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新型コロナウイルス感染症の拡大により、自宅で過ごす時間が増えているという人は多い。こんなときだからこそ、ただ自宅にいるのではなく、ためになる本を読んで知識を蓄えたいところだ。
「教えて！goo」にも「勉強に役立つ漫画教えてください」というトピックが投稿されており、他のユーザーからは文学や化学、歴史、さらには政治にまつわるものなど、さまざまなマンガが推薦されていた。そこで今回は、総合電子書籍ストア「BookLive!」の書店員すず木さんに、知識や教養が身に付きそうなマンガを紹介してもらった。
■科学や歴史の知識をマンガで吸収
科学や歴史など、生きていく上で身につけておきたい知識は多い。視覚的なアプローチで分かりやすく知識を得ることができそうなマンガがないか早速聞いてみた。
「『まんがサイエンス』は、生物や科学といった理科に興味を持つきっかけになるはずです。人工的に野菜を作る技術やオゾン層についてなど、身近な話から壮大なものまで解りやすく解説されています。歴史系なら『マンガ日本の歴史』はいかがでしょうか。旧石器時代から1990年代までを網羅した大長編です。仮面ライダーの作者である石ノ森章太郎によるマンガで、日本の歴史を学ぶことができます」（すず木さん）
学習マンガやマンガ図鑑には、コラムや図解といったより知識を深められそうなコーナーも豊富だ。
「動物好きには『発見！マンガ図鑑 NHK ダーウィンが来た！新装版』がおすすめです。NHKで放送されている人気番組のコミカライズです。マンガ版でしか読めないような取材の裏話やオリジナルコラムが付いており、番組ファンでもそうでなくても楽しめます。ライオンの強さを決める方法やカブトムシの王者、へラクレスの体の色が変わる理由など、親子でも楽しみながら読める作品ですよ」（すず木さん）
自宅学習を行う子どもたちだけでなく、知識が曖昧になっている大人にもぜひ読んで欲しい3作品だ。
■ストーリーを楽しみつつ為になるマンガ
次に、ストーリーもありつつ、教養や知識を得ることができる作品を紹介してもらった。
「『天地創造デザイン部』は、クライアントである神様からの要望で、天界にある『デザイン室』がさまざまな生き物を創る……という設定のマンガです。ファンタジーでありながら、リアルな生物のちょっと残念なところや特徴などを学べますよ。
大学の数学で挫折しかける主人公のキャンパスライフを描いた『数字であそぼ。』は、数学嫌いな人にこそ読んで欲しい作品です。アニメ化やドラマ化もされた『もやしもん』は、カビ菌や麹菌など『菌』が主役の物語。発酵の仕組みなどが学べます」（すず木さん）
最後にすず木さんがおすすめするのは、普段は知ることのない法曹界を描いた作品だ。
「『イチケイのカラス』は裁判員裁判の仕組みや実情がリアルに描かれているリーガル･エンターテインメント。弁護士や検事の事を描いた物語は多くありますが『裁判官』に注目しているところが珍しい作品です。人を裁く仕事とは一体どういう気持ちなのか、何を基準に判決を下しているのか、このマンガで学んでみてください」（すず木さん）
分かりやすく、楽しく知識を得ることができるマンガの数々。自粛期間が続くこの時期を活かして、今回ご紹介したマンガを読破してみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール：書店員すず木（総合電子書籍ストアBookLive!）
2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガを紹介している。
