No.5ベストアンサー
- 回答日時:
質問の趣旨には必ずしも沿っていないのですが、私が理解しているところを開陳してみます。
「判例」というとき、最広義と広義と狭義の3通りの使い方があると思います。以下その3つについて説明した上で、それとの対比で裁判例の意義について見解を述べます。
説明の都合上、先に広義の「判例」について説明します。この場合は、「先例としての価値がある裁判(=判決+命令・決定)」という程度の意味だと思います。日本には「先例拘束性の原理」(=先例に必ず従えというルール)はありませんが、実際は慣行として先例に従う傾向があります。ただし、「先例としての重み」には差があり、当然最高裁の判例は尊重され、これが1度出ると、下級審がそれに真正面から反対するような裁判を行うことはまずありません。最高裁判例が出ていない場合でも、下級審で同様な判断が繰り返し行われれば先例としての価値が上がり、後続の裁判もそれに従う傾向にあります(この状況を指して「判例が形成されている」と言います)。
最広義の「判例」は、「過去に下された裁判」を指します。例えば、『判例時報』という法律雑誌があるのですが、これは広義の「判例」という意味で使っているわけではなく、過去に出された裁判の中からピックアップされたものに過ぎないということです。
狭義の「判例」は、条文上で登場してくる「最高裁判例」と言う意味です。刑事訴訟法や民事訴訟法には、最高裁が上告受理するのは一定の場合に限ると定められており、その一つが最高裁判例に反する判断をした場合です。この規定からは、単なる「先例としての価値がある裁判」とは異なり、最高裁の判例には特別の重みがあると読み取ることも出来ます。
以上3通りの使い方を踏まえて、「裁判例」の意味を考えてみます。「裁判例」という語は、「判例」との違いを意識して使う場合が普通です。そのため、上で述べたように「判例」に3通りの使い方に対応して、「裁判例」という語にも異なる意味が込められる可能性があります。
まず、最広義の「判例」との対比ですが、これと意味上の差異を出そうと思うと「判例」よりも「裁判例」方が意味が狭くなるしかありません。しかし、「判例」よりも「裁判例」の方が意味が狭くなるのは語感としても、実際の用法としても、まず無いと思います。
次に、広義の「判例」に対して使う場合、「先例としての価値があるとは断言できない過去の裁判」といった意味になると思います。先例として価値があるかどうかは後々にならないと分からない場合があり、最新の判決を紹介する場合などは「判例」というより「裁判例」という方が適切な場合があります。
最後に、狭義の「判例」と比べます。この場合は、「裁判例」という語に「最高裁の判断ではない下級審の判断ですよ」という意味がこもります。
「判決例」という言葉は私自身使ったことがないので何とも言えませんが、「裁判例」から「命令・決定例」を差し引いたぐらいの意味ではないでしょうか。
詳しい回答ありがとうございます。よく分かった気になっているだけかもしれないので確認させてください
。
判例は
(1)最広義→過去に下された全ての裁判(下級審含む)
(2)広義→先例として重みを持つ全ての裁判(下級審含む)
(3)狭義→先例として重みを持つ裁判(最高裁のみ)
ということですね。
裁判例は
広義→(1)から(2)を除いたもので
狭義→(2)から(3)を除いたものという理解ですね?
No.6
- 回答日時:
>判例は
>(1)最広義→過去に下された全ての裁判(下級審含む)
>(2)広義→先例として重みを持つ全ての裁判(下級審含む)
>(3)狭義→先例として重みを持つ裁判(最高裁のみ)
>裁判例は
>広義→(1)から(2)を除いたもので
>狭義→(2)から(3)を除いたもの
確かに、簡潔に図式化するとそうなりますね。自分でもそこまでまとめては考えていませんでした。ありがとうございます。
補足すると、「判例」という語は、日常(?)的には最広義の使い方は余りしないと思います。そういう使い方もあり得るというくらいですね。
私の感覚では、「裁判例」という語のニュアンスは「判例」とは差があるという意識にあると思います(あくまで私の感覚なので、そんな差は意識せずに使っている人もいるかも知れませんが)。上の図式に即すると、「(*)から(*)を除いたもの」の「除いたもの」という部分にそのニュアンスが表れているのではないでしょうか。余計分かり難くなったら済みません。
No.4
- 回答日時:
>判例は判決例と裁判例の略だと言われました。
まあ「裁判=判決以外の裁判所の判断」と定義するなら、その説明は極めて的確です。
# だけど、普通は判決⊂裁判でないのかしらん?
>私の解釈は、判例は最高裁によるもので、裁判例は下級審でのものだった
あ、それはたぶん法律学のスタンダードな用語法とは違います。
言葉を使い分けるなら、
その効果の違いをちゃんと意識しなければいけないと思いますよ。
あなたの用語法で「判例」と「裁判例」の効果の違いは何ですか?
…効果に違いがなければ、言葉を使い分ける意味もないですよね。
効果の違いの1つとして考えられるのは先例拘束性ですが、
先例拘束性という意味では最高裁判決も下級審判決もそうたいした違いはないです。
(もともと、法的には判例に拘束されるという要請はありませんし)
判例が最高裁判決だけなら、上訴しないで地裁なり高裁で確定しちゃった判決だと
判例にならないことになっちゃいますが、そんな話もないですしね。
実際、刑事事件なんてほとんどが一審確定ですから、
地裁判決が判例になっているケースはいくらでもありますよ。
回答ありがとうございます。
>「裁判=判決以外の裁判所の判断」と定義するなら、その説明は極めて的確です。
決定や命令のことになるのでしょうか。
>判例は最高裁によるもので、裁判例は下級審でのものだった
講学上このように分けるなんてことを聞いたのですが、それとは別の認識が正しいということですね。
裁判例の中で先例拘束性を有するものを判例と言うということでいいでしょうか。だから、地裁高裁のものでも判例はある。但し、最高裁には下級審の判決を破棄し新たに判決を下す権利があるから・・・みたいな理解をしましたが、どうでしょう?
No.3
- 回答日時:
ごめんなさい ちょっと間違っていたようです。
ただ当方は2件弁護士に相談をしておりましてその時に聞いたことの経験から少し書きますね。結構日付が経ってますからもうすでに参考にはならないかもしれませんけどね。当方は弁護士に2件相談中だといいました。その内容は片方は傷害事件の被害者の態度についてでもう片方は不動産の保証金の扱いについてです。
(1)傷害事件で相談したときは相手を軽く殴っただけなのに相手から法外な慰謝料とむちうちになったから医者の代金及びリハビリ代を払えと言う内容でした。それを弁護士に相談したら「過去の最高裁の判例でむちうちになったって証明できない限りは払う義務はないという判決が出ているため証明できない限り払う必要なしと言われました」
(2)不動産の保証金について相談したときは今は保証金自体がおかしいという方向に行ってるみたいです。ですがこれは神戸地裁の裁判例で出たもので場合によっては認められない可能性があるって言われました。
(1)は最高裁まで行っています。(2)は地裁止まりです
裁判官が下さなければいけない場面で最高裁まで行って勝訴すればその判例が他の事件でも応用されるみたいです。
(1)と(2)の結果おそらく弁護士曰く最高裁まで行って結果が出た場合が判例で地裁止まりは裁判例なんだと思います。弁護士がそう言ってましたから多分そうではないかと・・・。これもあくまでですね。参考にまでにしてください。ちなみに判例はどっちも関係なくどこの裁判所でも出した結果だと思います。それでは。
No.2
- 回答日時:
>判決例、判決例とよく言われるのですが
どこでですか?
>裁判例や判例とは何か違うのでしょうか?
たぶん、使われる場面が違うのだと思います。
(「判決例」って法律用語ではないと思う…)
「法律解釈の基準や裁判での判断基準として使われる過去の裁判の判断」
という意味なら、別に判例と意味に違いはありません。
ただ、法律上の裁判所の判断は「判決」とは限らないので、
法律学の議論をするときは「判決例」とは言わないと思います。
判例は判決例と裁判例の略だと言われました。
私の解釈は、判例は最高裁によるもので、裁判例は下級審でのものだったので、そんなことを言われてびっくりしました。判決例という言葉はひょっとしたら判例と裁判例の総称か何かかと思ったのですが。
回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
判決例は地方・高等裁判所での判決です(最高裁判所は含みません)似たような例で裁判を起こしても過去の例は適用されません。
裁判例は最高裁まで行っての判決で似たような裁判を起こした場合、過去にこういうことがあったって弁論できる例です。判例は過去にこういうことがあったっていういわゆる記録ですか。
多分こうだったと思います。ちょっと自信がないです。ひょっとしたら間違ってるかもしれないですね。
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