No.5ベストアンサー
- 回答日時:
ネット配信が普及しないのは、私見では...
(1) データ量が多くなり、設備面で厳しいものがある(サーバなど配信側の設備のほか、通信インフラも万全とは言いがたい)。
(2) 再生のためのソフトウェア、ハードウェアの点で一般ユーザは対象外となり、採算の面で及び腰にならざるを得ない。
(3) 自由に利用したいユーザと、あまり好き勝手にさせたくないレコード会社との間で、権利管理技術などの面で難しい問題がある。
...から、だと思います。(1)はコストの問題なので、まあ何とでもなるでしょう。しかし、(2)と(3)は深刻です。
音質的に見れば、24bit/192kHzの方が良いに決まっています。
まず、ビット深度が大きくなれば(16bit < 24bit)ダイナミックレンジが広がります。
現実には、人間が同時に認識できるダイナミックレンジは20dB程度だそうで、ポップスなどではコンプレッサという装置を通して、おおむねこの範囲に収まるように調整します。しかし、ジャズやクラシックなどでは、たとえばオーケストラのダイナミックレンジは110dB程度と言われており、16bitでは全然足りません(理論値で96dB、現実にはもっと低い。24bitだと理論値で144dBなので、余裕がある)。
(蛇足ですが、MP3などの非可逆圧縮では、この人間の聴覚の特性を逆手に取って、「あまり耳につかない小さな音」を切り捨てたりしています。MP3などが「それなりに聞ける音」である以上、ダイナミックレンジの問題は、少なくとも再生時には、それほど深刻な問題ではないと言えるかも知れません。)
しかし、それ以上に、サンプリングレートを高くすれば、歪みを減らすことができます。しばしば、「周波数特性の上限が上がっても人間の耳には聞こえないから意味がない」と言われますが、それは本質的な問題ではありません。細かい理屈は省略しますが、位相歪みを抑えつつエイリアス歪みを除去できる(可聴帯域外に押しやれる)ことに、大きな意味があります。
なので、「マイクの周波数特性が~」とか「人間の耳は20kHzまでしか聞こえないから~」とか「96kHzまで記録/再生できるから~」いうのは、表面的に数字を比較しているだけで、あまり意味のある議論には思えません(かくいう私も昔はそういう言い方をしていたので、人のことを言えた義理ではありませんが)。
もっとも、レコード会社側も、そういった「超音波が音質を良くする」と読めるような、誤解を招くような説明をしています。まあ、素人相手にナイキスト周波数だのエイリアス歪みだのと言っても鬱陶しがられるだけなので、セールストークとしてはやむを得ないところでしょうか。
なお、クラシックやジャズなど特に高音質(というか「録れたて」の音)を要求されるジャンルでは24bit/96kHzや24bit/192kHzでの録音も少なくないと思いますが、ポップスなど加工を前提とした(つまり録音は「素材集め」的な色彩のある)ジャンルでは、24bit/48kHz程度が一般的かと思います。
その意味では、少なくともポップスなどでは24bit/192kHzでの配信は過剰だとも言えます。私も、将来的には全部ネット配信に移行すべきだと思いますが、(3)との兼ね合いで、あまり使い方が制約されるようならCDのままの方が良いと思います。
No.4
- 回答日時:
うがった見方をすれば「高音質ではないことがバレてしまうから」です(笑)。
もしも 24bit 192kHz で Master Source とした Original Data を Net 配信したものと 16bit 44.1kHz (或いは 48kHz) に変換して Net 配信したものとを同時に配信する Recording Studio があったとすれば、Download した両者の音に違いがないことに驚かれることでしょう。
でも、よく考えてみてください。
例えば Vocal に用いられることの多い Sure SM58 という Microphone の周波数特性は 50Hz から 15kHz しか保証されておらず、実際の特性は下図に示すように 200Hz から下はダラ下がり、2kHz から上は山あり谷ありですし、Microphone には近接効果と言って発声対象に近付けると低域が大きくなる特徴があります。
Microphone 収録位置に於ける最大音圧 Level は 100dB SPL をちょっと超える程度でしょうし Recording Studio と言えども 30dB SPL ほどの背景雑音があるでしょうから Dynamic Range は 96dB の Dynamic Range を持つ 16bit Digital Recording Format に余裕で収まってしまいます。
楽器音収録用 Microphone の代表格である Neumann U87Ai の場合は以下の通り
http://www.neumann.com/?lang=en&id=current_micro …
同じ Page 右上の周波数特性図を Click して大きな図で見れば判ると思いますが、単一指向性時の周波数特性は 20Hz から 15kHz までは±2dB 以内に収まるものの 15kHz 以上はダラ下がりとなって 20kHz 以上を保証できるものではありませんし、0.5% の歪を発生させる最大入力音圧 Level は 117dB SPL、自己雑音は 14dB ですので THD+N Dynamic Range は THD 0.5% で 105dB・・・特性上 Dynamic Range は 16bit 48kHz Sampling の限界を上回りますが周波数特性はその限りではなく、Recording Studio の環境ではほぼ 16bit 48kHz Sampling でも問題のない Level でしかありません。
一方、Listener の再生環境は Listening Area で 100dB SPL なんて音を出したら隣近所から怒鳴り込まれるでしょうし(笑)、一般家庭では背景雑音を 40dB SPL 台にするのでさえも極めて困難です。・・・Headphone ならば背景雑音を耳内血流音の 30dB SPL 近くにまで下げられますし、最大音圧も耳が耐えられるのであれば 100dB SPL 以上にすることができますが、それでも得られる Dynamic Range は 70dB そこそこでしかありません。
つまり 96kHz まで再生できて 144dB もの Dynamic Range を持つ 24bit 192kHz で収録しても 24kHz まで再生できて 96dB もの Dynamic Range を持つ 16bit 48kHz で収録しても Microphone の性能がそこまでないのですから収録できる音に理論上の違いはないのです。
実際には収録されていないにもかかわらず 24kHz 以上の再生が可能な System で聴感上判るほど超高域の質感が変わったとすれば、それは Digital Processing 過程に於ける Error や Analog 増幅段に於ける高周波歪に因るものであって、本来ならば出てきてはいけないものです(笑)。
勿論 16bit 44.1kHz (或いは 48kHz) の Source を Over Sampling して 24bit 192kHz に変換した方が音が良いなどということはあり得ず、変換することによって必ず Error が生じます・・・特に 44.1kHz を 192kHz といった整数倍ではないものに変換する場合は全てが Error 音 (歪) で構成された加工音と言っても過言ではないでしょう(汗)。
それなのに「24bit 192kHz の方が音が良いとか原音再生ならばやっぱり 24bit 192kHz だね」などと信じ込まされて高額の商品を購入し続けてきた人達に「音質とは Catalog 数値で図れるものではない」という真実を認識させてしまっては・・・暴れる人達が出てくるかも知れませんね(笑)。
Analog 機器の Dynamic Range を Noise (或いは歪) Level から測るというのも乱暴な見識で、Analog の場合は Noise に埋もれた中からも源音を聴き分ける能力 (Party 会場で落ちた Pin の音を聴き分けるなどという例えが用いられます) が人間には備わっているものですので S/N 50dB とか 60dB といった Analog 機器の方が細かい音まで聴き取れるという見識も誤りではないのですが、それでも 16bit Sampling の 96dB もの Dynamic Range を不足とするほどの能力が人間に備わっているわけではありませんので 24bit Sampling は 16bit Sampling 市場が飽和してしまったことから新たな市場を創り出して利益を得んとする供給 Side の戦略であることがバレるようなことはしないでしょう(笑)。
既に 24bit 市場も飽和するのが見えている現在、Maker Side は一般 User には理解し難い理論を捻くり出しては購買欲を煽る努力を続けているものの、Digi'Came' の画素数みたいに簡単に信じ込ませることができる Catch ではないので相当苦労しているように見えます(汗)。・・・Digi'Came' の画素数も既に無意味な Level に達してしまって Maker は販売戦略の方向転換を余儀なくされているのですが(笑)・・・。
.>それなのに「24bit 192kHz の方が音が良いとか原音再生ならばやっぱり 24bit 192kHz だね」などと信じ込まされて高額の商品を購入し続けてきた人達に「音質とは Catalog 数値で図れるものではない」という真実を認識させてしまっては・・・暴れる人達が出てくるかも知れませんね(笑)。
う~ん、興味深い意見です。ちょっと難しすぎて素人の私にはハイスペックな内容でしたが、なんとなく分かりました。大変貴重なご意見ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
24bit/192KHzの恩恵を受けるには鑑賞側にもそれなりの設備や環境が必要ですが、現在の音楽鑑賞の環境ってほとんどの人は、パソコンか、携帯音楽プレーヤー(携帯電話含む)か、せいぜいお手軽ミニコンポもどきです。
MP3/128Kbpsなど不可逆・圧縮ノイズ混じりの音源で満足しているんですから、16bit/44.1KHzでも十分過ぎます。
一部のマニア向けに商売をしてもなかなかペイしません。ベンダーがボリュームゾーンである一般大衆のニーズを優先するのはやむを得ないでしょう。
No.2
- 回答日時:
以前は海鮮の速度による問題もあり大容量のファイルは困難でしたが光やADSLといった時代ではそれも簡単になりました。
日本の場合は、CDよりよい音は製作者(レコードメーカー)が嫌います。
理由はそれだけマスター録音(CDをプレスするときの音源(音))に近くなるからです。
それでは著作権上よろしくない・・・という考えですね。
SACDも同様の理由で大きく制限されています。
No.1
- 回答日時:
10年ぐらい前はCDは16ビット44Kでした。
でもこれだと将来のフォーマットに不安もあり、またスーパーCDなどが発売されるようになってから24Bit192Kは多いです。というか今は殆どこれでしょう。そもそもPCの性能が上がってHDDも安くなっていまでは家庭でもこのフォーマットで録音できますから。僕も使ってます。なぜ配信しないかはいろいろ大人の事情ってやつですね。コピーが出回ると困るとか、配信自体に消極的なのは流通制度。CDの工場などのリストラの原因になるとか、再販制度が崩れるとか、しいてはAKBのように買占めが出来なくなるとか。
日本だけなんですけどこんなこと言ってるのは情けない話です。
ちなみに僕はレコード派なので、レコードを一番いい状態で保管するには24Bitは必須で192Kまでは上げなくても48Kとか88Kぐらいで録音します。つまりCDよりいい音でライブラリー出来るので、レコードの雰囲気も損なわれません。おすすめです。
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