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累積損失を抱えた企業が減資により繰越損失を処理したりしますが
何故このようなことができるのでしょうか?

例えば減資により資本金を10分の1にしたとして、その分繰越損失を圧縮したりしてますが、資本金とは会社設立時あるいはその後の増資により調達した資金であり、バランスシートに記載される資本金の額は、現実的にそこにそのお金があるわけじゃないですよね。
でも繰越損失は長年(あるいは急速な業績悪化で)積み重なった負債、いわば実際にそれだけのお金が必要なのにそこに無かったから損失として計上している実態のある損ですよね。
ではなぜ経理上の(単なる記録の?)資本金で実質的な損である繰越損失を処理できるのでしょうか?

また、減資は株主に対して中立だそうですが、であるならば(その後の株価下落や減資をしなければならない経営状態はさておき)ある程度資本金のある企業が繰越損失を計上してしまった時は、減資により簡単に
財務体質を向上できるように思われますが、実際にはそう簡単にはできるもんじゃないですよね。
それは何故ですか? なぜ経営者は減資を簡単に実施できないのか?
基本、株主に対し中立で、減資後の財務基盤が飛躍的に改善されるのであれば株主を納得させることはそんなに難しいこと?
減資せずに多大な損失を抱えたまま長期間掛けて会社を再生に導くのも
(配当を出せない、株価も上がらない)株主にとってデメリットのような気がします。最悪潰れますし。
なら、サッサと減資してその後近い将来良くなりそうなら、その方がいいと思うのですが・・・

例えば下記の事例はどうですか?
純資産の部
 資本金    6500億
 資本準備金  4500億
 利益余剰金 △7000億
 株主資本合計 4000億

ど素人ですみません・・・、よく考えると7000億の負債を抱えてなんで倒産しなのかもよく分かりません。
損失を抱えたままの営業活動なんて???だし、借金で穴埋めしているのなら有利子負債のような気も・・・
宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

ANo.1です。


なんだか質問者さんと「愛の交換メール?」みたいになってしまいましたが(笑)。

詳しい解説については、一度その手の本を読んでいただくとして、大まかに申しますと・・・

「資産」というのはその会社が現在保有する「財産」のことで、これらを全部換金処分すればこの金額になるだろうという額です。
一方「負債・自己資本」は、財産を作るのに必要なお金をどこから持ってきたかを表わしており、そのうち「負債」はいずれ返さなければ(支払わなければ)ならないお金、「自己資本」は返済する必要がないお金と考えれば分かりやすいでしょうか。

「資産」の中には現預金のように今すぐ使える財産もあれば、受取手形や売掛金のように相手が支払ってくれて初めて現金になる財産もあるし、固定資産のように簡単には換金できない財産もあります。

「負債」の中には、買掛金や支払手形のように今は払わなくても良いが期日が来れば支払わなければならない債務や、借入金のように最初の約定通り払い続けなければならない債務もあります。
しかしいずれにしても外部からお金を調達してきた訳で、これらのお金が財産の何かに化けています。

「自己資本(純資産とも言いますが)」は資本金のほかに、これまでの利益の中から「積み立ててきた」積立金や準備金が含まれていますが、これらは返さなくてもよいお金です。
ちなみに「積立金・準備金」といっても、銀行の積立預金などとは違って現実にどこかに積み立ててるわけではなく、蓄積された過去の利益の一部と考えてください。
ですから積立金や準備金に「実体」はありません。何らかの財産に化けています。

損失金(繰越損失金も)の考え方もこれとまったく同じで、単にプラスとマイナスが逆というだけです。
自己資本の部に損失金があるということは、調達してきたお金がそれだけ少ない状態ですから、その分財産の何かが減っているか、財産の額が変わらないなら負債が増えることで、左右のバランスを合わせていることになります。

質問者さんがこだわっている「目の前にあるお金」というのは、資産の中の現預金のことですが、この現金は利益の蓄積として残っているのか、あるいは借金してきたお金が現金として残っているのかは分かりません。
ただすぐ使えるお金であることは同じです。

視点を変えて、今この会社を売りに出したらいくらになるかを考えて見ましょう。
まずB/Sの左側の「資産」をすべて現金に替えたとします。しかしすべてが額面どおり換金できるとは限りません。
例えば有価証券は買ったときより値下がりしているかも知れないし、土地や建物も同様です。もし買った値段より安く換金すれば「含み損」が「現実の損」に変わります。

そして手許に残ったキャッシュから、B/Sの右側上段の「負債」を清算して債務をすべて支払った残りが、本当の純資産(これを解散価値とも言います)ということになります。
もし自己資本の部がマイナスの状態(内部留保より繰越損失が大きい状態=これを債務超過といいます)だと、資産を全部処分しても負債を全部払いきれない状態になります。

これでB/S上の利益や損失の意味が分かりますか?
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この回答へのお礼

何度も何度もご回答いただきありがとうございます。

非常に分かりやすかったです。
「自己資本」は返済する必要がないお金等々の表現は、多分そうだろうと思っていましたが、なかなか明確に書いているものに出会えなかったので、これでかなりすっきりしました。

昨今の金融不安により今後も企業はあらゆる手法で財務体質の強化を図ってくるかもしれませんが、もしかするとその時また素人の私どもには簡単に理解できない方法を使うかもしれませんね。
その時はまたまた質問するかもしれません^^

ありがとうございました。

お礼日時:2008/12/06 10:10

ANo.1です。


B/SとP/Lの違いはご存知ですよね。
P/Lが「期間内」の動きを損益面から表すのに対し、B/Sはあくまで「一時点」の財務状態を示しています。
ですからP/L上の利益(または損失)の蓄積が、B/Sの純資産の部の繰越利益金や準備金(または繰越欠損金)として示されています。

分かりやすくするため毎日決算をしたと仮定した場合、1日の売上より原価や経費が多いと「赤字」ということになりますが、これは手元に入ってくる収入より、外へ出て行く支出が多い状態ですから、お金が足りない分を何らかの形で補う必要があります。
それが例えば、それまで蓄えていた現預金を使うか、現金を払わずに買掛金で残すかあるいは支払手形で払うか、さらには借金をしてお金を調達することなどで補う訳です。

元々B/Sは左右が同じ大きさの箱ですから、この時点のB/Sを考えると右側下の純資産が減った分(繰越欠損金が発生したため)だけ、左側の資産を減らすか、あるいは右側の負債・自己資本のどれかを増やすことで同じ大きさの箱に戻してやる必要があります。
(というより、結果的にそうなります)
ですから「現預金が減って損失が減る」「借入金が増えて損失が減る」のではなくて、「損失が出たからその分現預金が減ったり借入金が増える」訳です。

それと「繰越欠損金」は、当期の利益処分で処分しきれなかった損失を翌期に持ち越すものです。
ですから、前期からの「繰越利益金」がたくさんあれば、仮に今期損失が出ても繰越利益金で相殺出来て翌期に「繰越損失金」として繰り越す必要はありません。
前期からの繰越利益金を上回るような損失が出た場合(あるいは既に前期から損失金が繰り越されている場合)に、繰越欠損金という科目が発生します。

また仮に繰越欠損金があったとしても、その分の資金調達が出来ていれば会社の事業を継続することは出来ます。
もし資金繰りがつかないと「不渡り」を出したり、給料の遅配が出たりして、経営破綻につながっていきます。

この回答への補足

たびたびのご回答有難うございます。
技術屋の自分にとってはなかなかに難しいところですが、少し分かった気がします。(気のせいかも・・・?)

理解が正しいかどうか?
B/Sで会社のお金を読むと、「資産の部」が現状の会社のお金(お金に変えれるであろう資産)で「負債の部」が現状の会社が抱えている負債そのもの。
「純資産の部」では、資本金はこれだけのお金で事業を始めたのだから、今手元にそのお金(資本金)があるわけではないけどそれも負債として考える。(資本準備金も同じ様な意味合い?)
そうすると、「負債の部」の合計と「純資産の部」の合計を足すと、「資産の部」を超えてしまう場合がある。その場合、その差額が損失となってB/Sに現れる。ということで合ってますか?

上記で正しければ、繰越損失が今まさにそこにある損失ではないという意味が分かった気がします。
確かにこれであれば、資本金を圧縮(減資)すればその分繰越損失を小さくできるのは納得がいきます。
また、払い込んでいただいた資本を小さくするわけですから、株主にしてみればむざむざ捨てるのと同じ意味というのも納得できます。
これで合っていのであれば、B/Sの「純資産の部」の意味合いは、経営指標・財務指標としての項目みたいに感じます。(株主が出資してくれた資本金に対してどれだけ利益を出しているか?と資産と負債の足し算引き算の結果を調整して記載する項目?)

上記にも少し書いた資本準備金もやはり帳簿上の数値であって実際そこにあるお金ではないのでしょうか?

補足日時:2008/11/24 18:57
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まず繰越欠損金は、あなたがいう「現実にそこにある損」ではありません。



事業はずっと継続されており、損失が発生する都度なんらかの形で損失の穴埋め(資金の不足分の補填)をしています。
たとえば現預金の減少であったり、借入金の増加であったり、買掛金や支払手形の増加であったり、あるいはまれに増資であったりするわけです。
B/Sの左側の資産を減らすか、右側の負債か自己資本を増やすことで、繰越欠損金をカバーし左右のバランスを取ることになります。
従って、帳簿上で資本金と欠損金を相殺すること(つまり減資)は可能になります。

それと減資をするときには、簡単にいうと株主総会での「特別決議」が必要となります。
詳しくは会社法第447条あたりを見てください。
手続き上は出席株主の3分の2以上の賛成があればOKですが、株主にしてみると自分が出資した資本金をむざむざ捨てることになるので、現実にはなかなか株主の賛同を得られにくいと考えるべき性質のものです。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。

なるほど、欠損金も資本金同様現実の損ではないのですね。
しかし、まだ分かっていないのですが、損失の補填を預金減少で穴埋めすれば、預金の部分が小さくなって損失も小さくなりますよね。
借入金の場合は?? 借入残高が増えて損失は小さくなる?
どちらにしても現実に繰り越し損失を抱えている状態ってどういうことなのでしょう?

まともな会社は今年赤字になったからといって繰り越し損失を抱えることは無く、過去積み上げた利益や資産売却でB/S上に△は出てこないですよね。
それが出来ないくらい大きな損失を出した場合に倒産ではなく損失を繰り越して営業できていることがまだよく分かりません。
もしよければ詳しくご教授いただけると助かります。

お礼日時:2008/11/21 18:33

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