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最近、夏目漱石のこころを読み返してみました。そしたら前はあまり気にならなかったのですが、この小説には死がでてくる回数が多い気がします。
夏目漱石は数多く死の場面を出すことによって何を伝えたかったのかいまいちよく分からなくて・・・。私は明治時代という背景と何か関係があるのかなぁ、と思っているのですが、どう思われますか?

A 回答 (4件)

教え子の自殺(出久根達郎氏「漱石先生の手紙」参照)


イギリスから帰って、東大講師とともに一高で英語も教え、藤村操が生徒であてましたが、訳読の予習をしてなかった。二度目でした。理由を尋ねるとしたくないから、してこない。と、言う。次回こそ必ずしてくるように諭したと言います。
それから9日目に日光華厳の滝の幹に遺言を書き削って、投身自殺します。
「巌頭の感  悠々たる哉天壌、稜々たる哉古今、五尺の小さな体で、この大いなる世界、宇宙を考えると、ホレーショ(『ハムレット』の友人)の哲学は一体、どんな意味(オーソリティ)があるのか?全ての真相は唯、『不可解』というその一言に尽きるのではないか。自分はこのことに悩み、終に死を決するに至った。今、巌に立って自殺に臨み、何も不安が無くなった。大いなる悲観は楽観に一致することを今会得した。。」という歌を遺します。この事件は一世を風靡し、当時、若者がたくさん後追い投身自殺しました。

漱石は訳読の授業中にホレーショに軽くふれていたのかもしれませんね。
只、漱石自身は自殺という逃避的、全否定的なものの見方の人よりは、反対の視点、人間肯定型(人とは善であるだけでなく、悪あってこその哀しき哉、生身に生きる人間では。。という見方?)に私は感じています。又、これこそ漱石の哲学?惹かれて止まない魅力に思えます。
漱石の周りへの人への細やかさから言うと、多分、真面目で真摯な将来ある教え子のこの自殺は漱石をずっと悔やませた事件だったように思われます。。
同じく一高のクラスメートで漱石の門下生になった安倍能成さん(哲学者、教育家)は、藤村の妹と後に結婚しています。証拠はありませんが、漱石の人付き合いの細やかさ、面倒見の良さを想像できる一件です。
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こんにちは。



私も漱石がすきです。

今のように倒産や破産で自殺すると言うのでなく、『心』にでてくる自殺はその人の哲学?人生観、思想へに行き詰り、結論として取り上げられてるの思います。この時代にとってとてもショッキングな自殺が漱石の近くにあったところからと言われています。

漱石と死との接点は、若い頃から友人、同級生の子規が結核で病に臥し、五女を1歳そこそこで突然死で失い、死が今よりずっと身近だったこと。又、自分自身、ヒューマニスト生きて「博士制度の功少くして弊害多し。・・政府の学問奨励の道具としては無意味ではないが、・・・弊害が続出する・・」(出久根達郎)と地で権威に迎合することなく、又、自分の読者や中学教師時代の生徒、後輩にもマメに手紙や人生相談、生活、助言をし、いつも胃炎に悩まされ、吐血、人事不肖になったりしています。
子規と違い、幼少から使用人、乳母にも繊細にフェアに心を馳せ通わせ、正義感と神経衰弱をもっていました。
又、若手を世に出す手伝いを文筆活動の多忙さの中、非常に!多くの方にしています。
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生きることに喜びを見出せない抑うつ性格の人間を


見事に描いた作品でしょう。

漱石もそうだったんじゃないかな
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この回答へのお礼

こころの登場人物は皆どこか闇を持ってるように感じました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/11/20 21:00

難しいですね~。


夏目漱石が自分自身死について深く考えていたころの作品だったと思うので、(書き上げて2年後くらいに死亡)自分のこころの中の投影的な作品になっていると思います。
伝えたいというより、死の意味を自分自身知りたかったのではないかと思うのですが。
そして思ったことを小説の形にしたのが「こころ」なのではないか、と思いますが。

どうでしょう?
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この回答へのお礼

自分自身で死の意味を見つめるためっていう意味もあったのかもしれませんね。参考になりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2004/11/20 19:15

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