■明太子に足すとおいしい調味料には何がある?
明太子はそのまま食べても十分おいしいが、どんな調味料を足すともっとおいしくなるだろうか。
「明太子に足すとおいしくなる調味料(食品)は、『油』です。油にもいくつか種類があり、食用にされている油は大きく2つに分けると、植物性油脂と動物性油脂があります。明太子に合わせるのにおすすめなのは植物性油脂。植物の種子や果肉から、圧搾法や抽出法によって取り出した油を精製したものです」(石垣さん)
明太子に油が合うというのは意外だった。具体的には、どの植物性油脂だろうか。
「植物性油脂の中でも、おすすめは3つあります。『ごま油』『オリーブオイル』『アマニ油』です。ごまの実を焙煎した香ばしい風味が引き立つごま油は、明太子との相性がよいんです。琥珀色の色味も明太子と合い、味だけでなく見た目にもおいしそうな料理が仕上がります」(石垣さん)
明太子とごま油は、香りの点でもよく合いそうだ。
■オリーブオイルを合わせるときのポイントは?
オリーブオイルは、サラダかパスタに使うイメージがあるが、明太子とも合うのだろうか。
「オリーブの果肉から採油したオリーブオイルは、特有の香りが特徴的です。オリーブオイルと明太子の組み合わせによって、味わい豊かな料理になります。オリーブオイルには、エキストラバージンオリーブオイルと、オリーブオイル(ピュア)の2つの種類を食品売り場で見かけると思います」(石垣さん)
一口にオリーブオイルといっても2種類ある。明太子と合わせるときに注意する点もそれぞれ異なるのだろうか。
「エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の一番絞りのうち、酸度が0.8%以下で特に良質なものをいい、香りも強いです。生で使えるような料理に向いています。一方オリーブオイル(ピュア)は、精製したオリーブオイルとエキストラバージンオリーブオイルをブレンドすることで、味わいが柔らかくなっているので、焼いたり炒めたりするときに向いています」(石垣さん)
加熱するかしないかで、明太子に合わせるオリーブオイルの種類が変わってくることがわかった。
■アマニ油を足すときのポイントは?
アマニ油にはなじみがないという人は多いのでは。どのような油なのだろうか。
「アマの種子から採油したのがアマニ油です。こちらも明太子と相性バッチリです。アマニ油に含まれるオメガ3(α-リノレン酸)が血中中性脂肪を下げる作用があるといわれ、健康食品として注目されています。他にも、血栓防止、高血圧予防の作用があるといわれています」(石垣さん)
オメガ3は、最近よく耳にする成分だ。
「アマニ油は、味も香りも主張せずクセがないです。明太子を使うほぼ全ての調理に取り入れることができる油です。ただ、しかし熱にとても弱いので、加熱調理には向きません」(石垣さん)
明太子には、ごま油、オリーブオイル、アマニ油と、個性的な植物性油脂が合うことがわかった。この3種類の油は、味も香りも違うので、自分の好みや料理法に合わせて、選ぶとよいだろう。今までずっと、ご飯のおかずとして明太子をそのまま食べていたという人も、今回の記事を参考に一味違う明太子を試してみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:石垣桃子
株式会社ソフィアプロモーション 食めぐ編集部 管理栄養士。「食めぐ」は管理栄養士9名が運営する「食による健康」をテーマにした食のウェブメディア。