「棒」について

僕は高校１年生です。
国語の授業で阿部公房の「棒」についてレポートを最低Ａ４の紙１枚つくることになりました。
僕は「なぜ棒を放っておくことが罰になるのか」ということをレポートにまとめようと思います。
しかし、１枚も書けません。
どういったことを書けば良いでしょうか？

No.1 回答者： LoseSight 回答日時： 2007/02/09 14:41

それはご自身が読んで感じたままを『疑問点を含めて』書き表わすしかないですね。

そのために今一度、背景を整理して見ましょう。
・デパートの屋上から落下して、気がついたら棒になっていた「私」。
・白い附け髭の先生と双子のような学生の、三人連れによる会話の内　　容。彼らは、どうも死者を罰する立場の者らしい。　
・その会話の結果として、棒切れのまま地上世界に放置された「私」。
∴　三人の会話からのキーポイント
・「棒（になった男）は生前には誠実で単純な心をもっていたようで、　　乱暴な扱いを受けたにも拘らず、捨てられずに使い続けられた」
・「棒は、あらゆる道具の根本であり、特殊化していないだけに、用途　　も広い」
・「この棒は、棒であった」…（この男は、生前から棒切れと変わらぬ　　存在であった）
・「死者を罰するということで、僕らの存在がある」
・「地上（人間社会）の法廷は何％かを裁けばよいが、我々は死人に対　　して同じように裁かねばならない」
・「置きざりにしておけば、誰かが生前の男のように棒切れとして使っ　　てくれることだろう」

∴新たに罰を与えるほどの者でもなく、まして「棒」のよな無駄な人生　をおくっていた取るに足りない男を、怪物のような身に落とすまで　　もない。「棒になった男」は、生前からも「棒であった男」だったの　だろう。
　本来、人間は道具ではないのである。棒（道具）のままであること　　自体が、すでに罰なのだ。

　その他にも受け取りかたは、いろいろとあると思いますが。