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原発事故以来代替エネルギーの問題が議論されています。そのなかでガス・コンバインドサイクル発電にすれば、すべて解決されるという人たちがいます。この方式の欠陥はなんでしょうか。
そんなにいいものなら、どうして普及しないのでしょうか。

A 回答 (4件)

>この方式の欠陥はなんでしょうか。



化石燃料を燃焼させて排気ガスを排出することだニャ。
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kenchin


>そんなにいいものなら、どうして普及しないのでしょうか。

実際は普及していますよ。
現在の所、新規火力は全てコンバインドって言っても良いほどですから。

ただ「未だに全部の火力がコンバインドになってないのは?」となると理由は単純じゃないです。
色々な理由が重なった結果であり、主な物を挙げると以下のような理由で「リプレイス(既存火力の建て替え)がゆっくりしか進まない」となっているんです。

◎建設上の制限
 ◎新規建設への住民反対。
 ◎リプレイス用の予備力がない。
 ◎LNG施設の建設が必要
 ○発電所が偏在すると安定送電上不利
 △電力会社も金が無い。

△燃料多様化の観点

◎:致命的or深刻
○:相当の影響あり
△:ある程度の影響あり


機械的な面、例えばガスタービン入口温度(or燃焼室温度)なんてのは、最新の、現在建設中だとか、ここ10年程度で建設されたガスタービンを利用した発電所ならホボ解決されていますので、この面での欠陥はないor気にしなくてよいと思って良いでしょう。
そもそも、航空機などの設計や材料の流用でもありますしね。
実用化されている堅いエンジンの入口温度が1500℃くらい。
MCAAはそれを流用しているので1500℃になっていると。

建設費用も、発電所本体(機器・基礎的土木)で考えれば、既存の非コンバインド火力とそう変わりありません。
むしろコンバインドの方が若干安い位。


最も深刻なのは新規建設とリプレイスの部分。
・新規に、今まで火力が無い場所に建てようとすると、周辺住民の大反対が起きて建設できない。
・既存火力のリプレイスなら、新設に比較すると”まだ”楽だけど、そうなると既存火力から出ていた電力が3年以上出てこない。
・となると、予備力の中でも「数年間止まって良い部分」しかリプレイス対象にならない。
・昨今は予備力が厳しかったのでリプレイスが遅い(大体、1年に全火力の5%程度しか対象にならない。100%入れ替えるなら20年掛かる)
・コンバインドが日本に本格導入され始めたのは、たかだかこの20年弱。(うち5~6年は助走)


次の問題がLNG設備が必要な点。
石油系であれば、石油元売りのタンクに一時保管というのが十分できる(タンクの数が多い)し、タンクから発電所に移せばすぐにでも燃やせるんですが、LNGの場合は一時保管タンクが非常に少ないだとか、発電所とLNG施設は余り遠く出来ない(輸送コストや安全性)ということがあるので、コンバインドを作る時は勢いLNG施設を直近に作る必要もある。
となると、コストも多少掛かるし、何より住民反対も激しい。


発電所が偏在すると送電線も一部地域に集中してしまう。
そうなると、落雷で複数の送電線や変電所が停止しちゃう可能性もありますし、地震時に大規模に電源が死ぬ可能性も高くなる。 なので出来るだけ発電所は偏在しないようにしたい。(東京~神奈川あたりの大消費地内部に作るなら、地産地消+発電所が壊れる天災なら客先も被災しているだろうから、これはOKとも言える。)


燃料多様化
2000年代までの電力会社は、この点について相当気にしていました。
だから、時代遅れに近い石炭火力を作った位です。(実際は色々研究して多少新しい形式にしていますけどね。)
でも2000年以降、電力の一部自由化が始まって、電力会社も収益のために燃料多様化をある程度無視しなくちゃいけなくなりましたし、最近はLNGコンバインド一色になっているところを見ると、もうこの考えは古いのかもしれませんね。


電力会社も金が無い。
意外に思われるかもしれませんが、電力会社は膨大な借金を抱えるんです。
というのも、景気が悪くなると政権から「工事を増やして!」と依頼されるから。(税金外の公共工事みたいなもので景気浮揚)
自由化が無いなら幾らでも借金をして、例えば反対が起きるなら「反対が起きない(など、都合の良い)場所に新規埋立で島作っちゃえ!」なんて荒業もあるんですけどね。
流石に今ではそこまで出来る体力はないので、どうしても既存火力をノンビリリプレイスすることになる。


電力会社も先物市場みたいなところには参入できる(石油会社が参入する。)し、LNGなどは長期供給契約を結んでいますので、既に契約が成立している燃料については原油高やLNG高の影響はあまり受けない。
大きいのは為替の影響と、今年みたいに「急に原子力が止まったので火力を動かす。その結果、価格乱高下のある短期市場で燃料を調達しなくてはいけない。」ということでしょう。



結局。
今ある発電所を動かしながら、横で新しく建設し、完成したら旧火力を全部撤廃!と出来ていたら今頃は全火力がコンバインドになっていたかもしれませんが......。
住民の賛成がキーになるとナカナカ進みませんわね。(大義は解るけど自分の裏庭には来てほしくない意識とか)
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欠陥ではないけれど,注意すべきこととしていくつか挙げてみる。



まず原料となるガスの安定供給がどうなるか?現実的な価格と量を試算しなければならない。
次に売電価格がどうなるか?発電を行ってもそれを消費者にそれなりの価格で売ることができなければ採算が合わない。
さらに発電効率をどの程度で維持できるか?効率が悪くなれば採算は合わない。

これらの点がクリアできるのであれば十分に普及に向かうであろう。
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最大の欠点は、タービンブレードの寿命です。


世界一の熱効率を誇る、日本の最新コンバインドサイクル(MACC:モア・アドバンスド・コンバインドサイクル)に用いるガスタービンは1500℃級。
この超高温の燃焼ガスをブレード(羽根車)に吹き付けてタービンを回転させます。

現在の科学において、地球上の物質で作れる大型タービンブレードの理論上の限界温度は約1600℃。
MACCの1500℃級は、現実的な、ほぼ限界温度です。
1500℃級タービンブレードの寿命は、現時点で設計寿命よりも短い大きな問題点を抱えています。
このため、比較的マメに、ガスタービンを停止して点検保守を行う必要があります。

原子力は、定期点検後に再稼働すれば地震などにより停止しない限り、次回の定期点検まで、長期間、安定出力(発電)が可能であり、原子力がベース電源の役割をはたしていました。

MACCでベース電源の役割を担うには、しょっちゅう停止することを考慮し、一つのボイラに対し3軸、4軸とガスタービンユニットを接続する必要があり、発電所建設コスト高になってしまうことが欠点(1)です。

また、MACCには良質な燃料しか使えません。
LNGで設計すればLNGのみ、軽油で設計すれば軽油のみ、LPGで設計すればLPGのみ。
世界の原油価格が変動し、軽油がドーンと安くても、LNGで設計したMACCで油は使えません。
燃料の多様化が図れないことも欠点(2)です。

実際に、こんな事が起こっています。
油専焼火力である大井火力は、環境規制の厳しい地域に立地しているため、使用燃料は硫黄分の少ない南方系(ミナス原油)のみ。
だから、ミナス原油は毎年、夏場だけ高騰する。
これは、東電が酷暑期だけはどんなに高くても、ミナス原油を使わざるを得ない弱みを知る投機筋が、つけ込んで先物買いするためです。
従って、原発の代替エネルギーとしてLNGを主燃料とするMACCだけに頼ることは危険。
使用燃料の硬直化した発電設備は、トレーダーなどの投機家や投資家のカッコウの餌食。
そのツケは、電気料金に跳ね返ってきます。

やはり、一番大切なことは、様々な発電設備を、その特性を生かしながら組み合わせて上手く使って行くことでしょうね。

因みに・・・
・ジャンボジェット機のタービン温度は1100℃。
・CC(コンバインドサイクル)のタービン温度は1100℃。
・ACC(アドバンスドコンバインドサイクル)のタービン温度は1300℃。
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