■話が長い人は3タイプ、切り上げてはいけない話もある?
話が長い人には3タイプあるという。
「特徴として『詳細に伝えたい』『話好き』『話をまとめるのが苦手』が挙げられます。ただ、どのタイプの方も、悪気があるわけではありません」(石黒さん)
心当たりがあるという人も多いのでは。石黒さんは、話が長いからとそれが無駄話とは限らないともいう。
「特にビジネスシーンでは、話が長いのが無駄話に値するとは限りません。相手が上司の場合『自分で考えてもらいたいから、敢えてすぐに答えを言わない場合』もあります」(石黒さん)
上司が部下を育てるために、敢えて答えを出していないのだとすれば、部下が自分から話を切り上げてしまうのは本末転倒だ。その場合は話の内容をよく聞いて、自分が何かを気付く必要がありそうだ。
■忙しくても失礼な態度はNG
『詳細に伝えたい』『話好き』のタイプには、率直な言葉で対応するのが適切だという。
「『申し訳ございません。あいにくこの後〇時から予定がございます』や『〇時までに~をする約束をしております』などと伝えればよいです。その際『アドバイスありがとうございます』などとお礼の言葉を添えれば、相手を不快にさせることはないでしょう」(石黒さん)
『話をまとめるのが苦手』で長くなる相手には、どう対応するとよいだろう。
『私の理解が正しければ、~ということですよね?』と要約して返すのも有効です」(石黒さん)
こちらからまとめることで、話を短くすることができそうだ。
■切り出すのは息継ぎのタイミングで、お礼の言葉も忘れないこと
話の終わらせ方は分かったが、先方が気を悪くしないようエチケットは守りたい。
「忙しくても、時計をチラチラ見たり、時間に余裕のないことを態度で示したり、相手の話に被せたりするのは失礼です」(石黒さん)
言葉で伝えにくいときは、つい態度で分かってほしいと思いがちだ。言い出しにくいときや相手の話の終わりが見えない場合も、態度ではなく言葉で伝えるべきなのだ。言葉のテクニックがあるというので更に聞いた。
「会話中に『〇〇さん、お時間は大丈夫でしょうか?』と尋ねれば多くの人は『では、そろそろ……』と返して終わってくれます。もしも『まだ大丈夫!』などと言われてしまったら、『これ以上お時間をいただくと申し訳ないので』や『この後〇時までに~しなければならなくて』などと伝えればよいです」(石黒さん)
切り出すタイミングもあるという。
「そうした話を切り出すのは、相手の息継ぎのタイミングがおすすめです。どんなに饒舌な人でも息継ぎのときに間ができます。気まずくならないためには、お礼も伝えたいものです」(石黒さん)
円満解決策は態度ではなく、誠意ある言葉で伝えることだった。感謝の言葉を添えると、気まずくならずにすみそうだ。今後の関係にひびを入れることなく、長話から上手に切り抜けてみよう。
●専門家プロフィール:石黒 真実
NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師・コーチ。一般企業にて航空貨物営業・人事を経験後、キャスター兼記者を経て現職。「組織も自分も活かす」視点でマナーやコミュニケーションの研修を担当している。