この人頭いいなと思ったエピソード

オペレーションズ・リサーチの一分野である「待ち行列理論」の中で使われる、利用率(トラフィック密度)ρ=λ/μについての質問です。
並列型の待ち行列モデルでは、この利用率がρ=0.6くらいの時に、ちょうどジョブを処理することができる(それ以上になると、待ち行列長が発散する)と聞いたのですが、現実世界での待ち行列のρの値と、それに対応する事例など御存知の方は、ぜひ御一報頂けると幸いです。また、直列型のモデルでの違いなどについてもご見識をお持ちの場合は、合わせてご教示頂けると非常に助かります。
ぜひよろしくお願いします!

A 回答 (1件)

「並列型」というのは複数窓口のことでしょうか。


一応、単一窓口で話をしましょう。
ランダム到着ランダム処理における、サービス時間を含まない純粋な平均待ち時間は
ρ/(1-ρ)×平均処理時間であらわされます。

> ρ=0.6くらいの時に、ちょうどジョブを処理することができる
>(それ以上になると、待ち行列長が発散する)

ρと平均待ち時間倍率(平均待ち時間/平均処理時間=ρ/(1-ρ)は
0.1 0.111
0.2 0.250
0.3 0.429
0.4 0.667
0.5 1.000
0.6 1.500 
0.7 2.333
0.8 4.000
0.9 9.000
となって0.6付近を境に急激に悪化します。
ρが1以上にならないと発散はしませんが、待ち行列がやたらと長くなります。
また、ρのちょっとした変動が平均待ち行列長の変動に大きく関与します。
このため、ρを0.6とか0.7に設定するのが一般的です。
待ち時間を極度に嫌う場合や、イーサネットLANなどでは0.3程度が限界
と言われています。
ρが0.6ということは窓口が0.4遊んでいるということになりますから、
設備の利用効率の面からはρを高くしたほうが得策ですけどね。

複数窓口の場合は少し様子が違いますが、傾向は似ています。

> 現実世界での待ち行列のρの値と、それに対応する事例・・・
先ほど述べたように、窓口の利用効率を優先するか、サービス(待ち時間の減少)を優先
させるかという問題に帰結します。
あと、ρが時間的に大きく変動すると言う厄介な問題があります。
平均的なρに対して考えるか、最大のρに対して考えるか、これも費用対効果で
考えることになります。
いろんなところでピーク時だけ窓口の数を増やして対応しているのはご存知の通りです。

> 直列型のモデルでの違い・・・
これは普通、単独窓口(または複数窓口)の待ち行列の出力がランダムと仮定して
次の待ち行列の計算をします。結果は単純に和になるはずです。

余談ですが、実際の窓口で、理論とずれるのは、
時間帯による平均到着数の変動を別にしても、
到着や処理が完全なランダムではないことによります。
これも詳しく研究されており、
「ヒンチン・ポラチェック(またはポラチェック・ヒンチン)の式」があります。
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この回答へのお礼

御回答、有り難うございました。
数式上でも、そのような理由があるんですね。
また、イーサネットLANでは0.3程度ということも知りませんでした。大変助かりました。
もし「イーサネットLAN」以外にも応用されているような事例等御存知の方は、引き続き情報提供いただけると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

お礼日時:2005/05/28 11:58

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