特濃メンツで贈る極上の笑劇!山寺宏一×水島裕×三石琴乃に公演直前インタビュー!
──三石さんは、今回がラフィングライブ初参加になりますね。
三石:はい、初めてです。参加させていただきとても光栄です!
水島:誘ってくれたのは山ちゃんですよね。
山寺:僕は琴ちゃん(三石さんのこと)と共演が多く付き合いも長くて、これまでも何度か琴ちゃんの舞台を観ていたのですが「うちの芝居にピッタリなんじゃないか」と思っていました。いつかお誘いしようと考えていたのですが、今回ようやくそれが叶いました。
水島:でも山ちゃん、以前、琴ちゃんに失礼なことしたんだよね。「こういう芝居やっているんだ」とラフィングライブのチラシを渡しておきながら「もうチケットないんだけど」って(笑)。
三石:チラシを見て「おもしろそう!」と思ったのにチケット完売で。第1回公演のときでしたよね。
山寺:そのときのせいで、琴ちゃん、あとの3回の公演も観に来てくれなくて……(涙)。
三石:すみません!きっと会場いっぱいなんだろうなと思って(笑)。
山寺:でも今回、出演の誘いを受けてくれてよかった。
三石:コメディ大好きなんです。以前、仲間と立ち上げた劇団でコメディをやったことがあって「楽しいな、またやってみたいな」と思っていたので、今回お声がけいただいて「よし来た!」という気持ちでした。
──今回の作品では、それぞれどのような役柄を演じているのでしょうか。
山寺:僕はイギリスの与党の副大臣リチャード役。国会そっちのけで野党党首の秘書である若い女性とホテルで密会しようとするのですが、それがバレそうになって他人を巻き込んで嘘をつきまくるという、エゴイストを絵に描いたような男です。
三石:私が、そのリチャードの妻パメラで……。
水島:僕がリチャードの秘書のジョージを演じます。
山寺:リチャードは、自分のために一生懸命奔走してくれている人をことあるごとに罵るようなひどい男ですが、観客の方には「なんとなく憎めないな」と思ってもらえるよう演じたいですね。ただ、演じていると僕の中にあるエゴイストな部分がくすぐられて気持ちいいんですよ(笑)。
水島:ラフィングライブでは罵られる役は僕が一手に引き受けています。今回は副大臣とその秘書という、立場の上下がはっきりした関係ですから罵りやすいと思いますよ(笑)。
──三石さんは、そんなリチャードに浮気されてしまう役なんですね。
三石:ええ。そして、リチャードが浮気相手と密会しようとしているホテルに突然押しかけてしまうんです。そこで密会がバレないようにジョージが体を張って隠そうとするんですよ。
山寺:そのふたりがとんでもない関係になりそうだというのが、今回のおもしろいところですね。プロットだけ聞くと「そんなバカな!」と言いたくなるんですが、それを成立させてしまうのがレイ・クーニー作品の醍醐味。今回、琴ちゃんは僕の奥さん役ではあるのですが、ストーリー的には(水島)裕さんとの絡みが多いんですよ。
水島:僕と琴ちゃんは共演するの今回が初めてですよね。声の仕事でも同じスタジオで一緒にやったことはないんじゃないかな。
三石:アニメ『全力ウサギ』に裕さんがゲストでいらしたことはありますが、レギュラーでは確かにないですね。
山寺:ほぼ初絡みであんなことやこんなことまで……。
水島:男女の絡みのシーンは慣れないのですが……頑張ってます!
──ラフィングライブとしては、レイ・クーニー作品を上演するのが今回で3作目になりますね。どこに魅力を感じますか?
水島:やっぱり脚本がおもしろいんですよね。楽しいし、キャラも立っているし。それに、おじさん二人が七転八倒する話ってあまりないんです。だから僕らがおもしろいコメディをやろうとするとレイ・クーニーに行きついてしまう。
山寺:もとの作品性が優れているというのもあるのですが、小田島雄志さんと小田島恒志さんの翻訳の力も大きいですね。脚本を読んでみてしっくりきて自分たちでやってみたいと思うのが、レイ・クーニーの作品であり小田島さんの翻訳なんです。
三石:笑いや言葉遊びのセンスも素敵だと思いますし、行き違いからくる噛み合わないやり取りのおもしろさや、嘘に嘘を重ねて事態を悪化させてしまうところなど、人間の滑稽さや浅はかさをコミカルに描いているのが魅力的ですね。一度やるとクセになってしまいます!
──脚本の密度も濃いですが、出演者も濃くて素敵な方ばかりですよね。
水島:そうなんです。その中でも僕らが「特濃トリオ」と呼んでいるのが、岩崎ひろしさん、斎藤志郎さん、斉藤こず恵さん。これまでそのうちの二人が出演されたことはあるのですが、ラフィングライブの公演で三人が顔を揃えるのはこれが初めてなんです。僕らは「混ぜるな危険!」みたいな三人と言っているんですが、今回はそれを混ぜてしまったわけで……。
山寺:いい意味で見た目も芝居も人柄も濃いですからね(笑)。
三石:稽古でも、彼らが登場するたびに持っていかれてしまう気がします(笑)。
水島:この三人が出演している舞台はおもしろくないわけがない!ぜひ楽しみにしてほしいですね。
──最後に、読者へのメッセージをお願いします。
山寺:作品の舞台が1980年代で、まだスマホなどがない時代。だからこそいろんな行き違いが起こるんですよね。若い人にはある意味新鮮なんじゃないかな。「そんなバカな!」というストーリー展開なのですが、「あると言えばあるかも」と思わせてくれて、それが笑いにつながっていく。ただギャグで笑わせるのではないところがこの作品のおもしろさですよね。
水島:スタッフがすごく頑張ってくれて、セットが凝っているのも楽しみにしてほしいですね。
三石:どこかドリフ的なところがありますよね。私の中では「ドリフをやろう!」って思っています(笑)。
山寺:もともとホテルで浮気しようとする男の話なので、「セクシー」なシーンもありますし!
水島:とにかく笑いに来てください!ここまで開放的な気分で大笑いできる場所ってなかなかないと思います。年末ですし、年忘れも含めて大いに笑って楽しんでいただけると嬉しいですね。
取材時は、運よく稽古場にお邪魔して出演キャストが稽古に励む様子を垣間見ることができたが、まさに抱腹絶倒のおもしろさ。その演技を真剣な眼差しで見つめながら細かいダメ出しをする演出家の野坂さんと、時にディスカッションしながらそれを演技に取り入れて進化させていくキャスト陣の真摯な姿が印象的だった。そんなキャストとスタッフの熱い想いと笑いが詰まった「Out of Order」、演劇好きの人も、あまり演劇を観たことがないという人も、ぜひ劇場に足を運んで楽しんでみて!
●ライフィングライブ 第五回公演「Out of Order」情報ページ
教えて!goo スタッフ (Oshiete Staff)
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