■屋内の少し暗い場所で撮影するコツ
卒業式や卒園式、入学式や入園式は、屋内で実施されることもある。天気が良ければまだしも、うす曇の日の少し暗い屋内でのスマホ撮影は難しそうだ。うまく撮影するコツはないのだろうか。
「スマホは基本的にはオート機能で撮っているので、大抵は問題なく撮れます。でもちょっとしたコツを知っていると、もっと上手に撮影できますよ。例えば、スマホで撮影する場合でも、明るさを調整する、すなわち『露出をコントロールする』ことで、少し暗いなと思う場合でも、明るく撮ることができるのです」(田村さん)
スマホのカメラで露出補正とは、なんと本格的なのだろう。具体的なやり方を、「iPhone」と「Android」それぞれについて教えてもらった。
「まずiPhoneの場合は、画面をタッチすると黄色の四角が出てきます。画面を通して見える暗い(黒っぽい)部分をタッチすると画面が明るくなり、明るい(白っぽい)部分だと暗くなります。撮りたい被写体にピントを合わせタッチし、そのまま画面を長押しするとロックがかかります。空いている画面上のスペースで指を上下させると、明るくなったり暗くなったりするのですが、これが『露出』をコントロールするということです」(田村さん)
続けてAndroidについても聞いた。
「Androidの場合も、機種依存はありますが、露出を変えられる端末もあります。操作方法やマーク、記号などは、機種ごとに異なりますが、『その他の設定』などでEV『露出』をプラスにすれば明るくなり、マイナスにすると暗くなります」(田村さん)
ここまでのテクニックだけでも、今までより凝った写真が撮影できそうだ。
■曇った屋外で少しでも明るく撮影したい場合のコツ
続けて曇った屋外での撮影のコツについても聞いてみた。
「実は、人物撮影は晴天よりも曇りの方が、光が柔らかいため適しています。顔に影ができませんし、白く飛びすぎたりもしません。また、眩しくて目を細めたりしなくても済みます」(田村さん)
晴れ舞台の日が曇りでがっかり……と思うかもしれないが、写真撮影という観点からは実はラッキーだったのだ。
「屋外の人物撮影は、被写体の立ち位置を考えることがとても大切です。曇りの日の屋外では、建物や木の影にならない明るい場所に立ってもらうことを心がけるとよいでしょう。それでも暗い場合は、先ほどの露出補正をすることも有効です。女性は、やや明るめに撮ってあげる方が綺麗に映るので喜ばれますよ」(田村さん)
逆に、晴れた日は日陰などの直射日光が当たらない場所や、太陽にやや背を向けた半逆光がおすすめとのことだった。
■ワンランク上の写真を撮るテクニック
最後に、ワンランク上の写真が撮れるテクニックについて教えてもらった。
「構図を考えて撮ると、写真の雰囲気が変わります。カメラのグリッドをうまく使い空間を生かした構図で撮ると、グッと洗練された印象に仕上がります。具体的には、『被写体を、あえて右寄りや左寄りにしてみる』、『縦、横、真上などから撮ってみる』、『撮った後、トリミングしてみる』などの方法が挙げられます」(田村さん)
今まで、構図など気にしたことがなかったという人も、今後は意識してみてはいかがだろうか。
スマホだけでうまく撮れれば、カメラを持ち歩かないで済むため、荷物が減るのはもちろん、すぐに家族や親戚などにシェアできるという点も大きなメリットだ。ぜひ、教わったテクニックを活用してみては。
なお、「教えて!goo」では、「スマホで写真を撮る際、うまく撮れるようにしている工夫は何かありますか?」ということで、皆さんの回答を募集中だ。
●専門家プロフィール:田村 ナナ子
(株)ビッツアンドピーセズ 主宰。photonana 写真教室主宰。大手広告代理店を退職後、世田谷界隈に暮らす女性たちのライフスタイルを、おしゃれな写真を中心に紹介するブログ「setagaya*mama」をスタートさせる。その後始めた「あなたのスマホ写真が劇的に変わる」スマホフォトレッスンが好評を得て、講師として活動中。