No.5ベストアンサー
- 回答日時:
名詞に冠詞を付けるというより冠詞に名詞が付随する感覚と聞いたことがあります。
それはともかく、冠詞を使う言語は名詞にある種の区別を付けようとする感覚を、その話者は持っている、小さい頃から回りとのやり取りで刷り込まれると言えます。単数・複数の区別を名詞の形で示すことと似ています。
たとえば、定冠詞が付くものはごくおおざっぱに言うと話題に出ているとか、話し手と聞き手に共通に認識されているものです。不定冠詞が付くものは有形であったり、目に見えない「事」であっても初めと終わりがあり一回二回と数えられるものです。何も付かない名詞は無形で初めと終わりや境界が感じられず数えられないもの、また固有名詞でいわゆる「名前」であるものです。
何事も例外はありますが、おおよそこういう区別をしようとする性質の言語で、名詞を言う前にまずこういう区別を母語話者は付けようとする感覚が染み付いていると言えます。
冠詞と言うと、ヨーロッパ語の特徴のように言われますが、アラビア語にも定冠詞があります。ヨーロッパ語でも東ヨーロッパのスラブ系言語では今日でも冠詞がないものが多くあります。定冠詞だけで不定感しがないものもあります。今では冠詞がある英語、フランス語、ドイツ語なども初めから冠詞があったわけではなく千年以上の歴史の中で冠詞を使う感覚が徐々に育って来たものです。冠詞がないと定・不定/有形・無形の区別は前後関係によるしかないため、そういう区別をもっと分かりやすくしようとする欲求が高まってきたと言えます。
冠詞の有る無し、単複の区別の有る無しで言語が優れているかどうかは決められません。
No.7
- 回答日時:
定冠詞は比較的最近に西ヨーロッパの言語で普及したものです。
ラテン語にはありませんが、その子孫であるフランス語やスペイン語にはあります。ゲルマン語系の英語やドイツ語にもありますが、同じ印欧語系のロシア語などにはありません。定冠詞が定着すると不定冠詞も生じました。その意義は、既定のものかそうでないかの区別です。日本語だと必要な場合には「その」とか「ある」とか表記しますので、普通はこだわりません。しかし、区別することがデフォルトになると、定冠詞を付けるか付けないか、決めなくてはいけなくなります。
No.6
- 回答日時:
ついでですがドイツ語の不定冠詞・定冠詞の形です。
【単数】………不定冠詞(英語のa.anに相当します)
男性名詞主格(は)→ein
男性名詞属格(の)→eines
男性名詞与格(に)→einem
男性名詞体格(を)→einen
女性名詞主格(は)→eine
女性名詞属格(の)→einer
女性名詞与格(に)→einer
女性名詞体格(を)→eine
中性名詞主格(は)→ein
中性名詞属格(の)→eines
中性名詞与格(に)→einem
中性名詞体格(を)→ein
【単数】………定冠詞(英語のTheに相当します)
男性名詞主格(は)→der
男性名詞属格(の)→des
男性名詞与格(に)→dem
男性名詞体格(を)→den
女性名詞主格(は)→die
女性名詞属格(の)→der
女性名詞与格(に)→der
女性名詞体格(を)→die
中性名詞主格(は)→das
中性名詞属格(の)→des
中性名詞与格(に)→dem
中性名詞体格(を)→das
【複数】………定冠詞
名詞主格(は)→die
名詞属格(の)→der
名詞与格(に)→den
名詞体格(を)→die
少し文法的な話を書き添えますが、日本語以外の言語には「助詞」がありません。冠詞の中に「助詞に相当する部分が含まれている」と理解しても差し支えありません。冠詞に語尾変化が示されているため語順を変えて仮に目的語が文頭に来たとしてもそれが主語であることを示さず比較的容易に文意を読み取ることが可能となります。
日本語と比較して合理的な構造を持っているともいえます。
No.4
- 回答日時:
冠詞のミスは、相手に不自然で不快な感じを伝えてしまうことになります。
しかし、発音が下手で別の単語と勘違いをされたり、時制を誤って誤解をさせたりというような重大なミスにはなりません。「私、アメリカ来ました。」「富士山、きれいの山です。」のような感じです。助詞、助動詞、活用語尾のミスと似ていると思います。
I saw ( a man ) sitting on the bench this morning. He is ( a man ) ( the man ) I see every day at the same place.
前の文の a man の a はないと間違いです。water には a がつきません。a は man を、water, air のような形のないものと区別する時に使う言葉だと言えます。そして、「見かけたのは woman ではなく man である」と伝えるのと同時に、「 man は液体や気体ではない」と伝えています。もちろん日本語にはない感覚です。
後の文では、
a man は、同じ場所(ベンチ)に複数の男性を毎日見かけるが、今朝はそのうちの一人だけを見かけた。…非特定
the man は同じ場所に一人の同じ男性を毎日見かけるが、今朝もその男性を見かけた。…特定
と、意味が変わってきます。日本語ではその差を説明するのに、これだけの言葉が必要ですが、英語は a と the を代えるだけで伝わります。ネイティブはこの差(特定か、非特定か)を曖昧にしたままで話を進めていくことに、不快感を覚えるのです。
No.3
- 回答日時:
冠詞がない代わりに、日本語には助詞があります。
英語では冠詞はaとtheくらいしか使いませんが、他のヨーロッパの言語では名詞の格や性別によって冠詞が変わります。
日本語では、語順がちょっとくらい崩れても、助詞のおかげでどれが主語でどれが目的語で、というのがわかるようになってます。
同様に、冠詞が主格の形だったり目的格の形だったりすることで、多少の語順の変化や省略にも対応できる、ということですね。
だから、感覚としては、日本語の助詞に近いような感じじゃないですかね。
No.2
- 回答日時:
英語に限らず、日本語以外の外国語たとえばフランス語やドイツ語には必ず冠詞があります。
これは「名詞」が単独では用いられないことに起因します。
ではなぜ「名詞と共に用いられるか」との理由ですが、日本語以外の外国語であるドイツ語やフランス語には「名詞の性別」と「名詞の数(単数形か複数形か)」との区別があり「名詞には必ず冠詞を付けることでその名詞が男性名詞か女性名詞か中性名詞かが判る」からです。“Eine Frau”といえば可愛い少女であり、それがただ単に“Frau”と表記された場合、フラウさんという名前の人物を指しているなどと受け止められてしまうことなども考えられます。こうした点を曖昧にせず「対象を特定する」との言語の機能的特性が背景にあり言語としての英語はドイツ語やフランス語などのヨーロッパ言語と親戚関係にあります。
「リンゴ」といった場合、その「リンゴ」が一つであるのか又は一袋に入ったモノなのか、量り売りならば「一抱え」ほどの数のリンゴを示すのか、具体的な数が問題となるなどに対し一方日本語には「曖昧な表記」があり、それが原因で時としてあらぬ諍いなどを招くともいわれています。
こうした点から言語学的には「日本語」の方が特殊な言語に分類されると理解されています。
No.1
- 回答日時:
英語だけじゃないですよ。
フランス語でもドイツ語でも冠詞があります。
むしろ冠詞の無い方が少ないと思いますね。
それに、英語なら定冠詞と不定冠詞だけだけど、欧州では男性名詞、女性名詞、中性名詞でつける冠詞が違うし、同じ名刺でも国によって男性名詞だったり女性名詞だったりします。
ドイツ語では、机は男性名詞で冠詞がder、椅子は女性名詞で冠詞がdieです。
フォークは女性名詞でスプーンは男性名詞でナイフは中性名詞ですよ。
そこには理屈も何もありません。
ドイツ人に聞いても、冠詞も含めて単語として覚えるしか方法が無いと言われます。
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