アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

今現在標高1200の地域に住んでいます。
毎回ではないのですがこの1200mのところから下の町に買い物に行くと
たまに自宅に帰ってきてから頭痛がもの凄いのです。

今は市販のロキソニンを飲むことで痛みが消えますが。
私の場合、10年くらい前から偏頭痛らしきものはありました。
最初の頃は痛みが出たら一眠りすることでよくなっていましたが
ここ数年は一晩寝て起きても翌日ベッドから起きると同時に再度痛みかでるようにもなりました。

痛みは右、左のどちらかのみです。


標高差による痛みもやはり偏頭痛になるのでしょうか?
それとも標高差による頭痛と普段の生活の中で起きる頭痛はまた別物なのでしょうか?

A 回答 (1件)

参考にしてください。



注意したい薬物の使用
 高所ではいかなる薬物もその使用には慎重でなければならない。特に中枢神経に作用するようなものには気をつけたい。最近、中高年登山者に魔法の薬と評判なのが、ダイアモックス(薬剤名アセタゾラミド)であるが呼吸中枢を刺激し呼吸を促進させる作用があり、これさえ飲めば高山病を防げると信じる信奉者も多い。しかし、国際登山医学会では、予防としてのダイアモックスは例外を除き、すすめてはいない。余裕のある日程さえとれば高所には十分に対応でき、薬に頼る必要は無いという理由からで、使用がすすめられる例外とは:

1)救助などで急激に高度をあげなければならない人。

2)過去に何度も高度障害を経験した人。

3)夜間の周期性呼吸で睡眠を妨げられる人。

 ダイアモックスへの過信から高山病の症状が出ていても、登高を続けた結果重篤な高山病に陥った例は多々ある。薬に頼らない自然な馴化がやはり一番であると考える。

 また、このダイアモックスは高山病対策の薬としてはマイルドなものであるが、それでも副作用はある。多いのが手先の痺れ感、頻尿、味覚の変化などである。またスルフォンアミド系の薬物であるので、この薬剤にアレルギーのある人は服用できない。

 予防におけるダイアモックスの服用方法もまちまちである。もともとが利尿剤であることから、夜間の頻尿による睡眠不足を防ぐために朝一回の服用を説く医師もいる。しかし、主な目的は呼吸中枢を刺激して夜間の換気量を増やすことにある。薬の半減期(血中の濃度が半分に減少する時間)が10時間なので、朝服用するとその夜の効用は期待できない。一日750mg(3錠)以上でないと効果がないという報告もあるが、経験的に250mgで痺れや多尿などの副作用も少なく、効果も同等という説が、体重の軽い日本人には適当であるかと思う。予防には朝、晩、12時間ごとに125mg(半錠)づつ、一日の計が250mg(1錠)という服用だ。しかしまだ本格的な至適投与量の比較研究はなされていない。

専門的な薬としては脳浮腫の治療にデキサメサゾン(商品名デカドロン)というステロイド剤が使われている。映画「バーティカル・リミット」でも生死を分ける薬として登場したが、映画ほど劇的には効かないようだ。しかし、1996年のエベレスト大量遭難では、それなりの効果はあったと言われている。リバウンドなどの危険性があるので、医師の指示のもとで使用されたい。また肺水腫の治療にはニフェジピン(商品名アダラート)が使われるが、これも血圧が下がるなどの副作用があり、医師の指示が必要である。最近は衛星携帯電話の携行が僻地の高所では常識化しているので、緊急時の対応としてこれらの劇薬も用意しておき、衛星電話で医師の判断をあおぎながら使用することになる。自己判断で使うことは危険だが、知識は持っておくべきであろう。

急性高山病の症状のひとつとして不眠があげられる。体力を消耗するトレッキングで眠れないというのは辛いものである。日本の山では最近睡眠薬を使うことが多いようだが、高所では呼吸抑制を起こす可能性があり危険だ。不眠の原因として周期性呼吸の場合があるので、ダイアモックスを睡眠薬の代わりに服用をすすめる医師も多い。

他にもイチョウ葉エキスの服用で急性高山病の発症率が半分になった、またアスピリンの予防投与で頭痛の発症率を50%から7%へ減少させたという報告もある。漢方薬を予防に使われる方も多いが、比較研究はないようだ。

しかしなるべくなら薬物に頼ることなく、体調を整えて余裕のある日程で高度馴化をとげるトレッキングを楽しむのがベストであると考える。

治療はまず下山
 高山病の症状が出れば、すぐに下山というのが高所トレッキング・登山の「常識」である。高山病の対処法はまさに下山につきる。しかし、頭痛などはほとんどの人が経験するし、軽い頭痛ですぐに下山するのは現実的でないだろう。どの程度の症状で下山すべきか登山を続行できるのかその判断はプロのガイドでも大変難しい。

 前述の初期の症状であれば、日程をすすめることもできるが、できることなら一日その高度にとどまった方が良い。軽症でも我慢できないようなら数百メートル下山するだけでかなり改善されるはずだ。軽い頭痛ならばバッファリンやブルフェンなどの鎮痛剤も効くが、頭痛に他の症状が加わり、かつ酸素飽和度が平均値をかなり下回るようであれば、ダイアモックス(250mg錠)を一日朝夕1錠づつ服用すると効果的であろう。症状が消え、酸素飽和度が改善しても1~2日間は継続して服用した方が良い。頭痛以外の症状が残るうちは新しく高度を稼ぐことは避けたい。

 馴化中の酸素の使用は世界の登山医学界での「常識」では、「高山病の症状を隠す」や「馴化が遅れる」などの理由で、積極的な使用は不可とされている。しかし、私の経験からは症状が軽い段階で、10分間程度の短時間の酸素吸入が、初期の呼吸抑制をとるような気がする。それでも改善しない場合は、さらに吸入時間を増やす。酸素ボンベの数量も限られているだろうから、パルスオキシメータでモニターしながら、酸素飽和度90%を越えるぎりぎりの流量にする。夜間の少量の酸素吸入も効果がある。

 停滞しても改善しない場合は即下山した方が良い。留まっていてもよくなる可能性は少ない。その際に注意したいのは患者を一人にしないということである。最近ではネパールなど、簡単にヘリコプターを呼ぶこともできるが、確実性が低ければ、ポーターを使って搬出した方が良い。ヘリコプターで搬出を待つ間は、酸素ボンベによる酸素吸入、PAC、ガモフバッグなどの携帯加圧装置を使っての加圧で対処する。デキサメサゾンやニフェジピンなどの薬物も衛星携帯電話などを使って医師の指示を仰ぎながら投与する。早くおろせば、それだけ早く回復する。おろすタイミングを失うととりかえしのつかないことになる。

 以上、高山病対処法を述べたが、最近高所で亡くなる登山者の死因が、高山病である高所脳浮腫や高所肺水腫ではなく、病理解剖がなされておらず確定はできないが脳卒中や心筋梗塞など心血管系の障害によるものではないかと思われる。中高年トレッカーが増大した結果かもしれないが、たとえ医師でも対処は難しい。ツアーガイド(リーダー)にできることは脱水を防ぐための水分の補給がせいぜいであろう。この意味でも事前の健康診断は必須で、それ以上は登山者個人のリスクのとらえかたであると思う。

高山病の対策は機材やバックアップ体制の準備だけでなく、経験から得られる知識によるものも大きい。経験の少ない個人では充分な対応は難しい。
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!