
■コタツで水虫感染する理由
まずは水虫の原因についておさらい。答えてくれたのはシロノクリニック銀座院の笠井美貴子副院長だ。
「水虫の原因は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種です。この白癬菌が皮膚に感染することで、水虫が引き起こされます。白癬菌は常に私たちの体に存在している『常在菌(じょうざいきん)』ではなく、外からやってくる『非常在菌』であるため、水虫は外因性の感染症に分類されます」(笠井先生)
水虫についておさらいできたところで本題だ。コタツで水虫に感染することについて聞いた。
「水虫の原因である白癬菌の感染リスクが高いのは、水虫患者が靴を脱いで歩く場所です。ジム、プール、飲食店の座敷などはもちろん、家庭内でも感染の危険性があります。水虫にかかりやすいのは、温度と湿度が高いときです。コタツ布団の中では足が蒸れやすくなるため、水虫が増殖しやすくなります。ちなみにブーツも足が蒸れやすくなるため、水虫に感染している可能性がある状態でブーツをはいていると、水虫の発症は大いにありえます」(笠井先生)
たしかにコタツのなかは、熱がこもって蒸れやすい。家族で水虫にかかっている人がいれば、コタツを介して感染は当然とも言える結果である。また、すでに水虫に感染している人がブーツで足が蒸れ、水虫の症状が出てしまうというのも納得である。冬場に水虫対策が必要なことはこれでよく分かった。
■コタツを介した水虫感染を防ぐ方法
リスクが分かったところで、コタツを介した水虫感染を防ぐ方法はないのだろうか?
「まずは、身近に水虫患者がいないかが重要です。患者がいる場合はきちんと治療を行い、床やバスマット、こたつ布団はこまめに掃除・洗濯しましょう」(笠井先生)
身近に水虫患者がいない場合でも、油断は大敵だという。
「身近に水虫患者がいない場合でも、不特定多数の人が靴を脱ぐ環境に行けば、菌をもらってしまいます。靴を長時間履くのを控え、裸足で過ごしたり、帰宅後はすぐに足を洗ったりお風呂に入ったりすることで、感染を防ぐことができます」(笠井先生)
なるほど。素足をキレイに保つことがキーポイントになるようだ。
■ブーツでの水虫発症を防ぐ方法
「蒸れやすい環境を減らすため、可能ならオフィスなどではサンダルに履き替えるのがベストですね。靴の中の白癬菌は、しばらく生存し続けるため、毎日同じ靴は履かず、きちんと乾燥させることが重要です」(笠井先生)
靴を何足か用意し、用途別にこまめに履き替えることも大切かもしれない。
水虫は一度なってしまうと、症状によっては完治しづらいといわれている。水虫にかかってしまった人も、水虫に気を付けている人も、ぜひ医師のアドバイスを参考に対策と予防に役立ててほしい。
なお、教えて!gooウォッチでは「人間以外の動物も水虫になる?人間の水虫は動物にもうつる?」という記事も公開中。気になる方は、併せてチェックしてみて。
【取材協力】
・シロノクリニック
・笠井美貴子医師