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訳文の参考にするため、古代エジプトを舞台にした翻訳小説を読んでいて、ある訳語に違和感を抱きました。
主人公が神(ここでは多神教の神なので対象はその都度変わります)と対話する際、神に対し常に「汝」と呼びかけているのです。

「汝」は一般的に目下の者に呼びかけるときの言葉と解釈していましたので、すぐに辞書で調べてみたのですが、やはり目下を呼ぶ語としか書かれていません。
自分より上位の存在、超越的存在である神に対し、「汝」という呼びかけがはたして相応しいのか。皆さんはどう思われますか?
仮に主人公が神を自分と対等の存在と考えているとして、対等の者に対して「汝」は使えるでしょうか?

また「汝」でないとすれば、神に呼びかけるに相応しい言葉としては、どのようなものが考えられるでしょうか?「神よ」とか「神さま」ではなく、「あなた」の代わりになるような言葉で思い当たる方がいらっしいましたら、よろしくご教示のほどお願い申し上げます。

A 回答 (5件)

確か聖書に神に呼びかける箇所があったはずだと調べてみました。


たとえば、旧約聖書出エジプト記4,10ですが、英語の欽定訳聖書では
次のようになっています。
 And Moses said unto the LORD, O my LORD, I am not eloquent, neither heretofore, nor since thou hast spoken unto thy servant: but I am slow of speech, and of a slow tongue.
 ここのthouが日本の文語訳聖書ではどう訳されているのか調べてみました。
「モーセ、エホバにいひけるはわが主よ我はもとことばに敏(と)き人にあらず。汝が僕(しもべ)に語りたまへるに及びてもなほしかり」
フランス語訳も調べてみましたが、やはり神に対してはtu(英語のthouに当たり、親しい間柄で使われる)で、丁寧なvous(あなた)ではありませんでした。
 文語的表現に関して文語訳聖書はじゅうぶん参考になると思います。その小説の訳者の方もおそらく参考にしたのではないでしょうか。
 そもそも、敬語なんてあるのは中国語、朝鮮語(韓国語)、日本語くらいです。欧米の言葉では弟に対しても、兄に対しても、親に対しても、また、親が子に対しても、人間が神に対しても同じ代名詞を使います。ただ、英語以外の西欧語では、それほど親しくない人に対しては丁寧語の代名詞というのがあってそれを使います。フランス語で言えば、前者はtu、後者はvousです。目上だから敬語という発想はそもそもありません。
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この回答へのお礼

なるほど!聖書に当たってみるという方法は気づきませんでした。
また同じ二人称でも、神に対し丁寧な「あなた」ではなく、「きみ、そなた、そち」に当たる代名詞が使われているとは意外でした。

古語的表現を用いたいとき聖書の翻訳を参考にするのは、有用なだけでなく、特に神との会話を表現する上で必須でもありそうですね。

非常に参考になりました!どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/02/03 19:02

http://dearbooks.cafe.coocan.jp/kotoba10.html#se …
二人称で、古めかしい言い方で適当なものは他にないですね。
「なれ」にすると、もっと目下の感じになります。
「そなた」が、まだいいかもしれません。
原文には、神様を尊敬する意味はないのでは。
例えば神様同士の会話だと「汝」でいいと思います。
織田信長のような人だったら、神様に向かって「汝」と言いそうですね。

もし、会話の訳文全体が現代調であったら、「汝」はヘンだと思います。
会話の訳文全体が古めかしい表現であって、織田信長さんのような人が言うのであればいいかな。
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この回答へのお礼

人称代名詞について、分かりやすく便利なページをご紹介いただきありがとうございます。

原文には尊敬の意味がなくても、(自分を含め)読者は日本人ですから、やはり日本人にとって違和感のない表現にする必要はあると思います。「そなた」は確かに目下ではあってもやや丁寧な響きがありますね。ただし、他の目下の者に対する呼びかけの言葉と区別する必要もありますから、そこが難しいところです。

ご回答どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/02/03 18:45

 尊崇し、指導を受け、守護していただいている神。

自分より上の神ならば、《汝》というのは私達の感覚では、無理な気をどうしても伴いますよね。

 でも仮に、土地神とかのなかで、必ずしも尊崇はともかく、指導や守護を受けていないような、自分より上ではないような、神だ、と考えることができれば、自分もそれ以上の存在だ、と考えることができるならば、《汝》という呼びかけもできますが。

 神ではなく、いえ神になっているのか知らないが、我が家の一番下の娘であった、猫ちゃんが、去年、肉体から出て行きました。19年ほど人間の子どもたちや、私達夫婦の可愛い、わがままな、何でもわかる子でした。
 私たちは、自分達の親や兄弟のお仏壇におまいりする毎朝、ともにお水を差し上げ、呼びかけます。
 そのときは、姿が見えていた時の名前で呼びかけます。
 やはり下だとは思っても、霊ですから、大事にします。
 でも汝というのは遣いません。
 やはりDu Thouが上下のニュアンスの少ない言語ですから、それができるのではないでしょうか。わたしはどこかの神社やお寺にお参りしても、お前とか、汝なんてはいくらなんでも呼べません。土地神様でも。
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この回答へのお礼

ご回答くださりありがとうございます。

ここではエジプトの神々なので、天候や様々な自然現象をつかさどる神々であり、主人公(実は、ファラオです)はこれら神々の力を自身の中に取り込んで自分のものとしたり、手なずけたりします。その意味では、遥かに上位の存在というわけではなさそうですが・・・。

「汝」と聞くとどうしても目上の者が目下の者へ、というニュアンスに取れてしまうんですよね。

お礼日時:2008/02/03 18:36

いくらなんでも神に対して「汝」はないです。

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この回答へのお礼

ご回答どうもありがとうございます。

私も最初に読んだとき、ずいぶんと違和感を覚えたのですが・・・。

お礼日時:2008/02/03 18:11

英語の2人称代名詞,thouは通常「汝」と訳されますが,目下の人に対する古風な呼びかけとして使うだけでなく,神に対しても使える単語です。


(語源を同じくするドイツ語の単語にduという代名詞があります。こちらは英語と違って今でも普通に使いますが,目下の人や親しい相手に対してだけでなく,やはり神に対する呼びかけ語にもなります)
おそらくその小説も原文はそのへんの代名詞が使われていたのではないでしょうか。

というわけで,日本語の「汝」という呼びかけがはたして相応しいのかは何とも申せませんが,thou, duという呼びかけは普通です。

どのような日本語訳がいいのかという問題ですが,学研古語辞典によると,もともとは尊敬語だったようですので,訳者あとがきで「わけあって,あえて汝という訳語を当てた」と釈明しておくという手もあるかも知れません。

「古くは「なむち」で,「な」は代名詞,「むち」は尊い者の意を表す語。「なんぢ」と表記されることが多い。本来は語の構成が示すように,尊敬の意を含む語。中古になると敬意を失って,同等または目下の者に対する代名詞となり,中世以降はもっぱら目下の者に対する代名詞となった。」(学研古語辞典「なんぢ」の項より)

でも,いくらもとは尊敬語だった(江戸時代前期まで)からといって,目上の人に対して「貴様」とは言えないですよね。難しいところです。
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この回答へのお礼

早速ご回答くださり、どうもありがとうございます。

原著はフランス語なのですが、フランス語の知識はまったく持ち合わせていないので、詳細は分かりません。が、英語やドイツ語同様、二人称代名詞にそれほど種類はないのではないでしょうか。

「汝」がもともと尊敬語であったというお話は目からウロコでした。
日本語にはこのような古来の言葉を含め、人称代名詞にも様々な表現があって、使い分けに迷います。時代や階層、社会的地位によって「我」「朕」「拙者」、「汝」「そなた」「その方」など、適切な使い分けが難しくて・・・。

ちなみに神に対し「貴方様」という呼びかけを私は想定したのですが、これは日本語として本来正しいのでしょうか・・・?

お礼日時:2008/02/03 03:21

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