■ゴールドとは一味違った3つの特典
まず、プラチナカードとはどのようなカードなのか聞いてみた。
「プラチナカードは、ゴールドカードのさらに上を行くステータスのあるカードです。カード会社によって年会費が2万円前後~15万円と幅広く、サービス内容もさまざまです。入会方法も、招待がないと作れなかったり、自分から申し込んで審査に通過すれば作れたりと、カード会社によって違います」(菊谷さん)
年会費も審査方法も、かなりの幅がある印象だ。では、どのような特典があるのだろう。
「プラチナカードは、『プレミアムカード』と呼ばれることもあります。ANAカードのプラチナクラスは、『プレミアムカード』に該当します。よくあるプラチナカードの特典としては、『プライオリティ・パス』という海外空港VIPラウンジパス特典、コンシェルジュが使える特典、コース料理が1名無料となるグルメ特典の3つの特典です。もちろん、旅行保険の補償グレードもアップします」(菊谷さん)
ちなみに「ANA VISAプラチナ プレミアムカード」を持つ場合、30歳以上で年収が700万円以上、月額で44万円以上の安定収入があることが発行条件で、年会費は8万4000円(税込)となるそうだ。
■プライオリティ・パスとは
気になる特典について、まずはプラチナカード全般に付くプライオリティ・パスについて詳しく聞いてみることにした。
「海外空港のVIPラウンジが年間に何度でも使えるプライオリティ・パスは、非常に魅力的です。以前紹介したアメックスゴールドでは、無料で使えるのが1年に2回と制限がありましたが、プラチナカードは制限なしで利用できます。対象となるラウンジは、なんと世界に1,100箇所以上もあります」(菊谷さん)
海外空港のVIPラウンジとは、実に優雅な響きである。
「ラウンジによってサービスは異なりますが、私が利用したロンドンのヒースロー空港やカタールのハマド空港では、ホテルのビュッフェのような食事が利用できました。イスラム圏ではお酒は出ませんでしたが、ヒースロー空港ではワインやビールも用意されていました。世界各地のラウンジを楽しみに旅行する人も多いのではないでしょうか」(菊谷さん)
実にセレブ感満載の特典といえよう。海外旅行や出張に行くのが、楽しみになりそうだ。
■専属コンシェルジュも
あと2つの特徴的な特典についても、教えてもらった。
「コンシェルジュというとあまり聞きなれないかもしれませんが、日常に一人、秘書のような存在がついてくれるサービスのことです。例えば、『家族旅行の交通手段とホテルを確保して欲しい』、『仕事の会食があるので個室のある店を手配してほしい』などのリクエストに、コンシェルジュが応えてくれます。このコンシェルジュはカード会社によって、レベルが異なります」(菊谷さん)
「ちょっとコンシェルジュにお願いしてみる!」なんてことも実現できてしまう、スゴすぎる特典だ。最後にグルメサービスについて聞いた。
「『2名以上でコース料金1名無料』というグルメサービスも、新しい飲食店を開拓したいグルメな人におすすめの特典です。1名1万円前後する指定の高級レストランを、2名以上で予約すれば1名分のコース料金が無料になることもあり、お得です」(菊谷さん)
プライオリティ・パス、コンシェルジュ、そしてこの食事の特典と、トータルに見ても、プラチナカードは、日常が便利で豊かになる特別な特典があるカードであることが判明した。
ブラックカードは無理でも、プラチナカードは申し込みで入会できるものが近年増えているという。家族カードの発行も無料が多いということなので、いつもの生活に彩りを加えたい人は、夫婦や家族で所有してもいいかもしれない。
●専門家プロフィール:菊谷 彩加
自分にぴったりの「クレジットカード」を見つけ出すことができるサイト「ナビナビクレジットカード」編集部員。クレジットカードを研究して12年。監修記事は300以上におよぶ。JALカードをメインに10枚のクレジットカードを使い分け、クレジットカードライフを満喫している。