■お墓を建てる手順1:墓地を探す
先程の質問について、葬儀や埋葬について詳しい心に残る家族葬というサービスを運営している葬儀アドバイザーにお墓の建て方を聞いてきた。
「お墓を建てるなら、墓地以外にお墓は建ててはならないという法律がありますので、その墓地を探すところからスタートします。(墓地の候補は上述の通り)墓地が決まった後は墓地使用契約書を交わします。墓地使用契約書は、その土地を買うのではなく借りることを意味します。そして永代使用料を払います。これは初期費用のようなものです」(葬儀アドバイザー)
お墓を建てる総額費用の相場は200〜300万と言われており、その中には永代使用料も含まれている。全国的な平均は70万円程度だが、永代使用料は地価に比例するので、東京の一等地であれば、1平米あたり数百万はくだらない。
■お墓を建てる手順2:墓石の購入
墓地が見つかったら次は何をするのだろうか。
「次は石材店で墓石の購入です。デザインや使用する石材の材質、産地、大きさ、建立の手間などで費用が上下します。注文が完了すれば、おおよそ1〜2カ月程度でお墓が完成します」(葬儀アドバイザー)
墓石の相場は120〜150万程度と言われている。ここには墓石本体だけでなく、外柵や工事費なども含まれている。
■お墓を建てた後にかかる費用
最後はお墓を建てたあとにかかる費用について伺ってみた。
「墓地の年間管理費、開眼供養や納骨の法要のお布施、卒塔婆、お供え物、お墓参りのお花やお線香、お墓のメンテナンス(掃除や補修)、寺院墓地かつ檀家になった場合の入檀料などのお布施です」(葬儀アドバイザー)
お墓は建てて終わりではない。建てた後のコスト(お金や時間)も忘れてはならないだろう。
■埋葬における「お墓を建てる」という優先順位
お墓は建てるのは当然だが、建てた後にもそれなりの費用がかかる。この事実だけでお墓以外の選択肢が増えてきたことに納得だが、それ以外にも幾つか理由がある。まずはお墓の維持管理が大変な点だ。お墓は祭祀財産として代々継承していかなければならないが、少子化で継承者不足に陥っているのだ。また仮に継承者がいたとしても、遠方で手入れに行くのが大変であったり、そもそも継承者が高齢者で難しいということもあり得る。問題が悪化すると、最悪無縁墓となり管理者判断で撤去される。
こういった現状を見抜いた民間の一部は、お墓参りや墓掃除の代行を大々的に行っている。まさしく隙間産業だ。また改葬(お墓の引っ越し)や墓じまいの手続き代行業者も続々と生まれている。
「お墓を建てる」という選択肢は、他の選択肢が増えたことで見劣りしているのではない。時代に即していないだけなのだ。お墓なんかいらないと考える人はいるだろうが、もし「お墓を建てる」ことが今以上に自由度を増したり、格安になったら、埋葬の第一の選択肢に舞い戻ると筆者は考えているがどうだろうか。
●専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー
家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を14万3000円から全国で執り行っている。
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