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菅原道真が大宰府に左遷された折りに作ったという「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」の「匂ひ」の意味は、花が咲く、という花色の美しさでしょうか。それとも、香りも含んでいるでしょうか?
梅について、万葉集の頃には、ほとんど白梅の見た目の美しさばかり詠んでいますが、古今和歌集では香りも詠っているようですね。
901年作、と思われる道真の歌は、どうなのでしょう?
お教えいただけましたら幸いです。

A 回答 (3件)

こちふかはにほひ於こせよ梅花あるしなしとてはるをわするな(拾遺和歌集・巻16-1006)



これには「なかされ侍りけるとき家の梅花をみ侍りて」と前書きがありますので、延喜元年正月、西下に臨み五条西洞院の紅梅殿で詠じたものとされます。

「にほふ」は、その「に(丹=赤色)」+「ほ(穂=抽(ぬき)んでる)」+「ふ(働きを表す接辞)」というように「何か立ちのぼるような感じのすること」(大野晋「日本語の年輪」)とされます。
ですから、受け手に対して零(こぼ)れるように迫ってくる、そんな「「印象的な感覚」という基本意味」(古西甚一「基本古語辞典」)で、視覚から配色に、さらに嗅覚から全体の雰囲気や様子に、更に余韻・余情へと展開していったものです。
「かをる(香る/薫る/馨る)」は「(煙・火・霧などの類が)ほのかに立ちのぼる」(古西甚一「同書」)に由来して「芳香がたちこめる」ことでしょうし、「きく(聞く/聴く)」も聴覚からやがて受け入れる意味が広がり、「味わい試す」味覚や「臭いを嗅ぐ」方面にも広がったものです。

ここでの「にほひ於こせよ梅花」は、文字通り「よい香り」を「おこ(遺/致)せや(よこしてくれ/届けて欲しい)」と梅花に呼びかけている形式でしょう。
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 古今和歌集の成立は、一般に905年と言われていますから、その中の歌はそれ以前に詠まれた歌で有り、道真の歌と同時代とも言えますから、「匂ひ」には色も香りも含んでいると考えてよさそうです。

それより何よりも、都から遠く離れた九州では花が見える筈もなく、せめて「香り」だけでも風に乗せて運んで欲しいと言ったのでしょう。
 実際にはこの道真の歌は、古今集から始まった勅撰和歌集の三番目「拾遺集」に採られています。
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「匂ひ」は、「におい」と読んで「香り」「薫り」と同じ意味です。

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