『拷問執行人のひそかな快楽は、必ずしも相手の肉体的苦痛を眺めることだけではないのである。肉体の苦痛とともに、相手の精神がよろめき、耐えられるぎりぎりの限界を超え、ついには肉体の共犯者となって屈服してしまうという、その精神の裏切りの過程を眺めるのが愉しみなのである・・・』
これは澁澤龍彦の『エロス的人間』の一節ですが、わたしにとって、これ以上的確に、究極的エロスの様相を表現し得たものを知りません。
エロスとは、「落差」によって生じるものではないか?
気高く誇りに満ちた精神が、肉体(の快楽)に裏切られること、悦びは堰を切って決壊し、精神が肉体の共犯者に堕してしまうこと、その瞬間こそが至上のエロスではないか?
この場合、エロスが成立するために、時間的な流れが必要となります。言い換えれば「文脈」です。
凛とした精神が「肉の共犯者」に堕するために要する時間的経過と変化の過程こそがエロスなのではないでしょうか?
一方で、目の前にある赤裸々な、あからさまな裸体というものには「落差」が存在しないが故に、そこにエロスは発現しない。
エロスーエロティシズムとは、この人間の「変化」(または昆虫に見られるような「変態」)にそのエッセンスがあるように思うのです。
皆さんの極私的エロス(変態)論をお聞かせください。
A 回答 (13件中11~13件)
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No.11
- 回答日時:
blueさん。
まるで回答になっていない10番に丁寧なお礼をいただきありがたうございます。
>『拷問執行人のひそかな快楽は、必ずしも相手の肉体的苦痛を眺めることだけではないのである。肉体の苦痛とともに、相手の精神がよろめき、耐えられるぎりぎりの限界を超え、ついには肉体の共犯者となって屈服してしまうという、その精神の裏切りの過程を眺めるのが愉しみなのである・・・』
:これはたとへば取調室における刑事と容疑者のやりとりのやうなものですか。容疑者の【リビドー】が【タナトス】に【変態】する様子を眺める刑事が【勝利に酔いしれる】様子のやうなものですか。徐々に相手を征服する過程を楽しんでいる様子のやうなものですか。ということは突如として目の前に現れた勝利ではないにせよ、勝利に向かう過程を楽しんでいるのですよね?相手が徐々に【コウフク】し自分が徐々に【勝利】する過程に【コウフク】を感じている状態を指しているのですよね?
確認です。間違いがあれば訂正してください。
たとへが悪いかもしれませんのでほかのたとへ話を試みます。
たとへばミルフィーユに、齧り付く!のではなく、ミルフィーユの皮を1枚ずつ剥がしながら食すときのやうな感じですか。いえ単純に質問しています。深い意味はありません。
たとへば玉ねぎの正体をしりたくて、これまた1枚ずつ皮を剥がすときのような感じですか。
それともナメクジに少量の塩をかけて浸透圧によりナメクジの体内の水分が枯渇していく様子をじっくり眺めるやうな感じですか。炎天下のミミズが徐々に干物に変態していく様子を眺める感じですか。
いやすみません。僕は眺めるのがわりと好きなんです。ドジョウがザリガニに切り刻まれ食べられる様子を眺めるのとか、トノサマガエルが昆虫を食す姿なんてのは本当に美しくて惚れてしまひます。
ちょっと寄り道するんですけどね。僕は数年前トノサマガエルをガチで飼育したことがあります。ガチで飼育したのは僕ではなく息子なんですけどね。飼育の仕方はOKwaveで質問して教えてもらいました。カエルは生きている虫!しか食わない!のだそうで、その日からトノサマガエルの【エサ】である【生きている虫】を僕と息子は採集することにしたんです。昼間はテントウムシや芋虫などを捕獲し、夜は防犯灯の下で蛾や蜘蛛を捕獲したのでした。捕獲した虫たちを同時に水槽に投入した結果、面白い光景を観ることができました。芋虫は溺死し、蛾は蜘蛛に食べられ、その後、蛾を食った蜘蛛がカエルに食われたのでした。僕はずうっと眺めていました。実に愉快なシーンでした。
エロスから離れてしまい申し訳ありません。ついで、というのも図々しいのですが、もう少し話してよいですか。よいと言われなくても話すけど。
【切腹】に【介錯】という姿は、あれはあれで美しいと思ひます。
今回もまるで回答になっておりませんがそのまま送信します。変態が思った通りに書きました。
こんばんは、瀬里香さん。
>相手が徐々に【コウフク】し自分が徐々に【勝利】する過程に【コウフク】を感じている状態を指しているのですよね?
厳密にいうと、自分が相手に勝つことではなく、澁澤の文章にあるように、彼・彼女の肉体が、精神に勝つ、という、目の前の他者の内部での一連の変化の過程を愉しんでいます。勝つのは肉体=本能的な生、破れるのは彼・彼女の自我ということだと思います。
もちろんそのように仕掛けているのは拷問者であり、刑事であるのですが、精神性というものが、肉=(身体)といういわば身も蓋もない「物自体」に飲み込まれるその刹那に、エロス的人間は快感を覚えるのです。
ミルフィーユや玉ねぎ、ナメクジ、というのは一見近いように感じますが、上に述べたように、エロスは肉と精神の相克の様相の上に生じるものと考えられるので、そこに何らかの「相克」「葛藤」が存在せず、単に漸進的に裸形に近づいてゆく、或いは崩れてゆくこととは違うように思います。
何の本に書いてあったのか忘れましたが、(変態の本ではありません(笑))
サディストがマゾを責めても面白く感じないそうです。それは単にMを喜ばせるだけだからです。
こんなジョークがあります
M-叩いてくれ!
S-いやだ!
>【切腹】に【介錯】という姿は、あれはあれで美しいと思ひます。
あれは一種の「型」ですからね。
浅野内匠頭の切腹は庭で行われたということで、広島の浅野本家から抗議があったということですが、
あれが本来の大名の切腹である畳の上での切腹ということになると、ちょっとまた情緒に欠けるような気がします。映画などでは櫻の花びらの散る中で切腹が行われ、内匠頭は辞世の句
「風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残(なごり)を いかにとやせん」
を読みます。大名の処遇として相応しくないとはいえ、のちの芝居や映画などには、庭の方がよかったようです。
ご回答をありがとうございます。
No.13
- 回答日時:
戦いとは、「勝敗」を決めることか?の質問でneutralingよ、あなたが19番に、
>>ははっ。誰にともなくとか言っちゃって、
>>実は主に19番へ。(*´▽`*)/☆
と、書いてくださったので、参考にしたいのですが、独特の世界観で述べられているので、理解できません。
常識の世界観で書き直していただけませんか。
先のあなたの回答について、特に不愉快な思いをしたということはありませんでした。
ここであなたとneutralingさんが諍いを始めるとは思いませんが、潮時かなと思い締め切らせていただきました。
我ながら要点が絞り切れていない中途半端な質問になってしまったようです。そのような事情も含め、悪しからずご了承ください。
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わたしは画家バルテュスの兄で、画家であり作家・思想家のピエール・クロウスキーに惹かれるのです。
回答No.1のコメントに関連して
セクシュアリティに、エロスに「正常」-「異常」という概念があるのでしょうか?
「ある」とするならば、その境界線とはどこにあるのでしょうか?
またそういってしまえば、アートも、文藝も、哲学すらその立脚点を失ってしまうことになるのではないだろうかという危惧があります。
付言するならば、「性」に於いて、
人は「生(き)のままの性」で充たされ得るのか?そこになんの装飾もなく、文脈を施すことなく、目の前の即物的な「裸形」に、果たして、性的魅力を感じることができるのか?「できる」という答えには、わたしはただ絶句するのみです。
青蛙ではなく
「あまがえる お前もペンキ 塗りたてか」
でした。