アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

話題の出来事のQ&Aをウォッチ(観察)しながら、コラム形式で皆様に紹介していくサイト

ゴミの分別は正しくできていますか?ゴミ問題の今を専門家が解説

ゴミの分別は正しくできていますか?ゴミ問題の今を専門家が解説普段、なんとなくゴミを指定の場所へ捨てていないだろうか。その分別がどのような役割を果たしているか、理解している人は多くないかもしれない。「教えて!goo」にも「小5の息子がゴミの分別を理解していません。」と、息子がゴミの分別を理解できず困っているユーザーから質問が投稿されている。そこで、環境保全とまちづくりに取り組む「プロジェクト保津川」の代表理事である原田禎夫さんに話を聞いてみた。

■プラスチックが海洋生物に影響


ゴミ問題とよく耳にするが、どのような被害が実際に出ているのだろう。原田さんによると、故意に行われるポイ捨てだけが問題ではないという。

「ゴミの流失は、きちんと捨てたつもりでもカラスやネズミなどの動物にあさられてゴミが散らばったり、自販機の回収ボックスからペットボトルが溢れたりということも原因の一つです。日本の場合、レジ袋やお菓子の空き袋、カップラーメンの容器といったプラスチックごみの7~8割が、陸から川を通じて流出しています。問題になっているのは、紫外線で劣化したり、波や岩にぶつかって細くなったプラスチックゴミが微細化した『マイクロプラスチック』と呼ばれるものです。マイクロプラスチックを口にすることで、海洋生物に深刻な影響が出ているのです。また、クジラがレジ袋を食べてしまったり、海鳥がプラスチックを誤食し、その個体の健康被害が出たというケースも報告されています」(原田さん)

自然に流れ出てしまったゴミが人間に影響を及ぼすことも十分にあり得る。

「有害物質が蓄積された魚介類を口にすることで、人体に影響が出る可能性もあります。まだ明確な影響の報告がされているわけではありませんが、何かがあってからでは遅いのです。ゴミの影響で魚介類が減少することにより、経済面に打撃が与えられる可能性もあるでしょう」(原田さん)

プラスチックゴミの流失は、海洋生物や、将来的には人間や経済にも影響が及ぶことも考えられるのだ。

■企業を応援することも活動につながる


少しでも自然や海洋生物への被害を減らすために、私たちに何ができるのだろう。

「プラスチックが使用されている製品をできるだけ買わない、ということも一つの方法でしょう。 コンビニでレジ袋を断ったり、過剰な包装はいらないということを伝えるというのも大切です。余裕があれば、その旨をカスタマーセンターなどに投稿してみるのもよいでしょう。逆に、プラスチック削減に力を入れている企業に対しては、商品を購入したり、お礼のメールなどをすると、企業側のモチベーションにもつながります」(原田さん)

プラスチック削減のため活動している企業を応援するのも有効だ。

「マイボトルやマイバッグを使うのもよいことです。海外ではプラスチック削減に向けて取り組みを行う企業も多いです。海外の飲料メーカーは、マイボトルを持参して飲み物を注ぐスタイルの自販機の導入や、容器をペットボトルからアルミ缶に移行する取り組みをしています」(原田さん)

原田さんによると、ゴミ削減への取り組みにより、新たなビジネスモデルやマーケットが生まれるといったプラスな側面も期待できるという。

■ゴミを有効活用する


いざゴミを分別しようと思っても、町や市によってゴミの分別方法に違いがあるということに疑問を抱くことはないだろうか。

「これは、自治体によりゴミの処理の仕方が異なるためです。埋め立てたり燃やしたりする自治体もあれば、リサイクルに回す割合にも違いがあります。例えば『ゴミゼロ』を目指す徳島県の上勝町では、ゴミが45種類に分別されています。住民がゴミを出す段階で可能な限り分別できれば、行政の負担や処理費用が減ります。リサイクルしやすい状態で分別ができれば買取価格も上がります。リサイクルによる販売収益を子どもたちの奨学金に充てている自治体もあるほどです」(原田さん)

分別したあとのゴミはどのように処理されているのだろう。

「きちんと分別をしてもどうせ燃やすだけ、という人もいますが、それはうそです。プラスチックゴミはただ燃やしているわけではなく、状態のよいものはリサイクルに回しますし、状態が悪いものも発電に回したりと有効利用されているのです。また、海外では生ゴミを堆肥化したり、生ゴミから発生するメタンガスを発電に回したりと生ゴミも有効活用されています」(原田さん)

ただいわれたようにゴミを分別し捨てるだけでは、士気も上がらない。しかし、それが福祉に役立てられたり、エネルギーやリサイクルに有効活用されることにもつなつながっている実感が持てれば、きっとゴミによる公害も減るのだろう。

●専門家プロフィール:原田禎夫
プロジェクト保津川 代表理事。プロジェクト保津川は、参加者や企業・団体と連携し、環境保全とまちづくりに取り組む特定非営利活動法人。京都府、保津川周辺の清掃ツアーや環境を学ぶ散策ツアーの企画、環境保全に関する情報発信や人材育成などを行う。
当社は、本記事に掲載するすべての記事や情報の正確性に関して、常に万全を期すよう努力をしておりますが、記事や情報の内容を保証するものではありません。その他、当サイトのご利用により生じたいかなる損害についても責任を負いません。

この記事についてどう思う?

みんなの反応

18

BAD

NICE

みんなの反応

42

教えて!goo 教えて!gooで質問する

人気のコンテンツ

  • 専門家コラム

    恋愛・夫婦関係・健康・お金etcの悩みに専門家が回答!読みやすいコラムで配信中

  • せきらら女子会

    女同士でしか話せない年頃女性の本音が炸裂!

更新情報をチェック