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民法の理由づけでは、「形式的理由付けと実質的理由付け」又「必要性と許容性」の観点から行われると聞きましたが、理由づけは必ずしも明示的にはなされていなくても、これらを考慮してなされているのでしょうか?

A 回答 (2件)

 学者は理論的完成度を重視するので,質問者様の指摘される内容を考慮していると思います。



 これに対し,判例,特に最高裁判例はどちらか一方のみ又は両方とも書いていないことがありますが,最高裁が解説してくれるわけではないので,実のところは分かりません。

 しかし,他人に対して法律解釈について説明する場合,条文の文言やその位置づけにより形式的な理由付け(許容性の一つ)を示すとともに,そう解釈する必要性,及びそう解釈しても「公平」等に反しないという許容性からなる実質的理由付けがなされてこそ,説得的な説明となるのは間違いありません。
 私は社会人経験がありますが,必要性からのみ自己の意見を主張する人が多く,「説得力がないなあ」と感じていました。
 質問者様の指摘される理由付けについては,特に民事法(商法・会社法等を含む)の解釈において重要となりますが,行政法や刑事法の解釈,あるいはあらゆる意思決定において,大なり小なり問題となってくるのです。

この回答への補足

いつも懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。

解釈の命は、妥当な結論であると聞いたことがありますが、その意味では実質的理由づけは全ての解釈において欠くことの出来ないものということが出来るでしょうか。
また、法解釈である以上は条文(又法理論)に根拠を求めざるをえず、その意味では形式的理由づけも欠くことの出来ないものということが出来るでしょうか。

一方、必要性、許容性については、「債権者代理権の転用」の論証では明示的に書かれていますが、それ以外は知りません。
しかし、17891917様の仰るとうり説得力のある論証をするためには、必要性、許容性の考慮は欠かせないものであって民法に限らず、民事法に限らず、法解釈に限らず、明示的ではなくても妥当な判断の裏にはこれらがあるということでしょうか。
 
考えてみますと民法1条1項の「私権は公共の福祉に適合しなければならない」は私的自治の必要性と許容性について述べたものということができるでしょうか。

補足日時:2008/10/20 06:49
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問 解釈の命は、妥当な結論であると聞いたことがありますが、その意味では実質的理由づけは全ての解釈において欠くことの出来ないものということが出来るでしょうか。


また、法解釈である以上は条文(又法理論)に根拠を求めざるをえず、その意味では形式的理由づけも欠くことの出来ないものということが出来るでしょうか。

答 お見込みのとおりです。


問 一方、必要性、許容性については、「債権者代理権の転用」の論証では明示的に書かれていますが、それ以外は知りません。
しかし、17891917様の仰るとうり説得力のある論証をするためには、必要性、許容性の考慮は欠かせないものであって民法に限らず、民事法に限らず、法解釈に限らず、明示的ではなくても妥当な判断の裏にはこれらがあるということでしょうか。

答 お見込みのとおりです。
 必要性については,法律家でなくとも認識できますが,許容性については,法律の素養がない人はなかなか認識できません。
 法律家(特に司法府)の主な使命は,許容性について指摘し,俗論の暴走をコントロールすることにあるとさえ言えます。
  

問 考えてみますと民法1条1項の「私権は公共の福祉に適合しなければならない」は私的自治の必要性と許容性について述べたものということができるでしょうか。

答 私的自治の許容性というよりも,私的自治の必要性を前提としつつ,他人の権利との調整の必要性から,その限界を示したものといえるでしょう。 
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この回答へのお礼

いつも懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。
17891917様の他の回答履歴を拝見させていただきまして、そのご活躍に
感服しております。

誠に勝手なお願いなのですが、現在質問中の「民法191条の法的性質」につきましてご見解を頂ければ幸いです。

お礼日時:2008/10/21 10:16

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