私は吹奏楽やジャズがすきでいろいろ聞いてきましたが、クラシックは詳しくありません。
私にすべての雑音が特定の周波数に判別できる絶対音感はないのですが、かといって完全な音痴でもなく、「440Hzで発声してみよう」などと時々自己チェックで、今日は合格、今日は不合格だ、などとやっているレベルです。
10年以上前ですが、ある絶対音感者のジャズ評論家の先生から次のようなことを教わったのを思い出しました。
「平均律の楽器や、ジャズバンド程度のチューニングの音しか聞いていない耳にはわからないだろうが、いちばん端的に言えばクラシックの弦楽や声楽、ジャズで言えばリチャードデイビスのベースが最も正確なお手本だからよく聴いてみなさい」と。
さてそこで、
弦楽四重奏や、ピアノの入らない吹奏楽のアンサンブル、そして高名なソリストの独奏では、どれも「ああ、美しい正確なピッチだ!」と感激できるのですが、なぜか先生の指摘してくれた声楽では、オペラなど世紀の大歌手たちがみんなピッチが外れて聞こえてしまうんです。
クラシックはあまり詳しく無いので仕方ないかな、とも思いましたが、わたしの得意なジャズでのお手本、リチャードデイビスのベースソロをいくら検証しても、数あるジャズ奏者のなかでも一、二を競う変態ピッチに聞こえてしまいます。
(他のベース奏者には、きわめてピッチが正確だ、と感激できるレッドミッチェルなどの奏者がいることは自分の耳で確認しているつもりです)
他の純正律器楽での正確なピッチの調和のうつくしさは認識できているつもりなんですが、「正確ピッチのお手本」とされている声楽とベースの独奏だけが、お手本にもかかわらずピッチはずれに聞こえてしまう、という私の耳(というか音をつかさどる脳の機能)が異常でしょうか?
それとも10年前の先生には、ちょっとからかわれていたのでしょうか?
No.12ベストアンサー
- 回答日時:
#2 & #6 です。
おおもとの質問からはそれてしまいますが、#9 の「お礼」の中でお書きになった以下の部分
『>平均律ならA=440HzとすればCの音程は決まりますが、
>そうでなければCの音程は厳密な決まりはありません。
これはとても驚いたのですが、平均律の定義のひとつに「音程を厳密に決定する」という要素があって、純正律では音程は自由、という意味ですか?』
について、です。(音階論には入らないと#6で言っておきながら少しだけ入ります)
まずは、「純正律」が何種類あるか、ということはおいておいて、とりあえず、下記の純正律について考えてみます。
C(1/1)
D(9/8)
E(5/4)
F(4/3)
G(3/2)
A(5/3) = 440Hz
B(15/8)
C(2/1) = 528Hz
かっこ内は周波数比です。音名は英語式です。
で、これはハ長調として書いたものですが、もし、ト長調で純正調を作るとCから始まるのでなくGから始まることになります。
G(1/1)
A(9/8) = 440Hz
B(5/4)
C(4/3) = 521.48Hz
D(3/2)
E(5/3)
F(15/8)
G(2/1)
一応、A = 440 Hz としたときの その短3度上のCの音を計算してみました。少し違ってますよね。
平均率だと、何調であれ、こういうことは起こらないのですが、そのほかの調律だと、このように、Aがその音楽の調で何番目の音かによって、「同じ調律であっても」他の音の高さが異なってくるのです。
そういうことを一気に解決してくれたのが平均率ですが、そのかわりどの音程を取ってもいまひとつ美しくないわけです。そこのところをとりあえずチョコチョコっと修正してその瞬間瞬間美しく響かせることが、声楽や弦楽では(楽器の構造上)楽にできるというわけです。鍵盤楽器ではできない真似です。
で、こうなってくると何が正しいではなくて、何が好みかになってくるような…。で自分の好みを「正しい」音程と表現する人はたくさんいて、それはそれでよろしいかと。
なあるほど、とてもやさしく、かつ論理的に教えて下さいまして本当に有り難うございます。
純正調を重んじる管弦楽においてハイピッチにする、あるいはローピッチにする、という決断は、この矛盾(?)するずれを少しでも緩和させようという意図もあって、演奏される曲目の調性に応じてA=440Hzから高くしたり低くしたり、という操作をしている、という側面もあるということですか?
>で、こうなってくると何が正しいではなくて、何が好みかになってくるような…。で自分の好みを「正しい」音程と表現する人はたくさんいて、それはそれでよろしいかと。
これはもう少し教えていただけませんでしょうか?
基準音の周波数が変えられた調律の場合、純正調ならばそれに応じた相対周波数比に比例して一律に相対的に上下させるのかな、と思い込んでいたのですが。
・・・比例した一律の相対的調律は演奏の現場では行なわれずにA = 440 Hzだけは固定的に維持されてるのでしょうか?
(∴純正調だと調性が異なると特定の調性の曲では著しくきたなくなる、という評判につながる?)
特定の和音など目立つ箇所でちょこっと瞬間的な修正をするのが通例の奏者のテクニックとして要求されているんでしょうか?
そういえば心当たりとしては、私は滅茶苦茶ですがトランペット持っていますが、素人吹奏楽レベルでは「一番下のDの時に調律が狂うから瞬間的に延ばすためにあるんだよ」と言われているスライドがありますが、本当の純正律で演奏する場合にはもっと多用されてるのかしら?と思ってもみました。これは関係ない別物でしょうか。
No.14
- 回答日時:
私は弦楽器(コントラバス、バイオリン、チェロ)を弾いています。
最近ホルンに興味をもってF管ホルンに挑戦しています。なぜか絶対音感を所有しています。まず私の経験でいいますと、楽器がかわれば「ピッチ」の感覚はちがいます。例えば私の場合弦楽四重奏で第2バイオリンを弾くときなどは、非常に神経質にハーモニーに気を配り「純正調」をこころがけます。ただしこれは時代の古い古典のみ。フランスものなどの場合は純正にとらないほうが気分いい場合もあります。なのでスケールを練習する時点でこれから弾く曲の曲想にあわせてピッチをきめています。具体的には3度音程と半音、導音の幅です。キーが変わればあたまを再チューニング・・・
コントラバスをオーケストラで弾く場合は、とにかくその時の調性の「根音」「第3音」を強く意識しています。モーツァルトなどでは和音と転回形(ハ長調のドッペルドミナントなど)を考えながら弾いています。ここまでこだわっているかたは少ないでしょうが。
ピアノを弾く場合、音程のコントロールははじめからあきらめていて出たところのピッチでがまんんしています。ただ、響きが濁らないような工夫はします。(密集配置の場合、外側を強めにするなど)
転調してもカラーがかわらない平均率には欲求不満がたまります。しかし、一度だけ、ん百万のコンサートグランドピアノを弾かせてもらったときは、調性によるイメージの違いがタッチの差でだせるのに驚愕し、物理的な音程だけの問題ではないとあらためて認識させられました。名器はやはりすごいです。
このように楽器によってさまざまな「ピッチ」が可能で、たとえ絶対音感があっても、気持ち悪いといいきるにはちょっと自信がいります。私の場合、クラシックでつかんだ音程感覚なので、ジャズの場合にはまた別のものと割り切っています。ベースの名演奏では、微妙にフラットする3度や5度が個人的にはたまらないです。(それが瞬時にわかるというのも運がいいのですが)
J-POPなどは騒音にしか聞こえない人工音のかたまりなので慣れようという気はさらさらないです。一部の丹念にレコーディングされたものを除いてですが。最近のミリオンヒットのなかには和声理論的にあきらかにおかしなアレンジがまかりとおっていてあきれています。(べつの合唱編曲では修正されていました)
「正確なピッチ」とはどのような考えで音程を創るかにかかっています。いろいろな感覚があってみなさん工夫されているということをご理解くださいませ。
大変お世話になります。
体を壊して長期パソコンができずお礼が遅れて申し訳ありませんでした。
>「根音」「第3音」を強く意識しています
どうもありがとうございます!
いろいろな調でこれを意識してピアノの音を聞けば平均率の妥協の意味がわかる訳ですね。
これから機会あるごとに心がけて耳と心を鍛錬してみたいと思います。
>ピアノを弾く場合、[引用中略すみません](密集配置の場合、外側を強めにするなど)
>調性によるイメージの違いがタッチの差でだせるのに驚愕し
おお、ピアノでもこういう方法で擬似的な調整が可能なのですね!!
>ベースの名演奏では、微妙にフラットする3度や5度が個人的にはたまらないです
リチャードデイビスの特に1970年代以後の演奏になると、何度の音であっても全部が一律に不思議な音程になっているように私は感じて、「70年代以降のRデイビスこそがジャズでは全楽器のなかで一番まともな音程の出せるプレイヤー」という「先生の指導」に頭がこんがらがっている状態です。(もっと古い年代だと、ああ、ジャズでもきちんと音程を努力しようとしている奏者だなあ、と感じる場面があるのですが)
Sumi-chan さんは、Rデイビスの年代ごとの演奏の差をお感じになったことがございますでしょうか。
クラシックだけの話だと具体的なものが体感できなくてもどかしいのですが、ジャズを用例にできる話ですと、すとん、と行けそうです!
No.13
- 回答日時:
#2 & #6 & #12 です。
ちょっといろいろごちゃごちゃ書き込みすぎてわかりにくくなってしまったようです。
例にあげた純正調で演奏しようとする場合、楽器編成と曲目とを選ぶ必要があると思います。楽器編成の方は、たとえば鍵盤楽器が入れば、そこで、演奏の開始前に調律が固定されてしまいます。ですから、どのような調律を行なうかがシビアに問われます。演奏中の変更が利きませんから。それから、アカペラのように自由にピッチが取れる場合でも、曲の転調とか和声が複雑だとかすると、よく分析しておかないとどこでどうやっていいか混乱することになります。複雑な転調をする曲は、あらかじめ調律が固定される楽器で純正調に調律して演奏するのは無理があると思いますし、合唱とかだと理論的には可能でしょうが、しちめんどくさそうです。
で、ちょいと上げたりちょいと下げたりの話の方は、平均率を使用していて、の話のつもりでした。こちらは日常茶飯的に演奏のテクニックとしてなされていると思います。よく目立つ、曲の最後の主和音の三音を下げるというのはもはや常識? もちろんピアノでは無理です。
同時になる二音のひびきをよくするために、平均率から純正の方にずらすことは、耳のいい演奏家ならほとんど無意識にしていることだと思います。でも、たとえば、二音の幅を狭めるとしたとき、上の音を下げるのか、下の音を上げるのか、両方ちょっとずつ変えるのか? やり方はさまざまあります。旋律性とか前後の関係とか他の楽器との関係とかで適宜選んでいくことになります。
楽器によっては、この音は調整可能だが、この音は調整不可能だとかいう場合もあって、音色の特徴に加えて、そういうその楽器の音律の特徴が、楽器の雰囲気を作っていることがあります。金管楽器の倍音での演奏なんか、ああいかにも金管楽器、っていう音高です。#7 の方が少し触れられてましたが、バイオリンの4弦は完全5度ずつの差があるのですが、本当に厳密にする(ピタゴラス調律)と、平均率からずれていってしまうので、どこで調整するかとか、オケだと他の楽器との関係もあるので、自分だけの都合で調整するわけにもいかないしとか、があります。
こういうことに加えて、目立たせるために、とか、溶け込ませるために、とか、上昇旋律だから、とか、導音だから、とか、変化音は大げさになる方にずらす、とか、そりゃ逆だとか、主義主張の違いまで含めて、こまごまといろいろあるわけですし、さらに、音の始めだけちょっぴり上げるとか、延ばしている途中で音量と音高を増して膨らませるとかいうように一度鳴らした音自体を同じ高さで平らに延ばすわけでもなかったりします。でもって、ビブラートをかけると、以上の細々した調整が全部ぶっ飛ぶほど幅が広かったりしてピッチをごまかすのに使ったりもできますし。
ということを考えていくと、だんだん、音高の取り方ってのは、「調律法」という形で論理的な骨組みが何種類もあるけれど、さらにその運用(実際の演奏)という点ではもっともっと自由であったり複雑であったり、……やっぱり何が正しいかって、自分にとってピッチがあってる(心地よい)と思える高さが自分にとって正しいとしかいえなくなってしまうとわたしは思うのです。いくら「正しい」といわれても自分にとって「気持ちの悪い」音程で演奏されている音楽は聴きたくありませんよね。
お礼が大変遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。
体を壊して長らくパソコンできませんでしたが、苦しくてもがいている時も脳の中でいつも何かの旋律が必ず流れてくれてたのは幸福のあかしなのか、神様の皮肉なのか、複雑な気持ちでした。
>いくら「正しい」といわれても自分にとって「気持ちの悪い」音程で演奏されている音楽は聴きたくありませんよね。
絶対音感者のみなさんは、「身の毛がよだつので聞きたくない」といった単語表現でおっしゃる場合が多いのですが、私の場合、「絶対」がよくわかっていないので、聞きたくない、という嫌悪感とは正反対で、「これは何をもってして、「絶対に正しい見本だ」と断言されるに至ったのだろう、という謎を解き明かしたい好奇心がはちきれそうな状態、といえばいいかもしれません。
「あっちの先生」「こっちの先生」「okweb」で助けていただいてる皆様、といろいろな「一家言ある主義主張のかたがた」のそれぞれの哲学をきちんと理解してのみこめないままでいるから翻弄されてしまっている、というのが今の私の素性かなあ、という気がしてきました。
かんでふくめるとてもやさしいご解説を本当にありがとうございます!
No.11
- 回答日時:
そもそもなぜ絶対音感がそこまで重要視されるのでしょう?
音大出身ですが、音大では「絶対音感」という言葉すら会話にのぼりません。絶対音感らしきものがある人を「固定ドの人」と呼び、反対にどの調でも全てハ長調で聞こえる人を「移動ドの人」と呼びますが、声楽科なんかでは移動ドの方が便利とされるんですよ。つまり絶対音感がない方が良いと。
音大に合格できなかった人ほど「絶対音感が」と何かのお題目のように言ってますね。
本当の意味での絶対音感があると、例えばA=440Hzの絶対音感を持っていたりすると、A=442Hzなんかで演奏されたら地獄だそうですよ。全ての音が間違っていると認識してしまうからです。
まずはご参考までに。
> そもそもなぜ絶対音感がそこまで重要視されるのでしょう?
そうですね、ぜひこの理由を、苦痛にさいなまれながらも移動ドの人々をせせら笑う偉大なる固定ドの支配者さんたち自らの手による科学的な解明論文と真意を伺ってみたい、と私はもちろんのこと、世界中の移動ドの人々も思うことでしょうが、どういう訳だかこれはもう偉大なる哲学から数学から人格から全てにおいて優越するお方、という前提で物事が進んでしまいますので、「はあ、えらいですね」としか今のところは誰もいいようがないのではないかと私は感じています。
絶対音感者の多くのかたがたが、神秘性を維持したがる傾向は、哲学的、心理学的、精神医学的な分野になりそうですので、それは私の投稿の主旨ではないんです。
No.10
- 回答日時:
>私も同じ認識だったのですが、#4のかたのご回答で正反対の傾向と伺い、驚いています。
本当はどっちなんでしょう?
上がっているで正しいと思います。
ただ、わりと最近(20年ぐらい前から?)バロック等では当時の楽器、ピッチで演奏するというスタイルがありまして、
この場合は当時のピッチに近い415Hzとか39?Hz、
ベートーヴェン?あたりでも430Hzぐらいだったかのピッチで演奏するということがあります。
400Hz以下の演奏ということなら、こういう演奏をさしているのではないかと思います。
昔はこういう演奏はなく最近低いピッチの演奏もあるという意味では正しいとは思いますが、
一般的にはあがってると言っていいと思いますよ。
なるほど、古楽器アンサンブルに限って、当時の調律に忠実に低くして演奏しよう、という傾向を#4の方も意図されていた訳ですね。
これはとても納得です!
一般的には21世紀に入っても依然ハイピッチ上昇傾向が続いているのですね。
No.9
- 回答日時:
そもそも正確なピッチってなんでしょうか。
平均律ならA=440HzとすればCの音程は決まりますが、
そうでなければCの音程は厳密な決まりはありません。
#6の方が書いているように、和音の一部とするか旋律の一部かとするかでかわりますし、
結局は演奏者がよしとする音程でならすだけですから。
(例えば旋律の場合導音(ハ長調ならシ)はより高くとりがち)
長年ピアノソロばかり弾いていたような人だと、
ピアノの音程が絶対でそれ以外の音程は狂っていると感じる人もいるようですが、
これは固定した音にだけ慣れてしまった状態だと思います。
それと、Aのピッチですが、一応A=440Hzではありますが、クラシックではA=442Hzが一般的みたいですね。
ピッチが高いと華やかに聞こえるとかで、独奏楽器のみやや高めにしたりとか、年々ピッチがあがるとかあるようです。
A=440Hz以前にA=435Hzと定めていた時代もありました。
さらにさかのぼると特に決まっていない状態になります。
バロック系の演奏では、現在でも当時のピッチの代わりとしてバロックピッチA=415Hz(平均律で半音低い)とか、
半音高い、全音低いというのが使われてます。
あと、音程をどの音で判断するかで音程が違って聞こえる可能性もあります。
音は通常倍音を含みますが、実は厳密には整数倍になっておらず、ここに差があります。
特にピアノは倍音がずれていまして、通常調律カーブとかいうずれがあります。
単純に言えば、低い音は低く、高い音は高く調律されているのが普通らしいです。
ですので、低い音の場合、その基音の音程を感じるか、倍音の音程を感じるかで聞こえ方が変わってくるかも知れません。
また、コントラバスのように低い音はだいたい音程感があまりないので、どうなっていてもよくわからない場合も多いと思います。
実は私はコントラバスは経験あるんですが、実音ではチューニング困難です(^^;
ハーモニックス使ってオクターブ以上あげた音でチューニングしてました。
ちなみに私はクラシック系が好きですが、オペラのような歌い方は苦手であまり聞かないですね。
新しい視点でのアドバイスをどうもありがとうございます。
>そもそも正確なピッチってなんでしょうか。
哲学的な追求になってしまうと際限のない平行線ですので、それはこの私の投稿主旨ではないんです。
【「特定の肉声」と、「特定ベース奏者」のみが自分の耳では、ずれて認知されてしまう現状】が、脳の知覚が正しく働いていない(錯聴、または器質の異常を疑ってみる必要があるかどうか)という線か、もとから提示されていたお手本が不適切なものを提示されていたのかどうか、そのいずれでも無ければ何だったか、をつきとめてみたい、という主旨です。
これは#2と#8の方のご回答で、特にオペラの声楽では錯聴が生じやすい理由を教えていただきましたので納得できたつもりです。
>平均律ならA=440HzとすればCの音程は決まりますが、
>そうでなければCの音程は厳密な決まりはありません。
これはとても驚いたのですが、平均律の定義のひとつに「音程を厳密に決定する」という要素があって、純正律では音程は自由、という意味ですか?
>長年ピアノソロばかり弾いていたような人だと、
そうですね。これがピタゴラスコンマにこだわる方々の餌食になっている感があります。
>年々ピッチがあがるとかあるようです。
私も同じ認識だったのですが、#4のかたのご回答で正反対の傾向と伺い、驚いています。
本当はどっちなんでしょう?
No.8
- 回答日時:
#2さんも書かれていますが、オペラ歌手の歌声は広い
ビブラートを付けて豊かさを出すことがままあるため、
音の幅の両端が耳につけば「正確ピッチに聞こえない」
ことは充分ありえます。
(特に低声にその傾向が強いかも…。ひょっとしたらコント
ラバスの音質にも通じるところがあるのかもしれません)
10年前の先生のおっしゃる「声楽」には、むしろ合唱曲
(特にクラシックのアカペラor通奏低音+αのもの)の方が
当てはまるような気がします。
この場合は、ビブラートを排除した声で純正律を目指した
和声で曲が構成されますので、ピッチの感じ方もまた異な
って来るかと思います。
お勧め(独断と偏見です)は
ルネサンス~バロックの教会音楽(ヴィクトリア、
モンテヴェルディ等。バッハは伴奏が厚いか。)
イギリス、フランスの20世紀の作曲家(ブリテン、
プーランク、マルタン等等。今生きてて美しい音を書く
のはラターが一押し)
あたりでしょうか。
ただし、
・バロック以前の曲の古楽器使用の録音だと、ピッチは
A=420よりも低くとることが多い。
・純正律でも平均律でもない音律を取る場合がある。
(例えばミーントーンだと、3度の響きを優先するので
ドミソのミの音が恐ろしく低い)
ことにご留意ください。
あたらしい視点での御参加本当に有り難うございます。
>#2さんも書かれていますが、オオペラ歌手の歌声は広い
>ビブラートを付けて豊かさを出すことがままあるため、
>音の幅の両端が耳につけば「正確ピッチに聞こえない」
>ことは充分ありえます。
複数のみなさまのご同調をいただいて、なるほどこれは納得です!
>(特に低声にその傾向が強いかも…。ひょっとしたらコント
>ラバスの音質にも通じるところがあるのかもしれません)
ところがこちらの方は、どちらかと言うと、ベース奏者が楽器の最高音域(チェロやバイオリン的な音域)を一生懸命出す際に顕著に感じています。もとが多難の音域ですから当然ですよね。
>10年前の先生のおっしゃる「声楽」には、むしろ合唱曲
>(特にクラシックのアカペラor通奏低音+αのもの)の方が
>当てはまるような気がします。
>この場合は、ビブラートを排除した声で純正律を目指した
>和声で曲が構成されますので、ピッチの感じ方もまた異な
>って来るかと思います。
あまり良く知らないのですが、私の範囲でイメージをあわせるとすればグレゴリオ聖歌などは、この手の唱法に該当するでしょうか?
そうであれば、ああ、そうか!なるほど!と思えてきます!
今回ミーントーンを教えていただき、大変目の前に光明を感じました。
楽器製造の合理性と音楽の本質とのジレンマであるピタゴラスコンマ解消のために天才の直感的発露ばかりが語られがちですが、芸術家たちの物理学的な大変な研究があったのですね!
大変勉強になりました。
No.7
- 回答日時:
実際に、オーケストラを聴いていると、今聴いているのは五嶋みどり&ベルリンフィルですけど、これは結構高め、ですね。
これと、先ほどの井上頼豊を比べると、井上先生の方が、すこし低いです。(とはいっても、フジコ・ヘミングのピアノよりは基本のピッチが高いみたいですが。あ、ちなみに井上先生は故人です。弟子の先生方にどうだったかお聞きするのはありかも。)
朝比奈氏のブラームスだと、ちょっと高いかなぁ。(少し気持ち悪い)
ほかの演奏だと、ちょっとそれは全体的に低すぎないかなぁと思うような演奏もあるにはあるので、そういった演奏はたぶん440Hzよりも低い。
むしろ、普通は、440Hzあるいは、(感覚的には)もっと低いピッチで育っているように思うし、それほどの緊張感を求めなければ、それが普通だろうと、私は(勝手に)思うのです。
実際にはプロの演奏だと高いのが多いかもしれませんね。(よくわからないです。ごめんなさい。でも、プレイ・ザ・ピアソラという、CDを今聴いていますがこれはかなり低めです。440Hzないかもしれない。)
「442Hzほどの純正的音楽を聴く(或いは演奏する)と、いくつかの音の音程がかなりずれている」というのは、具体的にいうと、バイオリンを調弦するときは、A=442Hz、純正律(ピタゴラス律)に調弦するわけです。
ところが、このAから五度低いDの音は、440Hz十二平均律のDの音より低い(計算では1Hz)です。これは純正律の完全五度の方が平均律の五度よりも広いからで、さらに低いGは、もっとずれが大きくなり、低くなります。(逆にEはもっと高くなる。)
実際には、私の絶対音感が440Hzよりも低い(たぶん438-9Hzくらい)のため、また違ってきますが、こういった理由で私の耳には、高かったり低かったり、かなり変に聞こえる、ということです。
(でも、altosaxさまがご相談なさっているのはこういうことじゃ、ないですよねぇ。)
たとえばソロでは、演奏家が自由にピッチを設定してかまわないから、適当に好きなピッチで弾くでしょうし、オーケストラでも、それは同じ。(基本的には初めのAはオーボエに合わせるけど、その後実際に演奏するのは別な気がする)
同じ曲の同じ高さの音でも、さまざまなピッチで演奏されています。
井上先生もかなり音程をずらしていますし、Gidon Kremerという人のブラームスのバイオリンコンチェルトでもかなりずれていると思います。(五嶋みどりはそれほどじゃないけど、そういう部分があった気がする)
声楽だと、このところずーっと聴いていない(CDないし)ので、何ともいえないけれど、確かに妙に低く聞こえることもあるかなぁ。カラヤンの第九のテノールも、結構微妙な音程がありますし。
(一度、だれか(たぶん私より耳のいい人)にこの点を聴いてみたことがあるような気がしますが、「そうかなぁ」といわれてしまいました。)
私個人は、たとえば上行形か下行形かのちがい、アルペジオかスケールかの違いなどで、同じ音でも多少音程を変えた方がいいように思います。(まだ全然音程をあわせられないので、それ以上にはやろうとは思いませんが)
本当に、自信がないので、そのぶん割り引いて考えてくださるとありがたいです。
(友人にベースをやる人がいるので、一度リチャードデイビスを聴かせてもらおうと思います。)
たびたび本当に有り難うございます。
なるほど、プロのバイオリン奏者は弦の糸ごとにピッチを変えた調弦をしているという訳ですね。
(その調弦で悪影響が出たら困る音を出さざるを得ない場合には微妙にポジションをずらす特殊な指使いで回避しているということですね?)また本論と外れてしまいましたが、とても好奇心がそそられて楽しく学ばせていただいております。
>オーケストラでも、それは同じ。(基本的には初めのAはオーボエに合わせるけど、その後実際に演奏するのは別な気がする)
そうしますと、くだんの私に指導をした先生などは、ピタゴラスコンマはもちろん1セントがはっきり弁別できて困る、と薄笑いしながら豪語しておりましたので、オーケストラなど聴くにたえないのかもしれないですね。。。
でもそれでジャズ評論家なのだから、さまざまな種類の音楽の持つ魅力の底力であり、また人間のおもしろさでもありますね。
リチャードデイビスの音程は、わたしが感じるには、年を重ねるごとにルーズに変化しており、1950年代は「ジャズマンにしてはましな方かな」と思う程度だったのが1980年代以後になると「果たして正気で演奏しているのだろうか」と心配なほどに思うのです。
ところがくだんの先生は、「若いころは駄目で、こちらの方こそ正真正銘の正しいピッチというものだ」と指導してらしておりました。
No.6
- 回答日時:
#2です。
音階論に入ってしまうとピタゴラスの純正律から始まって……なぜ絶対対位法では3度は不協和音扱いなのかとか、そういう問題に入っていくのですが、今回はそこは置いておくとして。
コントラバスと声楽だけが「気持ち悪い」というわけではなく、さらに特定のコントラバス奏者の特定の演奏と、特定の声楽家の特定の演奏とが、「気持ち悪い」と感じる、ということですよね。
だったら、やっぱりその演奏は「あなたの基準に置いて」ピッチがずれているということです。
だから、むしろ、どういうズレ方があなたには気持ちが悪いのか、という見方をしていった方がいいと思います。
私は古楽が好きですが、リコーダーアンサンブルなどでは、平均率ではせっかくのリコーダーの音色が濁ってしまいます。かといってリコーダーという楽器自体が結構ピッチはいい加減だったりします。で、アンサンブルとは要するに「ひびき」が移り変わっていく音楽であり、そのひびきひびきで演奏者が純正律に寄せてピッチコントロールする、ということになります。が、ひびきではなく「旋律」を重視すべきところでそういうことをすると、旋律の流れとしてはすごく気持ち悪くなったりします。よく言う3度を低めにというのは、相対的なものであって、旋律的に大事な音なら、それがその時の和声の3度の音であっても低めにすると旋律がそこだけへこんで気持ち悪くなります。そこのところのバランスを、その時々でどうするか、そこに、演奏者のクセや感覚やポリシーというものが入り、音楽性の違いになっていくのです。
オケをバックにした独奏楽器や独唱者の場合、埋もれてしまわないようにするために、わざとピッチをずらすことがあります。私の知っているバイオリン奏者は「自分だけ」が高めであることが好みで、それはそれはくっきりとオケから浮かび上がりますが、私の感覚ではすごく気持ち悪いです。でも、それを美しいと感じる人もいるわけです。ですから、「特定の演奏者の特定の演奏」のピッチの取り方は「あなたにとって気持ちが悪い」でいいのではないでしょうか。それで、それが具体的にどういうピッチの取り方だから、が分かるようになれば、もっとよいけれど、それは演奏者レベルで必要なことであって、鑑賞者であれば、そのままでいいように思います。
自分で演奏できるのであれば、さらに、アンサンブルをいっしょにしてくれる仲間がいるのであれば、いろいろ実験してみると面白いと思います。
重ね重ねどうもありがとうございます。
>だったら、やっぱりその演奏は「あなたの基準に置いて」ピッチがずれているということです。
>だから、むしろ、どういうズレ方があなたには気持ちが悪いのか、という見方をしていった方がいいと思います。
そうですね。
音楽は抽象芸術ですが、音程は数学的測定なので抽象的なレベルの話だけでは少しも前に進めないですものね。大変反省しております。
(でも、投稿してご指摘をいただかなければ、この根本的な投稿前にすべき数量計測的確認に気付かないまま悶々としていたところでした...)
レコードなどの演奏ではチューニングメーターも追いつけなくて素人が客観的な測定は無理だと思い込んでいましたが、最近のパソコンの進歩だと、レコード上の計測したい特定の音符の玉だけ録音して抽出できる可能性もあるかも知れませんので、疑問に思った演奏に関しては是非そういう検証をしてみたいと思います。
No.5
- 回答日時:
また#1です
>「440Hzで発声してみよう」などと時々自己チェックで、今日は合格、今日は不合格だ、などとやっている
絶対音感を持っていると言われている人でも、440Hz と 441Hz の違いが識別できるかどうか(相対的でなくあくまでも絶対的に)まで厳密さを求めれば、これを正確に識別できる人はそうざらにはいないでしょう。(ごくごく一部の天性の持ち主だけだと思いますよ。ご存知と思いますが、440と441を交互に鳴らして、どっちが高いか低いか識別するのは相対音感の話で、これは絶対音感ではありません)
もしaltosaxさんがそういう特別な人でないならば、440Hzの自己チェックを毎日続けるより、正確な相対音感を持つ方がずっと重要だと思います。私が先に書いたことは、すべて「相対」の話です。
>そこで、私が少し気にしているのは、正弦波や他の楽器では比較的ピッチを「正しく」認識できるのに、声楽とコントラバスだけ、「絶対にこれが正しい」と絶対音感者さんが指示するものをずれていると感じてしまうことが、「生き物である人間の音感」だから普通に有り得ることなんだよ、と思っていいのかなあ、と心配なのですが、この辺はどうでしょうか?
>(私の脳の知覚が、肉声(それも声楽だけ)とコントラバスの波形のみに異常知覚をきたしている?、という心配があります)
この件に関してはコメントのしようがありません。
altosaxさんがあるりんごを見て赤く感じる赤さ加減が、他人が同じりんごを見て感じる赤と同じかどうか永久にわからないのと同じことだと思います。
>なるほど、声楽をきっちり学んだ一流歌手のみなさんや、超一流のベース奏者は「生物的な脳に心地よいピッチ」ではなく、本当に厳密に訓練されたからこそ、こういう音域的な特殊操作なしの「チューナーと同様一律に機械的百点満点の純正律ピッチ」で歌唱、演奏している、と受け取ったほうがよさそうでしょうか?
いや、逆でしょう。「生物的な脳に心地よいピッチ」で演奏するのが一流の音楽家じゃないですか。
postroさん、どうも度重ねて本当に有り難うございます。
もし、postroさんのお心をさかなでしてしまっていたようでしたら申し訳ありませんでした。
絶対音感の話題になると、どうしてもやはり必ず一度は感情の問題が出てきてしまうのは、どういう訳だか、一種の誇り高き伝統になってしまっている感がありますよね。。。
私の投稿は、単純素朴に、「なるほど確かにこれが正しいピッチというものですね!」と素直に同調できる演奏/歌唱と、「え!これが本当に正確なんですか?」と叫んでしまいたくなるもののギャップがあまりに大きいので、頭がおかしいのかと思う一方で、からかわれていたのではないか、という思いが交錯して真実が知りたいという以外に他意は全くございません。
どうかお許し下さい。
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