No.1ベストアンサー
- 回答日時:
ハイデガーは『存在と時間』の中で、
人間や人格というものに着目して「現存在(Dasein)」という価値を見出しています。
「形而上学」というのは『易経』の「形而上者謂之道、形而下者謂之器」に由来する造語です。
つまり形を超えた本質的・根本的な内容を示す学問です。
ハイデガーは私たちの自己から「現存在」というものを中心に論を展開しています。
実存論として「人間は生まれるや否や、その現存在が引き受けるあり方である(Ga. 2, S. 326)」とするのは、デカルトの「我、死すべき者としてある(sum moribundus)」ということを「現存在」として捉えています。
人間が人間として存在することを、自己を通し見つめています。
事物を配慮し、他者を顧慮するということは、この「現存在」なる自己が生み出すということ。
また今述べ上げたことは全て、人間についての一部にしか過ぎません。
彼の「事物」に対しての考え方は、それらが一切の超越性を剥奪されたこと、近世以降による問いとして「神々の逃亡」「大地の破壊」「人間の大衆化」ということを説いています。現代においてはその”問い”自体が欠如しているとしています。彼は個々の「存在」を問いたのではなく、もっと大きな根本を「存在」として我々に問いかけていることに注意してください。
実際、論文などにまとめる場合は書籍をきっちりと読み解かねばなりません。
もう少し詳しく分かりやすく説明したいのですが、長くなりそうなのでご容赦下さい。
丁寧な回答、本当にありがとうございます。
ハイデガーの言う現存在とはデカルトの「我、死すべき者としてある」という
考え方を捉えての言葉なのですね。
哲学は本当に難しいです。
しかしその深さに不思議な魅力を感じるのはなんでなのでしょう(笑)
ganesha_meさん、お忙しい中お答えしてく下さったこと、心から感謝いたします。
分かりやすい解説をどうもありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
ハイデガーの「存在と時間」は、中国古典「荘子」から剽窃したことは確かなようです。
詳しい経緯は中央公論1999年1月号に哲学者の今道友信氏が書いています。例えば、「世界内存在」という概念は「荘子」の「処世」の間接的ドイツ訳とのことです。
一般に西洋人は傲慢で西洋こそ最高で、東洋人がそんな高尚なことを考えるはずがないと思うのが普通ですから、ハイデガーは西洋人には剽窃
はバレないと思ったのでしょう。
正直、私は「荘子」の精緻な認識論などについていけませんが、
「荘子」をお読みになって、その後ハイデガーを読まれたら、ああこうゆうことだったのかと理解できるかと思います。
お忙しいなかお答えくださってありがとうございます。
ハイデガーが荘子を剽窃というのは初めて知ったので正直びっくりしました。
でもとても興味深いことですね。
私もハイデガーの勉強に疲れていたところです。
気分転換に荘子について調べてみようかと思います。
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