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ボードレールの異邦人に「あなたが神を憎むように、私は黄金を憎む。」と言う一節があります。

なぜ自分が黄金を憎む程度の比較に「あなたが神を憎む」が使われているのでしょうか?そもそもなぜ、相手が神を相当憎んでいることが想定されているのでしょうか?この詩だけからは読み取れない背景やフランスでの常識があるのでしょうか?

フランス文学は全くの無知ですので、その前提でのご回答をお願いします。フランス語の勉強の際にたまたまこの詩を知っただけですので、その点ご配慮ください。

よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

文学作品ですから、自由に読めばいいんです。


「この詩だけからは読み取れない背景やフランスでの常識が」あったとしても、気にしてはいけない。
まあ、ギリシャ、ラテンの時代から、神を否定し、神を殺そうとする無神論者はいる。
その系譜に入れても構わないが。


自由に解釈すればいいんですよ。たとえば、

この詩は会話になっているが、誰と誰なのか。
この不思議な「異邦人」は一体何者なのであろうか。
もしかしたら、自問自答かもしれない。
全く見ず知らずなら、
Je le hais comme vous haïssez Dieu.
等といえるはずがない。


質問者はなれなれしいタメ口(tutoyer)だが、異邦人は丁寧語(vouvoyer)だ。
この異邦人は常に何からも距離を置こうとしている。
(美(の女神)は好きだと言っていそうで、条件法だから、「好きだ」は事実ではない。)
質問者から離れて、雲のように漂いたくなった別人格なのかもしれない。


神が形而上の世界における全能の存在であるとしたら、金が形而下における万能の存在である。
相手が本当に神を憎んでいるのかどうかは、本当はどうでもいい。
とにかくそういう、社会的精神的秩序を忌み嫌っているのだ、雲になりたいのだ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

例えば「菜の花や月は東に日は西に」では、満月であることが暗黙の了解(自然に浮かぶ情景)だと思います(そう解釈しなくてはいけないということはないです)が、そういった類のものはないと思って良いのですね。

文学音痴なので作者の意図を探ろうとまでは考えが及びませんし、個人的には文学に限らず作品の鑑賞に作者の意図を斟酌する必要はないというスタンスですが、辞書を引きながら読んでいてここだけ引っ掛かったので質問させて頂きました。

改めて、ありがとうございます。

お礼日時:2018/09/20 13:24

詩は言葉による芸術作品であり、解釈をあまり狭く絞らない方がよいということはあります。


時代背景のようなものが係わってくる面もあると思いますが、それだけではないでしょう。
ただそうはいっても、詩人はやはり何らかの思いを込めているもので、
それをあえて言わないのが詩だとしても、気にはなりますね。
当然、研究者による解釈、解説というのもたくさんあります。

まず「黄金」という語についてです。
この詩は最初「ラ・プレス」誌に掲載され、のちに改訂されたものですが、
最初の版では、L'or ではなく L'argent になっていました。
「銀」が元の意味ですが、むしろ「お金」であり、物質主義の象徴といえます。
そういうものに第一に価値を置く考え方は醜いですが、
金がなければ生きていけないので、やはりほしいことはほしいという矛盾があります。
神なんているものかと普段は言っていても、困った時の神頼み、やはり必要になることがあります。
そういう類似、対照として素朴に読み解くこともできるかもしれません。

異邦人を問い詰める対話者についてもいろいろ言われています。
下の論文では、ボードレールが嫌っていた、ブルジョワ的倫理を振りかざすジャーナリズムと解釈しています。
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/7 …

この論文には、ボードレールの家族関係などの自伝的要素が指摘されていることや、
「雲」の解釈などについても触れられていますが、これらについても、
当然全く違う観点から論じられたものがあります。

ボードレールは極めて宗教的な詩人でしたが、その宗教観には、
複雑なところや矛盾したところもありました。
http://thought-and-culture.a.la9.jp/vol.1_pp.01- …

上の論文中にも、ボードレールの物質主義批判が言及されています。

時代背景の観点からは、次に紹介する『ボードレールと二月革命後の社会主義』という論文が一番興味深いと思います。
ここで紹介されているのは、『異邦人』よりも前に書かれた『驕慢の罰』という詩ですが、
サン=ルネ・タイヤンディエの論文『ドイツ無神論とフランス社会主義』が
この詩の発想源であるというのが定説となっているとあります。
当時ドイツでは、新ヘーゲル学派による無神論が台頭してきており、
フランスにもその同調者がいました。タイヤンディエもその一人です。
タイヤンディエがこの論文で批判しているのは、ドイツ無神論に与しなかったフランスの社会主義者、ピエール・ジョゼフ・プルードンです。
『ボードレールと二月革命後の社会主義』を読んでいただければわかるので詳しくは書きませんが、
ボードレールはプルードンの思想に傾倒していたそうです。
この背景をもとに読むのであれば、神を憎むのはドイツ無神論者ということになり、
金に象徴される物質主義を嫌うのはボードレールの側になります。
ボードレールは耽美主義の詩人で、美、女神、不死はキーワードですから、
これもボードレールの思想を反映していると考えることはできます。
また、美はすべてのものの上位にありますので、
空高く流れる雲もその象徴と考えることができ、また、
手でつかむことができないということで、非物質主義の寓意ともとれるかもしれません。

ボードレールと二月革命後の社会主義
(直接表示はされないので、「ファイルを開く」か「保存」をクリックしてください。)
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc= …

なお、これは余計な付け足しですが、仏語カテで、
あなたが最新の質問で続けてベストアンサーに選んでいる回答者(日本語のID)、
これは、過去十年ほどに渡って、複数のQ&A系のサイトで、
他人の質問や回答を大量にコピペ、盗用している人物です。
あなたの質問もほかのサイトにコピペされています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …

頻繁に新しいIDを取り直すので、ほとんどの人が気付いていませんが、知っている人は知っています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …

複数の外国語ができることを誇示したいので、英語との比較を交えた回答を繰り返します。
ほかの回答者に何度も反論してくる行為も昔から同じです。
しかし、細かいことは書きませんが、回答の内容は怪しいものです。
あなた自身が書いた仏文のセンテンスをGoogleの検索にかけると、
フランス語のブログなどがいくつかヒットしますが、
この回答者が「添削」した文のセンテンスは、その回答以外は何もヒットしません。

もう一人の回答者の方のほうが、フランス語や言語一般についての知識ははるかに上です。
私は投稿していませんでしたが、気になったのでお知らせしました。
くれぐれも用心の上御利用ください。
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この回答へのお礼

ご回答、ありがとうございます。
フランス語を勉強したての私のためにここまで詳しい情報を下さり恐縮です。リンクを貼って頂いた内容にこちらのレベルが追いつくよう頑張ります。

私のようなド素人の質問まで使ってそんなこと、不思議な人がいるもんですね。ご指摘ありがとうございます。以後、留意いたします。

お礼日時:2018/09/21 02:11

物知らずで恥ずかしいですが、



「異邦人」はカミュだけじゃ無かったんですね、

こんど見てみたいと思います、

お邪魔しました。
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この回答へのお礼

パリの憂鬱、と言う大変有名な詩集の最初に載っている詩だそうです。
私もきのう知りましたw
カミュの「異邦人」も聞いたことはあれどよんだことありませんww

お礼日時:2018/09/20 11:17

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