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散乱断面積は物体の大きさが波長に比べて大きい場合には、幾何学的断面積と同程度になるとあったのですが、この状況が理解できません。教えていただけませんか?

A 回答 (2件)

光の波長が物体の大きさに比べて小さいとき幾何光学が良い近似となり、物体が作る平行光線の影は物体の幾何学的大きさと同じになります。

ただし、その類推で完全吸収体の吸収断面積が幾何学的面積と等しくなることは説明できますが、弾性散乱の断面積の方は説明できません。量子力学で物理光学から幾何光学を導くときと同様の近似をすることをアイコナル近似と呼んでいます。
http://www.numdam.org/numdam-bin/recherche?h=nc& …

この近似の下で直径がdの黒体ポテンシャルでの吸収断面積は

 σab = πd^2 [1-(λ^2/2d^2)(1-(1+2d/λ)exp(-2dλ))]

なのでd/λ≫1 の極限でσab = πd^2という古典的極限と等しくなります(例えばGoldberger-Watson:Collision Theory, p.339)。しかし回折も無視することはできません。高エネルギーでは弾性散乱は大部分前方に起こり、

 dσ/dΩ = πd^2 [ J1[2κd sin(θ/2)]/2sin(θ/2) ]^2/π

で与えられます。これは光学で黒い球の回折散乱として知られているものです。dκ≫1 の極限で弾性散乱全断面積もσel = πd^2となります。ご質問の断面積が吸収断面積なのか、弾性散乱断面積なのか分かりませんが、もし弾性散乱断面積ならば「散乱断面積は物体の大きさが波長に比べて大きい場合には、幾何学的断面積と同程度になるのは、前方への回折散乱が主要になるから」というのが答えになります。
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散乱断面積は,粒子をぶつける状況を考えます.そのとき,このくらいの範囲(面積)に粒子を投げ入れたら散乱が起こるこの範囲を散乱断面積といいます.このような素朴な考えが成立する状況下では,散乱断面積は,光で投影したときに出来る,影に相当する幾何学的断面積は同じものです.


一方量子力学において,粒子は波動という側面も持っています.波動では,波長よりも小さなものは,波が乗り越えて進んでしまうので,(例えばAMラジオが山を越えても聞こえるように)散乱はせずに,透過してしまいます.
ご質問の内容はこのとこを言っていると思います.
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