私は仏教徒の家に生まれ育ち、
「この信仰は正しい、正しい」と言われ、
なんとなく仏教を信じてきたのですが、
最近、自分の信仰に疑問を持ち始めました。
今まで自分の信じてきた信仰、
また、自分にとっては未知のものである世界の主だった信仰、思想、哲学を、
自分なりに吟味、批判し、疑ってみて、
最終的にどうしても疑いきれなかったものを、
自分の信念、信仰、または思想、哲学として選びとろうと思っています。
信仰、思想、哲学の「理論的、観念的部分」と、
その信仰、思想、哲学が実際の人生、社会に影響を及ぼす、
「現実的影響面」の両方を吟味してみたいです。
そこで
「ものごとをうのみにするのではなく、批判、吟味する方法」
を説いた人、哲学、学問体系などがあれば教えてください。
特に具体的な著作名を教えて頂けるとありがたいです。
客観的に見て絶対に正しく、
万人が納得できるような哲学や思想、信仰、真理はないかもしれませんが、
せめて、精一杯、吟味、批判してみた上で、
自分なりに納得できる信仰や思想、哲学を抱きしめて生きていきたいのです。
どうか、力を貸してください。
よろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
仰る「哲学」とは若干ニュアンスが違うかもしれませんが、
本来の「哲学」というものは、全てを疑う学問です。
ソクラテスが「正義って何?愛って何?」と疑問を投げかけたり、
デカルトが世の全てを疑った上で、それを疑う者は何者かでなければならない、
と考え、我思う、故に我在り」と言った様に。
ちなみに、「疑いきれないもの」は存在しないと思っていいかもしれません。
キリストを信じる人はキリストを信じているでしょうし、他の宗教もそれに同じ。
学問だって、重力の作用を見た人はいても、
重力そのものを見た人はいないのですから。
No.2
- 回答日時:
今の彼方に「ものごとを鵜呑みにするのではなく、批判、吟味する方法」を書いた本を渡したところで『その本を鵜呑みにして』いろんなものを疑っているだけになる気がします。
それこそ自分で何を疑ったらいいのかどう疑ったらいいのか悩んだ上でどう吟味したらいいのか『このやり方なら』という結論を導かないといけないと思います。
No.3
- 回答日時:
こんにちは、shigokoroさん。
福岡正信さんの本を読んでみてください。春秋社から、「わら一本の革命」「自然に還る」「無I神の革命(宗教編)」
「無II無の哲学(哲学編)」「無III自然農法(実践編)」が出版されています。
自然、社会、人間について、基本的なことを知らなければ、批判、検討できません。NHK高校講座をビデオに録画しながら、視聴、受講してください。全ての教科で、知識が広がると思います。
20世紀、人類は、世界大戦を2回経験しました。1945年には、人類が原子爆弾を使用してしまいました。戦争、国際紛争、地球温暖化。石油資源とバイオエタノール生産で、穀物が急騰しています。人類の未来は、あるのでしょうか?
人類は、解決できる問題を目前にして、はじめてあわてますが、知恵のある人たちは、数千年、変わることなく、自然と一体に生きてきました。
生産と消費を今のまま繰り返すと、人類は、滅亡します。
昔、日本に大学がひとつしかなかったころ、その大学を出ると、すべてのことに答えが出たようです。専門が分化する以前だったのでしょう。
参考URL:http://www.nhk.or.jp/kokokoza/
No.4
- 回答日時:
「ものごとをうのみにするのではなく、批判、吟味する方法」
は論理学ですね。「数学基礎論:隈部正博、放送大学発行」でも読めば論理的な思考が養われるでしょう。それから、哲学でも宗教でも伝記でもまともな書籍を少なくとも1000冊ぐらいは読まないとまず吟味や批判できるようにはなりませんね。そのぐらいでやっと宗教・哲学への入門というこです。そういうことですから時間に耐えてがんばってください。遥か昔に読んだ「出家とその弟子」という書籍もおもしろかったですよ。
No.5
- 回答日時:
前回の貴方の質問にも回答いたしました。
■理論的なもの
なんといっても基準書的な物として、「日蓮大聖人御書全集」をお奨め致します。日蓮大聖人は鎌倉時代の僧として、民衆救済を願い教主釈尊以来の仏教の本義を顕された方です。御書全集には、仏教の教義はもちろん、細部にわたる解釈が述べられています。
■実践的なもの
創価学会員の友人がいらしたら、座談会というものを月に一度行っておりますので、是非参加され、質問もしくは実践をされると良いでしょう。その上で、納得されれば入会をされたら良いでしょう。
No.6
- 回答日時:
「南無阿弥陀仏」の質問者さんですね。
あまり悩まない方が良いと思います.....
まともに哲学書や宗教書を千冊も読もうと努力したら、頭がおかしくなってしまいますよ。
大上段に振りかぶるのではなく、現在のあなたの生活環境のなかで具体的に納得出来るもの、疑問があるもの、明らかに理不尽なもの、と家族の方や知人と話し合いながら、整理していくのが近道ではないでしょうか?あなたの周りの「仏教」を客観化していく努力が適切なアプローチの一つではないかと思います。
私の経験からすると、具体的な問題意識や現実の(解決すべき)課題を持たないまま、一般的に漫然と書物を読んでも、まったく身に付きませんし、観念的な妄想ばかりの「頭でっかっち」になる恐れがあります。
若い頃読んだ仏教関連の本で、こんな理解の仕方もあるのかと、とても印象的だった本があります。(量も手頃で価格も高くないのでお薦めです)
古田武彦:『親鸞』(清水書院 新書 センチュリーブックス 人と思想8)
また、昔の学生の間では、マルクスの著作はそれなりに「批判的な視点」を養うという意味で読まれていましたが、現代では価値がやや薄れたかも。でも、『フォイエルバッハ論』は薦めて良いかと思います。短いです。
わたし個人は「批判的」というテーマでは カール・ポパーの哲学書が好みですが、これらは科学哲学を主領域としていますので、宗教思想関係ではあまり参考にならないかもしれません。ただ、「正しい思考方法」とは?「科学的な論理」とは?を考えるうえでは参考になります。
『推測と反駁』『歴史主義の貧困』など
No.7
- 回答日時:
「『Aは正しい』ということを信じる人もいれば信じない人もいる」
つまり、信じることができることは疑うことができる。
どんな宗教だろうが思想だろうが、信じることができるなら疑うこともできるのです。
「これこそが疑う余地のない真理だ!」などというものがあったとしたら、それは疑う余地がないと同時に信じる余地もありません。
>自分なりに吟味、批判し、疑ってみて、
>最終的にどうしても疑いきれなかったものを、
>自分の信念、信仰、または思想、哲学として選びとろうと思っています。
そうすると、「疑いきれない」ものも「信じきれない」ものになるはずなのですが、それを信念、信仰、思想、哲学としようとしていることになるのです。
吟味、批判、懐疑が徹底していなければ中途半端な信念、信仰、思想、哲学しか得られないでしょうし、徹底すれば信念、信仰、思想、哲学などあろうはずもありません。
自分が納得すればそれでいいというのなら、自分の納得を超越するかもしれない絶対的真理には対応できないわけですし、それを抱きしめることはおろか、触れることすらできないかもしれません。
となれば、いつまでも、「正しいとは限らない」と懐疑して生き続けるのが妥当な生き方だと思います。
そのためには、思い込みを打ち破るようなものに触れるとよいでしょう。
倉田百三の「出家とその弟子」は私も読みました。確かに信仰に疑問を持つ人には役に立ちそうな本だと思います。
あとは、キリスト教を背景とした小説としてヘッセの「デミアン」を読んでみるのもよいかと思います。
No.8
- 回答日時:
曹洞宗の僧侶です。
ご質問のような思考を展開したのは、まさに釈尊ではないでしょうか。
全ての事物には自体がなく移ろいゆく不確定なものであると見通した上で、なおそのような事実に対して、相対主義にも虚無主義にも陥らずに生きる方法を説いたのが釈尊です。
中村元訳『ブッダのことば-スッタニパータ-』(岩波文庫)
同訳『ブッダの真理のことば 感興のことば』(岩波文庫)
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
私は物理学者ですが、若い連中に学者と弁護士の必読の書として常々、
モンテーニュ「随想録」 (岩波文庫にあり)
を薦めています。
この本では人間のあらゆる行為が一つひとつまな板にあげられています。そして、ある人がやった具体的な行為が如何に理にかなった正しいものであるかを論証して見せます。その論旨は素晴らしいもので心から説得させられてしまいます。そして、その論証が終わると、次にその人の行為が如何に理にかなわず、間違ったものであるかを論証するのです。これも素晴らしい論旨で、読者は心から説得されてしまいます。その段階で読者は大混乱です。これを次から次へと繰り返して行きます。
私はこの本を読んで、どんなに説得力のある主張でも、その反対の主張もまた説得力をもって論証することが可能だということを教わりました。そのことが今私が生業にしている物理学の論証や思索に途轍もなく役に立っています。ですから「黒を白と言ってのける弁護士」の必読の書でもあると冗談も出てくるわけです。
「物理学は客観的な事実を対象にしているので、そんな論証の方法論に無関係に『真理』が見付けられるはずだ」という方がいらしゃるかも知れません。しかしこれは浅い見方だと思って居ります。惑星の運動や宇宙の構造や、半導体内を流れる電子の運動など、私たちが日常経験している現象と比べてめちゃくちゃに単純な現象に対しては、そう言う主張も成り立つでしょうし、その人の埋め込まれている文化や歴史に無関係な論証でもその現象を理解できるでしょう。
しかし、近年の物理学では生命現象をもその射程に入れた「散逸構造の理論」など、複雑に相互作用をしながら自発的に現れてくる構造のような「複雑系」を研究の対象とするようになって来ました。この理論は生命現象ばかりでなく、社会現象や歴史現象の分析にも使われています。この理論の提唱者イリヤ・プリゴジンは1977年にその功績によりノーベル賞を貰っています。
そもそも、複雑な現象を対象とするときには、その研究者を取り巻いている無限の複雑な現象の中らか、「この問題を研究しよう」と「決意」しなくては成りません。何故彼がそう「決意」し、他の問題を選ばないと決めたのかは、その人が埋め込まれた文化や歴史そしてその人の信条に強く依存しています。私はこの決意のことを若い物理学者達に「神懸かり」と説明しています。この決意は人間だけに出来ることで、コンピューターでは無理でしょう。この決意を、なにか数学的な公理のようなものから導き出せないのは明らかです。
今までにお目に掛かった何人もの優れた物理学者は「どこに問題があるかを見付ける(あるいは決める)ことは、その問題を解くことよりもはるかに重要であり、また、難しい」と言っておりました。
(注:ここでは「見付ける」と「決める」を同義語として使っています。当然ですが問題を選ぶ段階では、まだその答えは判ってはおらず、従ってその問題が意味がある問題であるかどうかすら判っていません。だから「決意」がいるのです。)
この「神懸かり」を鍛えるのに、私には上に挙げた「随想録」が大変役に立ちました。
No.10
- 回答日時:
歴史学(の歴史)なんかを学ぶといいかもしれませんね。
歴史学というのは、何が歴史的真実かを見極めようとする学問です。
でも、自然科学分野のように、実験室で客観的に再現性を求めることはできませんし、のこされた「史料」が本物だと言い切るのも難しいのが、歴史学という学問です。
なので、歴史学にはながく「歴史(学)とは科学なのか?」という論争が繰り広げられ、今なお答えのない学問と言えます。
参考までに、歴史学の大きな流れを以前私が回答したものを。
http://okwave.jp/qa3170977.html
歴史学という学問を、本気で取り組むと、何が本当で何が嘘なのかまったく分からなくなってしまいます。
誰かが書いた文章なんて、ある視点から見れば本物でも、ある視点から見たら偽物になることなんてザラです。
そして、この「本物に見える視点」と「偽物に見える視点」を持ち合わせていないと、痛い目を見るのが歴史学です。
そういったいみで、哲学以上に歴史学は批判精神が必要な学問だと思います。
また、この批判精神を養うことで、安易な情報に踊らされる事も少なくなりますし、自らの誤りを受け入れる柔軟性も手に入れられることだと思います。
まぁ、あくまでも「(時には最も信じたモノも疑うような)批判精神」を持ち続けていればですが。
これは、歴史学に限らず、いろんな場面で役に立つと思っています。
歴史学はその批判精神を鍛える、一種の方法論的なモノですね。
もちろん、知的欲求として「歴史」に興味有るのですが。
参考書としては、以下がお薦めです。
『歴史の哲学―現代の思想的状況 』(講談社学術文庫) (文庫)
渡辺 二郎 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81 …
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