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1955年ごろ、糸川英夫氏らが計画していた「太平洋を20分で横断するロケット旅客機」構想は、
諸事情により中断されたようですが、
いまだに日の眼を見ないところをみると、現代の技術によってもでも実現は難しいのでしょうか?
当時の新聞記事をみると
「20分で太平洋横断 八万メートルの超高空をゆく 
完成目標は1965年から1970年。
ロケット機の特色として飛行時間の半分は実際にエンジンを動かさず滑空飛行が出来るから
燃料も半分ですみ、人件費その他を含めて採算の取れる消費量の五十八パーセントでいいことになる。
さらに外層圏ロケット旅客機が、スーパーコンステレーションの二倍以下の目方で設計できれば
十分で太平洋を飛び、しかも運賃は適正値段で抑えられる」
とバラ色づくしなのですが。
コストが問題なのか、計画自体が無理なのか?

よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

>20分で太平洋横断 八万メートルの超高空をゆく



ちょっと試算してみれば、このような計画は現在の技術でも極めて難題というより夢物語に近いことがわかります。

太平洋横断がどこからどこまでかよく分かりませんが、常識的に東京ーシアトルだとすると約7700km、東京ーロサンゼルスだとすると約8800km大圏距離であります。これを20分(1200秒)で飛行するとすれば、必要となる平均速度は前者で約6.4km/秒、後者で約7.3km/秒となります。これは人工衛星として地球を周回できる速度約7.9km/秒に近い超高速です。8万メートル(80km)の高度では非常に薄いとはいえ大気が存在しますので、こんな超高速で飛行すれば機体は極めて高温になり危険です。これを回避するにはもっと高度を高くする必要があるでしょう。

さらに難題は急な加速と減速が必要になることです。わずか20分の間に静止状態から秒速7km前後の超高速まで加速して太平洋を横断し、また減速して太平洋の向こう側で静止するためには相当なプラスマイナスの加速度が必要で、乗客が安全に旅行できるか疑問です。加速と減速をゆっくりと行えばこの点は大丈夫ですが、20分で太平洋を横断することはできなくなります。これらを勘案すると20分で太平洋を横断できるロケット旅客機は現在の技術でも到底作れないでしょう。

現在高度100km程度の超高空というか宇宙空間の入り口を弾道飛行する乗り物が商業ベースで開発中ですが、上記の計画よりずっと低速のマッハ3程度で飛行するもので、加速度も一般の乗客が耐えられる程度に抑えています。またこれは高額の料金を支払って搭乗した乗客に宇宙旅行気分(擬似無重量状態など)を味わってもらうのが主な目的で、超高速で太平洋を横断するような交通機関を目指すものではありません。

宇宙開発の初期の段階でアメリカでは人間が搭乗したマーキュリー宇宙船が弾道飛行を2回行いました。約16分飛行して高度約190kmに達し、約490km離れた海に着水しましたが、その際の最高速度は約2.3km/秒程度、単純に490kmを16分(960秒)で割った速度は0.51km/秒でした。
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ロケットほどでありませんが、すこしまえ「コンコルド」というマッハ2でとぶ旅客機が作られたことがありました。


しかし、作ってみると、燃料を食う、騒音がひどい、衝撃波も大きい、あまり多く乗れない・・・と欠点だらけで、結局20機ほどで製造中止となりました。

>燃料も半分ですみ、
これ、ほんとですか?
翼の揚力を使わずに重力に逆らうのは、とんでもなく燃料が必要なはずですが。
一時、NASAは燃料節約のため、大型航空機にロケットを積んで、成層圏近くから打ち上げる実験をしていました。
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新技術が実用化されるまでには、いくつかの障壁があるといわれています。


この場合は、基礎研究と応用研究のギャップ(魔の川)を超えられなかったのだと思われます。
コスト以前の問題です。

当時の航空宇宙技術のレベルを考えてみましょう。
人類初の人工衛星スプートニクの成功は1957年です。
初のジェット旅客機コメットが就航しましたが、与圧による金属疲労で空中爆発事故を起こしてしまいます。
すなわち、まだ技術が未熟だったころの構想だったということです。
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>ロケット機の特色として飛行時間の半分はを動かさないから燃料も半分


この部分が2つの意味でデタラメ。

その1 ロケット機は、おおむね毎秒8キロまで加速し、かつ高度100キロ(?)まで上昇するから、
   そのためのエネルギーは必須。(ただし、その後目的地まではエネルギーゼロ)
   一方、ジェット機は、おおむね毎秒0.3キロまで加速し、かつ高度10キロまで上昇、
   巡航中もエネルギー消費。 
   加速のエネルギーが1/700で、高度を稼ぐエネルギーは1/10.
   巡航中のエネルギーゼロでとりかえせないだけの多量のエネルギーを最初に使っている。

その2 ロケットは燃料+酸素を積んでいるが、ジェットは燃料だけを積んでいる。
   速度が同じなら、酸素を加速する必要がないだけ、ジェット機の勝ち。
   ちなみに、反物質反応と不完全核融合(水素+水素→重水素)の比較で、反物質のほうがはるかに
   効率が良いですが、恒星間ロケットの本命は、不完全核融合のほうであり、宇宙空間から
   水素をすくい取ればよいので、はるかに高速が期待できるんですが.....

あと、ここも変。
>ロケット旅客機が、十分で太平洋を飛び
地表からあまり離れずに飛ぶ場合のロケット速度は秒速8キロで固定。
秒速11.2キロで、地球の引力を振り切ってしまうから。
そうすると、10分で飛べる距離は最大4800キロであり、東京-ハワイでも無理。
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1955年ごろは、今のように「瞬時に太平洋の向こう側に、写真や文書を送れる」とは思っていませんでした。



書類を送るにも、写真を送るにも、紙やフィルムを飛行機などに積んで「物理的に運ぶ必要」がありました。

そして「太平洋の向こう側に、数時間で、すぐに送りたい」と言う需要に合わせて「20分で横断」と言う構想が作られました。

そうこうしているうちに太平洋を跨いで通信回線が整備され、写真や文書は回線ですぐに送れるようになり、映像も送れるようになりました。

飛行機で太平洋を渡るのは「どうしても本人が行かないといけない」とか「実物を送らないと話にならない」って言う場合だけになっちゃったのです(観光は除きます)

そして「たいていの事は、本人が行く必要がない」ので、20分で横断できる旅客手段は「不要」になってしまいました。

代わりに、同じようなロケット機がアメリカの民間で作られてて「民間主導で、安価に宇宙旅行」っていう計画が進行してます。

成層圏よりも上の宇宙まで出て、宇宙を20分ほど飛んで地上に戻ってくる計画のようですから、飛行時間をもう少し延ばして、太平洋を跨いで宇宙に出るコースをとれば、太平洋を跨ぐのも不可能じゃないような気がします。
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