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味噌の中には植物性乳酸菌が含まれていて、整腸効果があるなどと聞きます。
ところが自分は味噌はたいてい味噌汁でしか摂らず、乳酸菌は熱に弱いと聞きます。この場合、やはり熱によって乳酸菌が死んでしまうのでしょうか。それだったらわざわざ塩分濃度の高い味噌を毎日とる必要もないかなと考えてしまいます。

A 回答 (1件)

加熱によって乳酸菌が殺菌されるのはその通りです。

もちろん100%というわけではないですが。
正しい方法で手際良く作った味噌汁なら、生菌も多少は残っているのでしょう。

ただですね、体内環境改善のために乳酸菌を摂取するという目的なら、それが生菌体だろうが死菌体だろうがどちらでもいい、というのが最近の研究者の意見としては主流派だと思いますよ。

乳酸菌は、普通は胃酸でほぼ100%死滅します。
食べる前に死滅するか、食べた直後に死滅するか、違いはそれだけです。

研究によって「胃酸に比較的強く、一部が腸に生きて届く」種類も発見されてはいます。しかしTVのCMを見て誤解されると困るのですが、そういう菌種であっても大部分は胃で死んでしまいます。
腸まで生きて到達した株にしても、深刻なダメージを負っていて非常に弱っているものです。腸に到達した菌それ自体が既存の細菌叢に割り込んで増殖することはまずありません。

乳酸菌が優性になるという事が仮にあるとしても、それは外から摂った乳酸菌が腸で増えるということではないのです。もともとその人の腸内にいた株が勢力を増したことによってしか起こらないでしょう。

じゃあ何のために乳酸菌飲料等を飲むのか?
(実際の研究では、乳酸菌を食物として摂取することが健康に有益であること自体まだ真偽は確定していませんが、とりあえずここでは健康に有益であるとして)

乳酸菌を食物、飲料として摂取するというのは、すなわち「培養した乳酸菌を培地ごと食べる(飲む)」ということですので、まず単純に乳酸菌が好む培地を消化管に送り込む効果があります。
これが腸内にもとからいる乳酸菌の増殖を助けます。

また、そもそも何故乳酸菌が身体に良いとされるかを考えると、乳酸菌が代謝で作り出す分泌物の成分に人体に有益なものが含まれているという要素も大きいでしょう。
で、代謝分泌物は別に人体内でなくても、乳酸菌が生きて行く中で生産されますよね。乳酸菌を培養し培地ごと摂取することで、培養中に作られた有益な分泌物も一緒に摂取できるわけです(培地にそのまま残って含まれてますので)。

以上、おおざっぱな説明で恐縮ですが、要約すると「生菌のままであろうと殺菌してあろうと、腸まで届く菌だろうと届かない菌だろうと、いずれは体内で死滅することに変わりはない。摂取した菌それ自体が直接体内で繁殖するわけではない」
さらに、「身体に対する有益性は、そもそも食べた時点で菌が生きているか死んでいるかとはあまり関係のない部分が大きい」
ということになります。

故に、味噌汁が加熱によって味噌中の乳酸菌を殺してしまうとしても、それはどうでもいい部分ではないかと思いますね。
同じ量の味噌を生で食べても味噌汁で飲んでも、その乳酸菌によるメリットは増えも減りもしないでしょうから。
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この回答へのお礼

わかりやすいご回答ありがとうございます。
「生きて届く」などのうたい文句が多く聞かれる中、必ずしも生菌でなければいけないということはないという意見を聞いて、とても驚きました。
おかげさまでこれからはよりいっそうおいしく味噌汁が食べられます。

お礼日時:2006/12/25 09:44

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