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<特集・和田亮一/第2回>仲間の意識を上げるため、背水の陣を敷いた劇団PEACE

意識を上げるため背水の陣で駆け抜けた劇団PEACE時代前回の記事で「学生時代の友人に誘われて観た舞台『レ・ミゼラブル』に衝撃を受け演劇の道を志すようになった」とお話をいただいた和田亮一さん。今回は、あの『GHOST IN THE BOX !(ゴースト・イン・ザ・ボックス)』を上演した、劇団PEACE時代を中心に話を伺った。

■劇団立ち上げのきっかけは舞台を作りたいという熱


――『GHOST IN THE BOX !』を上演した、劇団PEACEを立ち上げるきっかけを教えてもらえますか?

大学で芝居をはじめて、明治大学の「活劇工房」という老舗の演劇サークルにも所属していました。そこで仲間たちと自主公演をよくやっていて、その当時から脚本や演出をしていたんです。大学卒業後、就活という道もあったんですが、役者でそれなりにやっていけるんじゃないかと思ってしまい、活劇工房出身の先輩がやっている劇団に入りました。

――役者としての下積み時代があったんですね。

しばらく役者としてそこに所属していたんですけど、やっぱり自分で作りたいという熱のほうが強かったんです。24歳のときに劇団を抜け、自分の劇団を立ち上げました。

■意識が上がらない劇団員に対し苛立っていた日々


――劇団を立ち上げた際の、苦労話などはありますか?

苦労話で言えば、その当時から演劇というか小劇場の仕組みがあまりよくないなと思っていました。ノルマのお金を払って役者が舞台に出るといった仕組みが、ずっと嫌だったんです。それで、劇団員が十数名いたのですが、給料をこちらが払い、ノルマなどを課さない仕組みで劇団を運営することにしたんです。要するに、「給料をこれだけ上げるから、これだけのお客さんを呼んでね」っていう仕組みを劇団でやってみたんです。

――それは、劇団運営としては、かなり革新的なことなのでは? 結果は、どうだったんですか?

結果としては、失敗でした。ノルマを課せられようが、給料をもらって頑張ってねと言われようが、やっぱりそういう劇団員って同じだったんですよね。

――つまり、ノルマをこなすことに違いはないと?

はい。どちらにせよ結局、お客さんは呼べないんですね。そういうスタンスでは、頑張れないということに気が付いたんです。ですので、もちろんお金にも苦労はしたんですが、それよりも意識ですかね。みんなの意識が上がっていかないことに、ずっと苛立っていました。

■3年間で目標達成できない場合には解散すると明言


――劇団員の意識がなかなか上がらない状況を、どう打破していったのですか?

もう、「やるしかない!!」と思っていました。僕は、最初から「3年の間に1つの公演で3000人の集客を達成したい」という明確な数字を掲げていました。目標を達成できなかったら、解散すると決めていたんです。劇団員にも3年間で数字達成できなかった場合には、劇団は解散するから、みんな就職しろと公言もしていました。

――まさに背水の陣ですね。その結果、どうなったのでしょうか?

その3年間であり得ないくらいの公演数を重ねてガンガンやってたんですけど、結果、その数字に届かず……。スパッと解散したんです。

■経営者ならではのツラさも


――その他にも、何か苦労されたことはありましたか?

埼玉県の三郷市という場所に、劇団の倉庫を持っていたんですが、40坪くらいの結構広い倉庫だったんで、そこに舞台セットを立て込めるようなカタチにして稽古できるようにしていたんです。三郷市って、新宿から電車でだいたい1時間50分かかるんですよ。

――それは、遠いですね。

めちゃくちゃ遠くて、正直、通うのがツラかったです。普通の劇団って、いろいろな場所を転々として稽古しているんですが、ウチは家賃払って自分たちのスタジオを持っていて環境には恵まれていました。でも劇団員が「遠い、遠い」って文句ばかり言うんですよ……。「こんなに恵まれている環境はないのに、遠いって言うな!」ってツラさはありました。

――経営者ならではのツラさがあった時代なんですね。


和田さんの多動力の原点は、この劇団時代に培ったものが多いということが垣間見えた。次回は、いよいよ和田さんの仕事論について聞いたみたいと思う。



和田 亮一(わだ りょういち)プロフィール
和田亮一脚本家・演出家として舞台・イベントを中心に数多くのエンターテインメイントを創作する。養成所での講師、ウェディングや企業の表彰式など、枠にとらわれず数多のイベントの構成、演出、プロデュースを手掛ける。2014年それまでのアングラなイメージであったラップという文化を「学校で学べるもの」と一新し、“新たなコミュニケーションの形”・“教育の形”として多数のメディアに取り上げられる。世の中に現象を生み出し、常に新たな文化を作り出すことを信念にしている。2018年社会現象となった映画『カメラを止めるな!』の原作を手がけた。現在はIT企業の役員、スタートアップの創業支援など行っている。2019年4月に、リアルを超えた世界で、夢を実現させるVRプロダクションマボロシを設立。最近では、カナダ人落語家 桂三輝(サンシャイン)のNYブロードウェイ公演応援プロジェクトをスタートさせるなど、精力的な活動を続けている。
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