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肌寒いと感じる日も減り、過ごしやすい気温の日が多くなってきた。
しかし、この時期の快適な睡眠を妨げるのが、ふとんに住む「ダニ」の存在だ。寝ている間にダニに刺されると、かゆみや痛みにより安眠できない。
「教えて！goo」にも「ダニでノイローゼになりそうです……」という相談が投稿されている。そこで、ダニをはじめとした害虫の駆除剤を販売するアース製薬株式会社にダニの生態や対処法についてうかがった。
■ダニが繁殖しやすい梅雨や夏
「ダニ」といっても、実はたくさんの種類が存在するということをご存知だろうか。今回は、特に家やふとんに生息するダニについて教えてもらった。
「梅雨時や秋口に増殖し、8～9月は特に被害が増加するのがツメダニです。他の種類のダニが大発生した際、それを捕食するツメダニも大発生する場合があります。夜間就寝中に人を刺し、傷口から唾液を入れ、さらに人の体液を吸います。刺されるとそのときの症状はないですが、1～2日経つと赤く腫れてかゆみが起こり、1週間ほど続くことがあります」（アース製薬株式会社）
違う種類のダニ同士で食物連鎖が起こっているのには驚きだ。
「主に大腿部、上腕部の内側、腹腰部などふとんに接する部分が刺されやすいです。イエダニは、基本的にネズミや鳥に寄生する吸血性のダニですが、人を吸血することもあります。木材家具などの割れ目や暗い場所に潜み、6～9月が発生の最盛期で、人への被害もこの時期に集中します」（アース製薬株式会社）
直接人へ被害をおよぼすだけでなく、間接的に他のダニを発生させたり、アレルギーを引き起こすタイプのダニも生息しているというのでさらに聞いた。
「ヒョウヒダニ（チリダニ）はほぼ1年中見られるダニです。 じゅうたんや家具等に多く発生します。人を刺すことはありませんが、大発生した際には、このダニやその死骸、フンがアレルギー性疾患を引き起こすこともあります。またコナダニは、食品や畳などに生息し、梅雨時や秋口に増殖します。高温多湿を好み、繁殖力が極めて旺盛です。人を刺すことはないですが、大発生するとコナダニを捕食するツメダニが増殖し、間接的に被害が出ます」（アース製薬株式会社）
ダニの種類によって増殖する時期は異なるが、梅雨や夏場など、湿気を伴う時期はより注意が必要だということが分かった。
■ダニが住みにくい環境づくりを
特に子どもやお年寄りがいる家庭では、ダニの存在は困りものだろう。ダニを駆除し、快適に生活を送るための対処法を教えてもらった。
「まずは、家中の掃除機がけと水拭きをして、ダニのエサとなるホコリや髪の毛、食べかすなどを極力なくしましょう。フローリングの場合でも、入念に板の隙間をきれいにします。ダニの死骸を放置したままにすると、それがハウスダストとなり、アレルギー症状が起きてしまうこともあります」（アース製薬株式会社）
掃除をしたところで家はダニの宝庫であることに違いはない……。
「ダニは、50℃の熱を30分間あてることで死滅します。つまり、ふとんを天日干ししただけでは表面のダニが温度の低いふとんの中のほうに潜り込んでしまうだけなのです。また、ふとんたたきを使うと、ただでさえ小さいダニや死骸、フンがさらに細かくなってしまう可能性もありますので、ふとんクリーナーなどで吸い取ってください。ダニ駆除剤の使用もおすすめします。有効成分が部屋の隅々まで行き渡るくん煙剤のほか、ふとんやクッションなどにスプレーするだけのものやシート状のものまで、さまざまなタイプのものが出ています」（アース製薬株式会社）
どれだけ予防や対策をしても繁殖してしまうのがダニの特徴だ。ではダニに刺された場合はどうすればよいのだろう。
「ツメダニとイエダニ、いずれも刺された場合はかゆみを伴う赤い発疹ができます。原因となるダニは肉眼で見えないため、ダニに刺されたという判断がしづらいです。もしもかゆみや赤い発疹など症状が継続する場合には、原因となるダニの除去や予防を行うことが大切です。かゆみには虫刺され用の市販薬を塗ることが推奨されますが、さらに長引く場合は他の疾患の可能性もあります。その際は、皮膚科を受診することをおすすめします」（アース製薬株式会社）
ダニは熱と乾燥が苦手だ。そのため、換気をまめに行い湿度を低くし、ふとんやぬいぐるみの天日干しをし、ダニが苦手とする環境を作ることが重要だという。特にダニが繁殖しやすくなる梅雨時は、一度ふとんクリーナーや駆除剤を使って、ダニが住みにくい家にしておくことをおすすめする。
●専門家プロフィール：アース製薬株式会社
「ごきぶりホイホイ」や「アースノーマット」をはじめとした、虫ケア用品や「モンダミン」などの製造・販売を行う。「アース害虫駆除なんでも事典」などのお役立ちサイトも運営。
