とある会社が作製している未知試料の分析をFT-IRで
できるところまでしてみろと言われて行いました。
その試料は水溶媒に無機の粉末が分散されているゾルで
分散剤として界面活性剤が含まれているようです。
つまり、何種類かの物質が含まれている試料なのですが、
こういう混合物の分析にFT-IRのみでどこまでできるのでしょうか。
実際のスペクトルもノイズも多く、水分のみを蒸発させて粉末状で測定してもピークが鮮明ではありませんでした。
それでも、何とか陰イオン系の界面活性剤かも、程度まで絞り込みました。
しかし、あくまで推定としてピーク解析を行ったので、
上の者には、わたしの力量不足と言われました…。
やはりわたしの力量不足できちんと測定ができなかったのでしょうか?
それともFT-IRの性能としてそこまで分析することはできないのでしょうか?
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんわ 再び#2です。
>上司曰く「FT-IRのエキスパートになってほしい」とのことでした。
>今はUV-visの装置が導入されたので、そちらでもエキスパートになってほしいそうです。
すばらしいですね。有望視されているということだと思います。
それならばなおのこと機械の操作、データの見方も重要ですが、サンプルの扱いと分析の予測と計画の立て方を習得することが大切です。
そうなるには、かなりの期間が必要になるかもしれませんし、いろいろ勉強もしなくてはいけませんけども、必ず身に付くことですし、良い仕事をするための自信にもつながります。
今回のIRの件はスタートとしての失敗には最適だったかもしれません。ぜひとも努力してエキスパートになってください。あきらめなければ必ずなれます。
上司は入社直後から自ら進んで実験などを行って、
報告書をバンバン出していたそうです。
そんな人から見たらわたしなんて、小学生並みです…。
有望視というか、若い頃の自分がそういう仕事の仕方をしていたので
ぜひともわたしにもそういう風になってほしいようです。
最初が失敗したから、もうエキスパートにはなれないと思っていました。
上司から叱責を受けたときも、見放されているような
感じがして
もうだめなのか…と落胆していました。
自分なりに解析しようと努力したのですが、努力=成果にはならなかったようです。
でも、ここで質問して仕事の時間の合間をぬって、知識と実技を得ようと思います。
ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
こんばんわ #2です。
ちょっと視点を変えてみましょう。
もし、わたしが「分析してみろ」と指示を出した場合のことを考えてみました。果たして何を期待するでしょうか。
どれほどの期間を与えられたのかわかりませんが、完璧なIRの分析結果を期待することはないと思います。
それよりは、簡単な物性(粘度、比重、pH、乾燥固形分、水分など)の把握や界面活性剤の簡単な定性などをどれくらい集めたのか。それに基づいて、どんな前処理をしたのかを知りたいと思います。臭いや色を把握することも大切です。アナライズの基本は鼻ライズだと言われるくらいですから(笑)
で、「IRかける前にちょっと調べてみたら、こんな物性でした。なので~の前処理をして~法でIRかけてみましたがこんな結果しかでませんでした。そこで~と考えてHPLCかけてみました。カラムと溶媒は~です。総合的に判断して~の可能性が高いです」とか報告されたら、うれしいですよ。
そうなればIRのピーク解析がきちんとできてなくても、わかるところとわからないところをはっきりと説明すれば納得してもらえます。
つまりIR分析の力量をみたのではなくて、仕事を引き受ける力量を試されたのではないかと思うんです。なので、IR分析に関する知識や技術だけを増やしてもあまり役に立たないかもしれないです。
上司曰く「FT-IRのエキスパートになってほしい」とのことでした。
FT-IRでわからないことがあれば○○(わたし)に聞け、
といわれるくらいになれ、ということです。
今はUV-visの装置が導入されたので、そちらでもエキスパートになってほしいそうです。
FT-IRは半年触っていましたが、やっとこ大まかな
官能基ごとのピークの判別ができるくらいです。
やはり、単純にFT-IRにかけるのではなく、
明確なピークを得られるためにはどうすればいいか?
というのが大事なんですね。
残念ながら、わが社はSEM、XRD、FT-IR、いくつかの
熱分析機器、
IC、UV-visくらいしかなく、
それらを使ってできるだけ理解できるように、とのことでした。
こんなにできないわたしで、何度も叱責を受けていますが
自分でももっとできるようになりたいです。
ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
>有機物(界面活性剤)の成分
この場合には.石鹸のcmcが問題で.石鹸濃度をcmc以上に上げてやらないと分離できないので面倒です。
反射IRと透過IRとX線で.使われていそうな石鹸の分類を見当つけます。ABS,NCH,...とNa塩, K塩,....、。
無機表面に結合している石鹸はあきらめて.熱不安定な石鹸もあきらめて.高次構造をもつ石鹸もあきらめて.
グツグツ煮てゲルが解消するか
アルコール添加でゲルが解消するか
塩か炭酸ソータを過飽和に入れてゲルが解消するか
で適当にニュートン流になってくれるかにかけます。
なってくれれば.無機物を路別.乾燥かエーテルちゅうしつか.透析かあたりで.添加した物を除去。乾燥以外の場合には.除外した添加物を濃縮して結晶化し.X線分析。k,Na,あたりが抜けていないかのチェック。
残ったものをIR。
IRではこんなものです。注意点として空気中の二酸化炭素を吸収する場合があること。
アミンの一部に炭酸ソーダで切れるものがあるので.(名称忘却.1個Nに置換したベンゼン)等を使う必要がある場合があります。
ポリ酸化エチレン系界面活性剤はやったことがないし使ったことがないので不明。
r-coohかABSしか使わない業界に関係していますので。
回答者様はかなりの有識者とお見受けします。
有機系に詳しくないわたしにもできるのかわかりませんが
おっしゃっていただいたことを、理解できるように勉強したいと思います。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
再度No.3の回答者です。
> つまり、何種類かの物質が含まれている試料なのですが、
> こういう混合物の分析にFT-IRのみでどこまでできるのでしょうか。
濃度(吸収ピークの大小の観点で)に差がある主成分・副成分の場合、主成分の
物質に見当が付いたら、そのスペクトル(純物質で実測orスペクトルデータベースから
引っ張ってくる)を用いて差スペクトルを取ると、うまくいけば副成分のスペクトルが
(多少のノイズは残るでしょうが)得られます。この際、測定モードはできるだけ
素直な「透過法」がのぞましいです。反射法やATR法で測定したスペクトルでは、
うまく引けないことが多くなります。
成分数は、まあいいところ2~3成分でしょうね。それ以上あるなら、前処理で
分離するか、分離分析(GC-IR、LC-IRなど)を併用しないと厳しいでしょうね。
また、濃度が同程度だったり、似通ったスペクトルパターンの物質間の
差スペクトルは難しいですね。
書き忘れていましたが、透過法で行っています。
濃度は無機物のみしかわからないので、差スペクトルは難しいかもしれません。
おっしゃるような分離分析がなく、ガスクロもないので
FT-IRだけで分析はやはり難しいのでしょうか。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
> 実際のスペクトルもノイズも多く、水分のみを蒸発させて粉末状で測定してもピークが
> 鮮明ではありませんでした。
試料量はそんなに少ないのですか?
このような場合だと、試料の量さえ十分あれば、特殊な測定法(ATRなど)は必要なく、
通常の透過法で十分のように思いますが。 手順は、
(1)十分乾燥させて水分を除く(必要であればその前後で何らかの分離作業を実施)
(2)残った固形分を適量取り、予め粉末化したKBr結晶とともに乳鉢で良くすりつぶし、
混合する。(すりつぶしが足りないとピーク分離が悪くなったりする)
(3)適量をKBr錠剤ホルダに詰め、プレス機でプレスして透明度の良い錠剤にする。
(透明度が悪いと透過率が悪い・ベースラインが傾く)
(4)フツーにFT-IRに透過法でかけ、吸収スペクトルを取得する。
(5)ピークが小さ過ぎる・大き過ぎる場合は、作ったKBr錠剤を再度粉砕し、必要に
応じて試料粉末orKBr粉末を加えて、また錠剤作成する。
(6)取得したスペクトルをスペクトル検索にかける、またはピーク波数から分子構造解析
(無機では困難かも)
といったところでしょう。
問題は、「無機物」というところですね。IRはざくっと言って「有機化合物」の分析に向く
分析法です。「有機物」であれば、そのものずばりの物質がスペクトルデータベースに
なくても、吸収帯の波数位置から官能基の情報が得られるので、分子構造が大体推定でき
ます。しかし、「無機化合物」については、-CO3・-OHなど以外は「この辺りの波数位置の
ピークはこんな分子構造」という規則はなかなかあてはまりません。一つ一つ違うので、
そのものずばりの物質がスペクトルデータベースになければ、かなりお手上げといった
ことが多いと思います。
ゾルはほとんどが水です(80%以上)。
ゾル自体はたくさんあるので、たくさん使っても大丈夫です。
一応その無機物のピークはどこらへんなのかはわかっているのですが
界面活性剤が数種類入っている可能性があるので
ピークどうしで相殺されたりするんじゃないかと…。
(1)~(6)で教えてくださった方法で行っています。
やはり最低でも無機物の分離は不可避かもしれません。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
上司の方の意図は「”分析装置としては”FT-IRのみで」ということだったのではないでしょうか?
溶媒抽出などの簡単な前処理によって、ある程度成分分画を行ってからなら、もう少し解析を進められるのでは、と思うのですが。
>上司の方の意図は「”分析装置としては”FT-IRのみで」ということだったのではないでしょうか?
そうなんですかね…結局うまく測定できなくて、
そのせいで、わたしの力量不足、結局なんにもわからんかったやろう、と叱られます…。
今は別のことをしているので、FT-IRを使うことはあまりないのですが
(上の質問の測定は今年の冬くらいにしていました)
今でも叱責を受けるので、もう一度やり直したらいいのかと悩み中です。
やはり前処理は必要ですか。
よく考えたら前処理をせずになんで行っていたのだろう…といったかんじです。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
こんにちは
IRだけで、やれるところまで分析してみろということなのですね?
ちょっとした力量試験ですね(笑)
無機物を水に分散させた製品と考えると、チタンや銀とかゼオライととかを使用した化粧品くらいしか知らないわたしですが、思いつくところを少し。
サンプルは濁っていますか? 粘度は高いですか?
濾過や遠心分離である程度取り除けるとか、いったん溶媒で希釈すると沈殿してしまうとか、ならば少し楽ですね。
溶媒と食塩で分液ロートを使うという手も簡単で有効ですよ。
試料の前処理が最も重要になりそうですね。
IRもATR(全反射)が使えれば試してみてはどうでしょうか。
顕微鏡タイプのFT-IRでしたら、試料の扱いも楽だと思います。
あまり参考にならないようで申し訳ないですけど、地道にがんばってくださいね。
以前に、有機系のポスドクの方にも聞いたのですが、
FT-IRだけで的確な分析はできないといわれました。
サンプルは白濁しています。無機物は12%ほど
含有されているようです。
粘度は測定していませんが、さらさらです。
遠心分離は思いつきませんでした。
前処理のことはあまり考えずにとりあえず測定していました。
ATRが使えるのかはわからないので、調べてみます。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
とうかと反射の両方をとって差を見てください。
無機分散物が見当つく場合があります。
ただ.無機物は.X線蛍光で元素分析.x線回折で同定が普通です。
分量が十分あるならば.
しさ熱測定機(黒鉛路原始九校の黒鉛路でも蚊)で徐々に加熱.発生したガスを適当な溶剤で捕獲.乾燥後赤外。
分解物の構造が見当つけは.....。
でもこれは普通ガスマスでする(カラムや導入がめちゃくちゃに汚れるので嫌われる分析方法)のです。導入部で適当に焼いて.発生した物をガスクロで分離.マスで同定。
無機物はおっしゃるような機器でできました。
無機物以外の有機物(界面活性剤)の成分が知りたいと思い
FT-IRにかけました。
おっしゃるような方法もできたらいいのですが、
設備が整ってないので厳しいかもしれません。
ありがとうございました。
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