忠臣蔵で有名な吉良氏ですが、討ち入りの後当主の吉良義周は「不届き」として改易、諏訪に幽閉されていますが、なんとなくすっきりしません。
ものの本では、武士が賊に襲われたときに刀を抜いて戦い、切り倒された場合は相続が認められるが、鯉口も切らずに切り倒されたり、後ろから切り殺された場合は士道不覚悟として断罪されることもあると書いてあった記憶です。
この吉良義周ですが長刀をふるって奮戦し、深手を負ったため祖父の隠れ場所から浅野の浪士たちの注意をそらす為、現場から離れようとして切られたという話も伝わっており、いきなり「不届き」だから断絶というのも厳しいと思っています。
討ち取られたのは隠居であって当主ではないのですから、後年の井伊直弼の例でも減封で済んでおり、このときも同道した家臣のうち戦ったものは相続が認められ、逃げたものは士道不覚悟で断罪されていますから、通常なら謹慎か減封程度だったのではないかと思います、事件の後の世論に流されたということでしょうか。。
いかがでしょうか。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
よく言われているが、浅野を裁いたときの「片落ち」の裁きのバランスを取ったというものですね。
本来なら両者から事情を確認し、その上で裁くべきだったのに、綱吉の怒りで、外見上、一方的な裁きになってしまった。その結果として討ち入り事件が起こり、江戸中の評判になった。しかも浅野切腹以降、裁きが不公平だったとの声はずっと続いている。幕府としては、今回はバランスを取る意味で、なんとか理屈をつけて吉良家を断絶させる必要があった。
「不届」云々は、そのためにこじつけた理屈に過ぎません。(討ち入り直後に評定所が出した意見書もありますが、これは、偽書説もありますし)。
「親を守りきれなかった」云々は、あくまでこじつけの理由です。家を残す以上、跡継ぎは生きている必要があるのですから。だから、実際には奮戦したのに、まるで逃げたかのような表現をして、「不届」扱いをしている。
事実、形式上処罰の対象となっている上杉家は、遠慮で済んでいますし、討ち入り翌朝に幕府から「動くな」との指示まで受けています。
一度は断絶した吉良家ですが、その後親戚筋の人間を立てて、家そのものは再興しています。これも、「不届」云々の処罰が、理由をこじつけたものであることを示していると考えます。
よく誤解される人が多いのですが、テロという場合、暴力による恐怖心を起こし、それにより政治的目的を達成するものです。赤穂事件での討ち入りは、この定義には当てはまりません。政治的暗殺ではあるが、テロではありません。
ありがとうございます、私も片手落ちと考えるのは、当時の武家の掟として、当主が絶対ということがあると思います。
この事件では、当主自らが長刀をとって戦い、家臣も当主を守って奮闘し何人かは切り死にしており、結果的には当主は一命を取りとめ、犠牲は隠居の首をとられたということになります。
家臣に死者が出ている以上、家臣は腰抜けばかりということにもならず、奮戦した家臣は上杉家が引き取っていますから、この点でも落ち度はない。
時代は異なりますが、伊達政宗も実父の輝宗を見殺しにしていますし、真田信之の奥方は留守に訪ねてきた父親の昌幸に対し、「敵味方となった以上、義父といえども城に入れるわけにはいかない」と追い返すという話も残っており、この事件でも当主を生かすという点では成功しているので、「不届き」といわれるほどの咎はなく、後年の井伊直弼の首をとられた事件を見てもことが収まるまで謹慎程度が妥当ではなかったかと考えています、まして吉良家は公儀の指示通り動いているので、世評を慮った処置ということかも知れませんね。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私は、自称「歴史作家」です。
>>ものの本では、武士が賊に襲われたときに刀を抜いて戦い、切り倒された場合は相続が認められるが、鯉口も切らずに切り倒されたり、後ろから切り殺された場合は士道不覚悟として断罪されることもあると書いてあった記憶です。
そもそも「武士道」とは何か?
剣術は自らの身を守り、相手を殺傷することにあります。
従って、敵に背を向けたりすることは「卑怯者」とのそしりを免れません。
>>この吉良義周ですが長刀をふるって奮戦し、深手を負ったため祖父の隠れ場所から浅野の浪士たちの注意をそらす為、現場から離れようとして切られたという話も伝わっており、いきなり「不届き」だから断絶というのも厳しいと思っています。
吉良義周は、赤穂浪士の討ち入りに際しては、不破正種(一説に武林隆重)に面と背中を斬られてそのまま気絶したものの、捨て置かれて斬首される事はなかった。
従って、どのような状況であっても、父義央を守れなかったことに対する、武士としてあるまじき行為と判断されたためです。
また、義周はこの赤穂浪士の討ち入りの時、18歳であったため、世継ぎを幕府に届け出ていませんでした。
他の大名でもそうですが、世継ぎを幕府に届出ないまま死亡すると、全て「改易」となりました。
ですから、大名の参勤交代では、国許に帰る時、必ず、「世継ぎ届」や「跡目相続届」を幕府に出してから国許に帰りました。
また、女性しか子どもがいない大名は、「仮養子縁組届」を提出して国許に帰りました。もちろん、養子の親も承諾の上でのことです。
万が一、国許や旅の途中で死亡した場合は、幕府は「世継ぎ届」や「跡目相続届」、「仮養子縁組届」の封を切り、遺言に添って手続きをとってくれ、「改易」は免れました。
いずれにしても、義周は父義央を死守することができなかったための処置です。
ありがとうございます、この「仮養子縁組届」も公認された後継者のいない大名が参勤交代で国許に帰るとき、万一のときを考えて幕府に後継者を書いた書面を提出し、次回江戸に来たときに開封せずにそのまま返してもらったため、年も若いし健康だからと形式的に適当な人物を書いて出しておいたら国許で頓死、幕府も届けをあけてびっくり、家臣一同も頭を抱えたという話もあったようにきいています。
吉良義周も結果的に自ら生き残り、義父(実祖父)を死なせてしまったのは評価が低いのかも知れません、何せ親の孝を重視する時代ですから。
一緒に切り死にしていれば、東条家など縁者も多いので、実家の上杉家のようにあるいはということはあったかも知れませんね。
No.1
- 回答日時:
私も質問者様と同意見です。
ただのテロ事件のはずが、いつの間にか仇討ちに変わっていた不思議な事件です。
江戸時代は仇討ち免許がなければ、ただの殺人になっていたはずですよね?
ありがとうございます、先の浅野の件も通常なら「乱心」として処理されるのに、当人が「乱心ではない」といったから乱心ではないと稚拙に処理してしまったため直ちに切腹になってしまったし、出発点を間違えると後々おかしくなりますね。
あだ討ちも目下のものが目上の者の仇を取る、そのときは届けが無ければ私闘ですし、相手方は武家のルールに則って戦ったんですから、吉良の関係者にとっては災難としか言いようが無かったように感じています。
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