『以前こんなことは一度もなかった』
『あなたが初めてです』
『慣習だから』
こういう前例主義の穴を論破している論じているものはないでしょうか? 書籍でもなんでもいいのでお願いします。
前例がないからだめというのなら、『発見』とか『諸行無常』、『古典』、『悪しき懐古主義』、という言葉は生まれないと思うのですが。
事実は対立する積極的事実があれば否定できます。しかし、悪魔の証明というものがあるのだから可能性までは否定できないはずです。
効率を重視していった結果出来上がるのが伝統です。伝統を重視して伝統ができるわけではありません。
例えば中東では、日差しに対応しやすいとして白い服や断熱しやすい建築技術が発達しました。
日本では、弓を作る際、大陸にあるような速射しやすい弓が作れなかったため(材料となる植物が群生してなかったため)長距離発射ができる弓を作っていました。
効率を重視せずにできるものは慣習ではなく、単なる習慣です。
ご意見・ご教授お願いいたします。
No.1
- 回答日時:
まず「前例主義」というコトバの定義としては「なにかをおこなうことの根拠としての前例(今までこうしてきたから、こうやる)」とします。
すると、一気にこの主義の無意味さが表れますね、「前こうやった」ことのみを根拠にしているわけですから。しかし、問題になるのは(注目しなければいけないことは)「なぜ前そうやったか」ということなのです。
質問者様が社会人かどうかは存じ上げませんが、「仕事」をする上では前例はけっこう重要な要素ですよね。
先輩が「今までこうやってきたから…」というと「根拠は前こうやってたから…」としか聞こえませんし、 現にその先輩はそれがそのように行われ続けていることの意味を理解していないのかもしれません。でも「理由」は忘れ去られても、それを別のやり方にしてしまうことで明らかになる不都合も、特に仕事の場に おいてはおこりえます。 と、これでは「前例主義の肯定」ですね。まあ否定については最上部をお読みください。
No.3
- 回答日時:
前例がないから・・・という言い方はそういう(新しい)ことはしない、あるいはできないという代わりに使われる慣用句ですから、論理はないと思います。
たとえ論破したように見えても、初めからしようとはしていないのですから、するようになるはずがありません。厄介なことに、この「前例がないから・・・」というのは「前例になると困るから…」という相棒がいます。ましてそれを言っている人が権力を持っていれば現状維持とつながって強力な体制が出来上がります。新しいことが実現する条件はまた別の問題だと思います。No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「前例」との意味から見れば、古代の法律書である『令集解』が象徴的な存在です。
奈良時代に唐のシステムを規範として導入された律令制度の根幹である『律令』ですが、既に奈良時代に法解釈を巡る様々な注釈書が存在していたことが明らかです。例えば『朱記』『古記』『穴記』等が知られている他に官選注釈書である『令義解』もあります。他にも古典や古文書の中には「先例に依りて」の文言が頻出します。この意味を考えるなら「国家組織」の基本をなす根拠としての法規範との考え方があるとのことは想像にも難くないところです。法は組織及び秩序を維持するための根拠となります。公立のみで成り立つ性質のものではありません。逆に法に裏付けられた秩序があるから「効率」を生み出すことにもつながります。もしモノ作りの場に手順や約束事がなかったならば工程もメチャクチャとなりそれこそ効率を求めることなど不可能となってしまいます。
>前例がないからだめというのなら、『発見』とか『諸行無常』、『古典』、『悪しき懐古主義』、という言葉は生まれないと思うのですが。
これは質問者様の独断に近い見解です。もし過去の事例を踏まえないならば、どこから「独自性」が生まれることになるのでしょうか。その比較対照すべきものがなければ比較にはなり得ません。過去の知見を全て整理していって誰も手を着けていない問題にであったならばそれが「発見」であり新たな問題のスタートともなります。「諸行無常」は仏教の世界観。万物流転を意味する言葉です。Aというモノがどの様に変化していくかとの「過程」を説明する言葉です。
>効率を重視していった結果出来上がるのが伝統です。伝統を重視して伝統ができるわけではありません。
これも独断です。法規範と建築技術の発達を同一レベルで比較し語ることはできません。それぞれが依って立つ舞台が異なります。中東の建築物の論理とモンゴルの移動住居を比較するなら意味はわかります。定住民族と移住民族さらには農耕の民と牧畜の民の違いが背景にあります。
イスラムにはイスラム法があり西洋には西洋の法規範があります。それぞれが固有の文化風土に基づいて形成されてきた「知恵」の蓄積による産物です。先年の「アラブの春」一つをとってみても、イスラム文化圏に西洋的そりもアメリカン・スタンダードを強引にあてはめようとしても無理があり新たな火種となる可能性もあります。
他を排除して何もかもを「効率」の旗印の下に集約しようとすればそこには歪みも生じることは既に人類が「過去から学んだ財産」であり、それこそ「伝統」と呼ぶに相応しいと考えることもできます。
自説の非合理製を補填する目的で牽強付会な根拠をお求めになることはジッパーを開けたまま街中を歩いているに等しい行為と言わざるを得ません。
【追記】
「伝統主義」と「前例主義」そして「日本の官僚主義」は必ずしも同質のモノではありません。この三者の中で特異かつ異質なモノは「日本の官僚主義」とその形態であり、(本来の)官僚主義そのものとも隔たりがあります。
日本の官僚主義が昨年の大災害の根底にあることは既に論じられていますが、肝腎のムラ組織自体による検証は一つとして行われていないことも確かです。自浄能力・自己検証能力を内包し必要に応じてそれを引っ張り出して現実との対比の下にシステムの見直しを図ってきたのが“本来の官僚主義および官僚制度”です。日本人がこの様に近視眼的になってしまったのはそれこそ「効率」の美名の下に検証などを蔑ろにしてきたツケがまわってきただけのことです。
No.5
- 回答日時:
「凡そ例という文字をば、向後は時といふ文字にかへて御心得あるべし。
」「塵塚物語」という書物が山名宗全の言葉として伝える有名な表現です。「例(前例)」という言葉を、これからは「時(時勢)」という言葉に変えて、心得ておくべきだ」くらいの意味だと思いますが、「前例主義」に対する痛烈な批判です。
山名宗全が応仁の乱のころ、ある大臣の家に行き、戦乱のために人々が苦しんでいることなどを話していると、この大臣は様々な古い例を持ち出した。これに対して宗全は臆するところもなく、「あなたのおっしゃることは一応はもっともであるが、例を引かれるのはよくない。」と言った後に、上記の言葉が続きます。宗全は具体的な例として天皇の即位式は大極殿で執り行うのが例となっているが、大極殿がなくなると別殿で行う、別殿もなくなると、また何か別のしかるべきところで行うというように変化していることを挙げ、およそ例というのはその時々の例であって、「大法不易の政道」は例に引いてもよいが、そのほかの時に応じてやるべきことは例にしてはいけない、と述べています。
宗全はさらに、自分のように身分の低い者が、あなたのような身分の高い方のところへ来て、こうして対等に話をすることも昔なら例のないことだが、今日はそれができるではないか、「これ則ち時なるべし」と語ったとも伝えています。
これがそのまま史実かどうかは分かりませんが、日本が大きく変わって行ったこの応仁の乱のころ、時代を動かしていた武士が前例主義とは正反対の考え方を持っていた(と少なくとも「塵塚物語」の作者は考えていた)ことを示すエピソードだと思います。
No.6
- 回答日時:
> こういう前例主義の穴を論破している論じているものはないでしょうか?
そういう一般論があるかどうかはわかりませんが、仮にあったとしても個々の事例に対しては大して役には立たないでしょう。
質問者さんが何かの目的のために今まで無かった新しい事をしようとしているとしましょう。
そうしたときに『あなたが初めてです』『前例がない』と周囲や上部から否定されたとします。
これに対して自分の主張を貫きたいなら、『前例主義では進歩がない』という一般論をいくら蕩々と述べてみても、論破する根拠は薄いことでしょう。
なぜなら、おっしゃるような「前例主義」の考え方と言うのは、(消極的ではあっても)これまでは役に立ってきた(少なくとも、それなりにうまく機能はしていた)という時間的重みが加わっており、なかなか強固なものだからです。
これに立ち向かって変えていくには、「この新機軸は前例と比べて○○が優れていて、従来の方法では解決できなかった○○の問題を解決できるし、○○の効果が期待できる」といった具合に、その新しい事の良さを具体的に説明して、あるいは現物で示すなどして、具体的な事実と論理が持つパワーと衝撃で前例主義の相手を納得させることが出来て、初めて前例主義を論破・打破できるのではないでしょうか。
そしてその良さが万人に認められたときに、質問者さんは新たな前例を作り出したことになるわけです。
詳細はわかりませんが、がんばってください。
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