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お金の専門家に聞いた!副業解禁、月額でいくら稼げたら本業を辞める判断をするのか?

お金の専門家に聞いた!副業解禁、月額でいくら稼げたら本業を辞める判断をするのか?2018年は副業解禁元年ともいわれ、令和になった現在は、副業を公式に認める企業が増加傾向にあるという。これまで副業は、「就業規則で禁止されている」というのが、むしろ当然という風潮であった。しかし、政府も「働き方改革」の旗印のもと、多様な働き方を容認する社会へと方向転換を図っている。実際に副業を大なり小なりスタートさせる人は増えつつあり、大きな収入を得る人も出はじめている。そうなると、実質的にどちらが本業なのか分からなくなってくることもあるだろう。「教えて!goo」にも「本業、サラリーマンをせずに副業のみでずっと生きてくのは至難ですか?」という質問が投稿されていた。そこで今回は、「副業でどのくらい稼げたら本業を辞める判断をするのか」をテーマに3つのアンケート結果を交えつつ、お金の専門家である武藤英次さんに話を聞いてみた。

■現状の収入に満足できない人は6割、スキルアップ目的は1割強


そもそも副業をしてみたい理由は何であるのか。今の収入に不満という人が6割を占めるいっぽうで、なんとなくやってみたいという人も3割に迫る。なお、1割強と少なめではあるが、自分のスキルを伸ばしたいという人も存在するようだ。
Q-副業をしたい理由は?

「副業の最大の魅力が『現状の収入にプラスαできる』ことにあるのは間違いありません。かつてのように終身雇用による右肩上がりの収入が見込みづらいため、副業に収入アップを求めるのは自然な流れでしょう。また、これまでは残業代を加えることで高収入を確保していたケースもありましたが、現在は時短ブームで過度の残業は排除される傾向です。退社時間が早まった分を副業で埋めるという流れは必然の成り行きかもしれませんね」(武藤さん)

副業でスキルを伸ばすという観点については、どう見るのだろう。

「自社にいながらでは難しい分野を副業で経験したり、将来の独立を見越してスキルを磨いておくというパターンもあるでしょう。副業であれば、実践的なスキルを磨きつつ、副収入を得ることができるので一石二鳥ですね」(武藤さん)

副業でスキル磨き、本業でステップアップするという可能性もあるだろう。

■現在の月収超えが本業を辞めるボーダーライン?


副業の月収が30万円、40万円と伸びていくことは、決してありえない展開ではなく、スキルとタイミングが合致すれば100万円超クラスの大型受注も夢ではないそうだ。こうなると「いっそ副業を本業に」と考えるのも不思議ではない。そこで「副業で月収いくら稼げたら本業を辞めるのか」と質問してみた。
Q副業で月額いくら稼げたら本業辞める?

「企業勤務では、厚生年金、健康保険、住宅補助、福利厚生などにおける、有形無形の恩恵に加え、一定の収入が保証されている点が非常に大きな意味を持ちます。『独立には、従来の年収の3倍は必要』という声を耳にしますが、上記のようなメリットを投げ捨てるには3倍の収入を得なければ釣り合わないようです」(武藤さん)

年収が3倍にならないと、やはり会社は辞めるべきではないのか。

「個人的な意見としては年収の3倍というのは絶対必要条件とまでは思いません。実際のところ、独立すると支出が減るケースは多いです。例えばブラック企業勤務などで、精神的に消耗している場合には、3倍理論にこだわる必要はないと考えます。生活を維持できる程度の収入を確保できるなら、ブラック企業から逃げ出す選択は決して間違いではないでしょう」(武藤さん)

ブラック企業から逃げ、新たなスタートを切るきっかけにもなりそうだ。

■フリーランスは時間の自由が魅力と感じている人が多数


フリーランスのメリットを問う設問についても聞いた。「時間」&「決裁権」だけで回答の7割以上を占める結果となった。
Qフリーランスのメリットって?

「フリーランスが時間に縛られなくて自由で、決裁権が自分にあるというのは、あながち間違いとはいえません。就業規則はありませんから、自分の好きな時間に働くことができます。また、業務命令に嫌々従う必要もなく、自分の裁量で仕事を選ぶことも可能です」(武藤さん)

ただし、フリーランスの自由な印象にあこがれて本業を辞めて飛び込んだ人でも、3年目くらいに再就職をする人が多いそうだ。実際には、収入の不安定さや先行きの不透明さというプレッシャーに負けてしまうことも少なくないらしい。フリーランスは、企業勤務とは違った意味での「メンタルの強さ」も必要とのこと。

「ちなみに現状の業務に関連する副業の場合、『在職中の秘密保持義務』に抵触しないように留意する必要もあります。過去には裁判で秘密漏洩が認定され、懲戒解雇が有効とされた事例もあるので、節度を守る姿勢も大切です」(武藤さん)

副業の広がりは歓迎すべきことだが、勤務中の会社に迷惑をかけないことは最低限の条件としてわきまえたい。

終身雇用制度が崩壊しつつある現代社会においては、副業という選択肢についても真剣に考える必要がありそうだ。まずは、本業の負担にならない程度の仕事から、はじめてみるのもよいだろう。

●専門家プロフィール:武藤 英次(むとう えいじ)
カードローンに関する疑問や悩みを解決するサイト「なるほどカードローン」「ナビナビキャッシング」の執筆および監修を担当。地方銀行勤務時にはファイナンシャル・アドバイザー担当を含めた多様な実務経験を積む。現在は大手不動産企業、信用金庫等、幅広く金融や不動産等に関わる記事を多数執筆している。
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