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電車のブレーキについての質問なんですが、
箱根登山鉄道は非常用のブレーキとして炭化ケイ素や、特殊アルミニウム青銅のパッドをレールに押し付けるレールブレーキを採用していますよね。
一方、信越線碓氷峠専用機EF63は登りで停止するときに電磁吸着ブレーキを使用しています。
これら二つの違いって何でしょうか。
両方とも金属をレールに押し付けることで制動力を得ている気がするのですが・・・
油圧で作動するか電磁力で作動するかの違いですか。
雨が降ったりしたときに強いのはどちらの方式なのでしょうか。

A 回答 (2件)

この二種類のレールブレーキは「基本的には」油圧作動であるか電磁力作動であるかの違いですが、細かい部分は結構違っています。



箱根登山のレールブレーキ

・発電制動、空気制動、手制動のいずれもが使用できなくなった場合の最後の命綱的ブレーキとして使用されます、よって、使用は緊急事態発生時に限られ、通常運行時に使用されることはありません。

・走行中に使用することを前提としています。

・パッド(ブレーキライニング)をレールに押し付けた際の摩擦力で速度を落とします。そのため、ライニングは耐摩耗・粘着性が重視されています。

・制動力はパッドとレールとの間の摩擦力(粘着力)によってのみ発生します。つまり、制動力が摩擦力に依存しているため、摩擦力が低下するのを抑えるために炭化ケイ素や特殊アルミニウム青銅等の特殊なライニングを使用しているのです。


EF63の電磁吸着ブレーキ

・急勾配区間に長時間停車した際の転動(転がり落ち)防止に使用されるため、普段の運行時に使用することもありえます(もっとも、横軽間で長時間停車すること自体が「通常運行」ではありませんが…)。

・停車中に使用することを前提としており、いわば車のパーキングブレーキのようなものです。走行中に使用することは考えられていません(走行中に使用する緊急ブレーキは電機子短絡ブレーキが受け持っています)。

・電磁石をレールに吸着させますが、箱根登山のように走行中に使用するものではないため、電磁石のレール接触部分の耐摩耗性は大きくないと思われます。

・制動力は電磁石とレール間の摩擦力だけでなく、電磁石がレールに吸い付く吸着力でも発生します。また、雨や雪等で線路の摩擦係数が低く、なおかつ列車が重い等の理由で転動が発生した場合は、摩擦力や吸着力とは別に、レールに起きる渦電流によるブレーキ力が発生します(電磁吸着ブレーキが渦電流レールブレーキとなる)。

渦電流レールブレーキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A6%E9%9B%BB% …

・台車枠への吸着電磁石の取り付け方や取り付け剛性が不明なので推測ですが、仮に電磁石がレール方向に吸着する力(レール側に引っ張られる力)が台車枠にもかかるようであれば、その力が軸重を増加させ、ひいては粘着力を増す効果が期待できます。


この両者では使用条件等が異なるので一概に比較は出来ませんが、雨などに強いのは粘着力(摩擦力)だけに依存しない電磁吸着ブレーキのほうでしょうね。
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この回答へのお礼

ご丁寧な回答痛み入ります。

なるほど、似ているようで結構違うのですね。
用途はもちろん、前者は摩擦係数をどれだけ高くすることが出来るかが重要で、
後者は摩擦係数よりも磁性能力??が重要になってくるのですね。

色々と分かりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/01/29 18:29

電磁吸着ブレーキの場合、ブレーキパッドとレールの間には単なる摩擦力ではなく、磁力による力が作用しているのでは? 強力な磁石で車体をレールにつなぎとめる仕組みかと思います。



雨で摩擦力が低下することを考慮すると、天候に関わらず性能を発揮しやすいのは電磁吸着ブレーキかもしれませんね。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。

やはり、電磁吸着は摩擦力+磁力で止まっているのですか。
それならば制動力が天候に左右されないのは電磁吸着式のようですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/01/28 20:45

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