人の学問的知識や金銭的に豊かな珍しいもの
由緒正しい宝物などを飾って、偉さをショーアップするため」にあったのですが、ほどなく
利休たちのわびさび精神が主流となって、豪華なものを飾るのではなく、簡素なもので心を
洗い浄めるための空間(だから面積ゼロの壁床まで行き着いた訳ですね)、と過激に追求され
て、平和な江戸時代に入ると、また両者のよいところを混ぜ合わせて綺麗に美しくお部屋の
表情をキメルためのスペースとなっていき、これが平成の現在まで受け継がれています。

#3さんの
>床の間に飾る為に掛け軸が出来たとは違うようです。
については、私が学んだ限りにおいては、禅宗が茶の湯の精神的な源になっている
ことは多くの皆さんがご存じのことですが、なら禅宗の精神って一体なんだ?と深く
考えると一生かかる精神的な問題になってしまうので私も大変困りました。
従って私も「禅の奥義」はまるで知らないまま建築学的な歴史面だけを調べた状態です
が、「禅のこころは偶像崇拝を否定する」というところから来ているようです。
つまり、本来なら仏像を置きたいところですが、仏像は偶像ですから、ほんとうは
木彫りにすぎない仏像を拝むのは真の理解にならない、という考えです。
そこで、本当に生きていた人間である和尚さんが自筆で書いてくれた掛け軸や、
和尚さんの死後、愛用していた袈裟を弟子達がちぎって分けて、崇拝した、という
ことを「禅の実践」として教わりました。
茶室の床の間で飾る掛け軸については、この考えにもとづいている訳ですが、中国
の掛け軸は多分もっと古い時代からあったはずだろうと思いますので、これはもっと
詳しい方から補足してもらえると私も嬉しいです。
(でも中国の豪華絢爛な虎が吠えているような掛け軸では利休さんは草葉の陰でお
怒りになることになりそうですね^^;…)
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この回答へのお礼

すばらしい!!!
同じ疑問で論文を書いてします回答者様を尊敬してしまいます。
そこまで知ろうとすることが素晴らしいですね。
私も、回答者様の説明を読み、大変興味を持ちました。
床の間に歴史と文化ありですね。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/24 11:20

はじめまして



床の間の解釈も色々あると思います。
そもそもは貴族や上級武士の権威の象徴の一つだったのが、
庶民におりてきて、色んな解釈で使われるようになったのだと思います。
ですから、現在、どのような使い方をしてもそれはそれで構わないと思います。

新築の拙宅も和室に小さいですが床の間を設けました。
しかし、立派な床柱があって、立派な床があって・・
みたいな床の間ではありません。
床の間をデザインの一部と考え、他の部屋の雰囲気とあうような感じにしました。
お客様が来られた時には、次の季節を感じるような軸や、
お客様の好きな花などをさりげなく飾りたいな~っと
思っています。
なんか、喜んでもらえそうな気がしません?
普段は、物置みたいになっていても・・・

ちなみに掛け軸の歴史は現在の床の間のような歴史より古く、
床の間に飾る為に掛け軸が出来たとは違うようです。
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この回答へのお礼

私ももし、自分が家を建てるときが来たら、床の間を設けて
お客さんを迎えたいなぁなんておもうようになりました。
日本がますます好きになりました。
ありがとうございます!!

お礼日時:2006/06/24 11:18

ちょっと前にリハウスのCMで、娘役の子が引越し出ていく時に、「忘れ物した」といって家の中に入り、「お世話になりました」と言って出てくるシーンがありました。


日本人は、道場(剣道などの)や球場などに一礼したりする習慣がありますね。
つまり場所・空間に対して斎(イツキ)の感覚を持っています。
家として使用している建物の斎を表す場所が床の間です。またそのような精神が日本人にあるために、床の間は大事にされてきました。ちょっと神棚(仏壇なども)にもにているのかもしれません。
ですから気持ちの上で、なんか神聖な気持ちを持つのは当然です。

もちろんただの空間ですから、何をおいてもかまいません。
しかし人間にへそがあるように、なんとなく家の中心としてたまに花を飾ったりしてみたらいかがですか。
ちょっとしまったいい空間ができますよ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
日本人の文化、精神なのですね。
ところで、重ね重ねの質問で申し訳ありませんが、斎とは何でしょうか??
辞書で引いても載っていないので、もしよろしければ教えてください。

お礼日時:2006/06/22 19:21

 来客があったときに、その人物をもてなすために花や掛け軸などを飾った場所だと云うことです。



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%8A%E3%81%AE% …
http://www.sala.or.jp/~matu/nagare8.htm
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