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太平洋の真ん中にあるマクという孤島には,
カルアメ族と呼ばれるポリネシア民族が住んでいる。彼らはビッグ=キクと
して名の知れたその地の首長について同時に行われた2つの異なる研究のお
かげで科学史においてユニークな位置を占めている。その1つ日の研究は好
意には好意で返すという行為に関心を持つ経済学者が行ったものである。も
う1つは人間がごく自然に示す無償の行為に関心を持つ人類学者が行ったも
のだった。この2人の専門家はビッグ=キクの一風変わった振る舞い,つま
り彼は自分に何か頼みごとのある人は,まず顔に入れ墨をしてもらわなくて
はならないと言っているという点に着目していた。
ある夜,暗くなってすぐ,疲れてお腹を空かせた4人の男が,2人の研究 者が無口さを競うように押し黙って夕食を食べてい施宮地に姿を見せた。
その4人の男たちは,ビッグ=キクに何か食べ物を分けて欲しいと頼んだ。
彼は4人にこう言った。
「もし顔に入れ墨をしたら,朝には食事を与えよう」
その2人の研究者は興味を引かれて,顔を上げた。「あの4人の男たちは
どうやったらビッグ=キクが約束を守るとわかるのだろう?彼は4人に入
れ墨を入れさせて,それでも食事を与えないかもしれないのに」と経済学者
は言った。
「ビッグ=キクが本気でそう言っている・とはとても思えか-な」と人類学
者は答えた。「冗談を言っているだけだと思うね。君も僕も彼がとてもすば
らしい人だとわかってるから,入れ墨をしなかったくらいで誰かに食べ物を
与えないなんてことは絶対ないだろうさ!」
2人は夜遅くまでウイスキーのボトルを傾けながら議論を続け,翌朝,起
きてみると,太陽はすでに空高く昇っていた。2人はビッグ=キクに4人の
お腹を空かせた男たちはどうしたのかたずねた。次にあげるのが彼の返事で
あった。
「4人とも日の出と共に出て行った。でもあんたたちはとても利口だから,
それを試してやろう。もし間違えたら,わしがこの手であんたたちの顔に入
れ墨をするからな。1人目の男は入れ墨をした。2人目は食べ物は何ももら
えなかった。3人目は入れ墨をしなかった。4人目にはわしが朝ごはんをた
らふく食べさせた。さて,あんたたちは,わしの振る舞いに対する好奇心を
満足させるには,4人のうちの誰についてもっと知る必要があるか言ってく
れ。もし質問する必要のない人のことをたずねたり,その必要のある人につ
いて質問しなければ,あんたたちの負けだから,顔に入れ墨をさせてもらえ
るというわけだ」彼は,長いこと大笑いした。
経済学者の疑問は比較的単純である。思い出してほしいが,彼はビッグ=
キクが約束を守るかどうか知りたいのである。自分の顔に入れ墨をされない
ためには,経済学者はビッグ=キクに,彼が(入れ墨をされた)1人目の男
に食べ物を与えたかどうかと,(空き腹を抱えて立ち去った)2人目が入れ
墨をされたかどうかをたずねなければならない。あとの2人についての質問
が不要なのは,もしビッグ=キクが入れ墨をしなかった男に食べ物を与えな
くても,また実際には入れ墨をしなかった男に食事を与えていても,約束を
破ったことにはならないからである。彼は入れ墨をしたらその人は食事がも
らえると言っただけなのだ。
人類学者の疑問は論理的には同じなのだが,はるかに難しいということが
わかる。彼はビッグ=キクが生まれちき心が広く,入れ墨をされていなくて
もその人たちに食事をさせることもあるという証拠を探しているからである。
人類学者は,入れ墨をした者には関心を持たなかった。したがって,彼は3
人目と4人目の男性,すなわち,入れ墨をされなかった(が,それでも食事
は与えられたかもしれない)男と,食事は与えられた(が,入れ墨はされな
かったかもしれか、)男にだけ興味を持っている。最初の2人に関する質問
は,ビッグ=キクはそのどちらにも寛大ではなかったので不要なのである。
なぜ,2つ目の疑問の方がはるかに難しいのだろうか?その答えは,人
間は本能的に恩返しをしよう,そして他の人たちも必ず同じことをしてほし
いと思うものかどうかという疑問の本質に直接つながるものである。経済学
者は約束を守らない,ペテン師を探しているのであり,彼の考えることは当
然のごとく誰の頭にも浮かぶ,なじみのあるわかりやすい考え方である。他
方,人類学者は,困った時はお互い様だからと申し出て,いずれにしても自
分の好意は与えるという無欲な人たちを探している。これはたいていの人が
おいそれとできることではないし,そのような行為は珍しいので,私たちも
疑い深くなりがちである。例えば,もし誰かが昼食をおごってやると言えば,
私たちはその人が,お返しに何かをしてほしいと思っているのではないかと
心配になるのである。

教えてほしいところ
わしの振る舞いに対する好奇心を満足させるとは具体的にどういう意味ですか??
そして他の人たちも必ず同じことをしてほし
いと思うものかどうかという疑問の本質に直接つながるものであるというあたりからいまいち文脈がよくわからなくなりました。
ここらへんの文脈の解説お願いします。

A 回答 (2件)

【A】


>「わしの振る舞いに対する好奇心を満足させるとは」
を書き換えると、
「わしの行動を研究している君らがその研究結果を得る為には」です。

・入れ墨をすれば酋長に対して好意を示せます。酋長は、好意に好意で返すか。また、好意を示さなくても、好意を与えてくれるか。


・1つ目の研究『経済学者による、好意には好意で返すかの研究。これは日常的に誰でもチェックしている作業』
・2つ目の研究『人類学者による、無償の行為の研究。これは滅多にない善意の行いを見つける研究』


経済学者は、約束どおり、酋長が入れ墨をした男に食事を与えたかを確かめます。
人類学者は、食事を与えられた男が、入れ墨をしていなかったケースを見つけます、

※確かめる研究と見つける研究との差が、以下の問題の本質にも関ってきます。


【B】
(回答No.1)では、ビッグ=キク(酋長)について関連させていますが、間違いませんように。解りにくければそのせいです。
>「なのでビッグ=キクが」
のように関連しません。
しかも問題の文脈の内容は、2つ目の研究の難しさを直接述べているのではありません。あくまで何で難しいのだろうと考える過程で発見される事を述べているのです。難しい理由そのものが今一はっきりしないまま、その答えが直接つながる先の知識を述べているばかりです。

「、そして」の文以降は、それまでの酋長の研究の話とは関係ありません。そこがつまづく原因でしょう。
★ビッグ=キク(酋長)の話は完全に忘れて下さい。関連しませんので。

なお「、そして」は一文の途中なので、「、そして」の部分で切ってはいけません。
この「そして」の意味は、「と」や「それプラス」です。
この「そして」を、【とさらには】という別の言葉に置き換えて、ご希望の文脈説明の為に、原文を以下のように編集します。


2つ目の研究の難しさを分析すれば、その研究とはまた別の、本能的な恩返し問題【とさらには】人間のお礼要求の問題についての本質が分かってくる。つまりその答えはそれらの問題の本質につながっているのだ。
経済学者は自分の言った約束を守れない嘘つきを探すだけだからそのために何を調べればいいかは簡単。研究者でなくてもみんなふだん生活しながら嘘つきをチェックしている。
他方、
人類学者は、善人を見つけ出さなければならない。困った時はお互い様、助けてやるよと言う人は取り合えず親切な言葉を言っているが、実際、言葉通りにする人は少ないので、その親切な言葉は信じられず、人間は他人の優しげな言葉に疑い深くなる。(という具合に2つ目の研究の難しさを分析すると、人間の本能や思考についての考えが得られるでしょう。だから人間性についての疑問の本質につながります。)「例えば,もし誰かが昼食をおごってやると言えば,私たちはその人が,お返しに何かをしてほしいと思っているのではないかと心配になるのである。」(【とさらには】人間のお礼要求についての考えも得られるでしょう。お礼を要求されそうで、おごるという言葉をそのまま信じられないのです。お礼要求の疑問の本質にもつながります)


以上の解説でお分かりになったでしょうか。ようは丁度、文脈が追えなくなった所から、ビッグ=キク(酋長)とは無縁の話に変わっているからです。先入観を持っていると間違います。
他にも分からない点があれば、困った時はお互い様なので(笑)この場で指摘くれたのならば説明します。
ちなみにこの長文の著者と書名はなんでしょうか。この引用部分の続きが大事な部分になりそうに思うのですが。
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この回答へのお礼

かなりわかりやすい解説で非常に助かります。
これからもよろしくお願いします。

お礼日時:2011/12/31 08:13

>わしの振る舞いに対する好奇心を満足させるとは具体的にどういう意味ですか??




好奇心を満足させるとは疑問の解決と同じことで、要点は、
経済学者の場合はビッグ=キクが約束を守るかどうか。(入れ墨をした相手には間違いなく食事を与えたか否か)
人類学者の場合はビッグ=キクが生まれつき心が広く,入れ墨をされていなくてもその人たちに食事をさせることもあるかどうか。
という疑問を解決することです。

>そして他の人たちも必ず同じことをしてほしいと思うものかどうかという疑問の本質に直接つながるものであるというあたりからいまいち文脈がよくわからなくなりました。

「なぜ,2つ目の疑問の方がはるかに難しいのだろうか?」
と読者のみなさんは考えるかもしれないが、そう考えることが、
「人間は本能的に恩返しをしよう,そして他の人たちも必ず同じことをしてほしいと思うものかどうかという疑問の本質に直接つながる」
と述べています。
それ以降は、では、なぜ(直接)つながることになるのか、の説明です。
まず、(好意には好意で返すという行為に関心を持つ)経済学者の関心はギブアンドテイクが実行されたかどうか、ということなので、そういった疑問は我々にもなじみやすい。
と前振りをしています。しかし、
「(人間がごく自然に示す無償の行為に関心を持つ)人類学者は,困った時はお互い様だからと申し出て,いずれにしても自分の好意は与えるという無欲な人たちを探している。これはたいていの人がおいそれとできることではないし,そのような行為は珍しい」
なので、
「ビッグ=キクが,入れ墨をされていなくてもその人たちに食事をさせただろうか?」という人類学者の疑問の答えを推測することは難しい。
同時に、その答えを求めることは「人間がごく自然に示す無償の行為」の本質を探ることにもなる。

といったようなことでしょう。
  
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