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質問するカテゴリーが違うかも知れませんが、いつもテレビなどでロケットの打ち上げの映像を見てて不思議に思うことがあります。

例えば、飛行機は滑走路を走りながら徐々に速度と揚力を増して浮き上がっていきます。
では、ロケットは? 本体になんら支え(真っ直ぐ上昇するためのガイドとなるようなもの)もないし、しかもいきなり垂直にそして始めはゆっくりと、徐々に加速していきますよね。
モデルロケットや実物でも比較的小型の固体燃料のものは打ち上げ花火のように最初から勢いよく発射するので分かるのですが。
特に有人の大型の液体燃料のタイプほどゆっくりと上がっていくようです。これには理由があるのでしょうか?思いますのに、・乗っている飛行士にいきなり急激なGがかからない様に徐々に速度を上げる。・大型のものはその大きさゆえどうしてもゆっくりと上昇せざるを得ない。・液体燃料式は固体燃料式に比べノズルからの噴射量を自由に加減出来るためそういう打ち上げになる・・・等々なのですが。
よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

こんにちは。


ロケットの速度というのは「時間に比例」し、「燃料の重さに反比例」して速くなります。ですから、どのようなタイプのロケットでも最初はゆっくりと上がり始め、しだいにその速度を上げてゆきます。ロケットに限らず、飛行機でも自動車でも速度を上げるときはみな同じことで、このような物体の運動を「加速度運動」といいますよね。
ロケットが地球の重力を降り切って軌道に到達するためには、だいたい秒速8Km程度「速度」が必要になります。そして、最初は速度「0」から始まり、何秒でこの「秒速8Km」に到達するのかが「加速度」です。ですから、10秒で到達しても100秒掛かっても得られる「速度」は同じなのですが、時間が短いということは急加速しているということですので「加速度」が違うというわけですね。当然、1秒間に進む距離も大きくなりますので、ロケットが飛び上がって行く勢いも速くなります。「加速重力G」いうのは、これに対して後ろ向きに働く力を地球の重力を「1G」として換算したものですよね。
「加速運動」によって得られる「速度」は「時間に比例」して加算されます。ですから、例えば1秒間で秒速5mまで加速したのであるならば、2秒後には速度は秒速15mになり、3秒後ならば秒速30mになっています。このように、ロケットというのは時間に「比例」してその速度がどんどんと速くなってゆきます。そして、速度を上げるための「加速度」というのはロケットの重さに「反比例」します。

スペース・シャトルの本体であるオービダーの重さはおおよそ70tなのですが、そのお腹に抱えている燃料タンクは満タンで700tに及びます。70tのものを宇宙に持ち上げるには、その重さの10倍もの燃料が必要なんですね。
どうしてこんなにたくさんの燃料が必要なのかと言いますと、例えば計算を簡単にするために、70tを1Gで加速するのに70tの燃料を使うとするならば、2Gの加速度を得るためには140tの燃料が必要になります。これだけの燃料を積み込みますと、ロケットの打ち上げ時の重さは合計で3倍の210tということになりますよね。そして、その210tを2Gで加速するためには、更にそこへ420tという燃料を積み込まなければならなくなります。
このように、ロケットというのは燃料を持ち上げるために燃料を積み込むというたいへん効率の悪い機械なんです。「ツィオルコフスキーの公式」といいまして、この関係は自然対数で表されます。これがどういうことかと言いますならば、ロケットというのは打ち上げ時はたいへんたくさんの燃料を積んでいるのですが、ひとたび飛び上がりますと、それを消費することによってどんどん軽くなってゆくということです。ですから、多段式のロケットは燃料を使い果たした一段目、二段目が次々と切り離されてゆきますし、スペース・シャトルの場合でしたら700tの燃料が消費されることによって得られる加速度は自然対数的に大きくなり、空になった燃料タンクを手放した時点で初めて最高速度に到達するということになります。
このように、どのようなタイプのロケットでも、その速度というのは「加速時間に比例」し、「燃料の重さに反比例」して指数関数的に速くなるという性質のものです。そして、終いには秒速8000mという想像も付かないような速度に到達するんですね。
ですから、「大型のものはその大きさゆえどうしてもゆっくりと上昇せざるを得ない。」というのが正解ということになると思います。

このとき乗組員に掛かる加速重力が、スペース・シャトルの場合で3~4G、アポロ計画で用いられたサターン5型ではだいたい6~7Gだったということです。現在では何十Gもの人工重力を作り出すという実験装置が開発されていますが、恐らく、このアポロ計画のときの7Gというのが、当時人間がどのくらいの重力に耐えられるかに就いて得られた唯一の人体実験結果だったのではないかと思います。
1G以上の加速度が得られるならば、何時間掛かろうが何日掛かろうが、原理的にはやがて宇宙に辿り着きます。ですから、このようなシステムであるならば乗組員は別に3Gや4Gといった重力に耐える必要はありません。ですが、何十tもの物体を長時間に渡って宙に浮かべておくというのは化学燃料ではほぼ不可能ですし、何よりも燃料効率が悪くなります。このため、ロケットエンジンというのは最初から常にフルパワーで噴射するというのが最も理想的ということになります。
申し上げました通り、ロケットというのは燃料を使って燃料を打ち上げるというたいへん効率の悪いシステムです。ですから、ロケット博士と呼ばれたコンスタンチン・ツィオルコフスキーの公式に基づいて、その燃料効率を如何に向上させるかというのが、これまでのロケット開発の歴史そのものでした。そして現在の化学燃料エンジンでは、それがほぼ限界に近付いています。
従いまして、スペース・シャトルを最も効率良く軌道投入させるためには、必然的に3~4Gは発生してしまうわけです。これが人体に致命的ということであるならば話は別なのですが、NASAには世界に先駆けて7Gという、アポロ計画のときに得られた実験結果がありますので、乗組員のためにわざわざ効率を犠牲にする必要はないわけです。ですから、3Gというのはスペース・シャトルのミッションに対してプログラム上発生するものであり、有人の場合は加速重力を低くしてあるということは、恐らくないと思います。

ロケットが真直ぐに飛ぶのは、コンピューターがあるからだと言っても間違いはではないと思います。尤も、ナチス・ドイツのV2号ロケットのときにはコンピューターなんてものはありませんでしたから、現在の話ではあるのですが。
ロケットというのはどんなものでも長いですし、大概は後ろのエンジンが本体を前に押し出すという構造になっています。ですから、質問者さんがご心配なさいます通り、ガイドもなく、向きや角度が変わってしまうならば、それは間違いなくとんでもない方向に飛んで行ってしまいます。「誘導装置」といいますが、これを防ぐためには、どうしてもロケットの傾きに対してエンジンの噴射角度を修正してやる必要があります。初期のロケットでは専らノズルの下の遮蔽盤を稼動させて噴射の方向を変えてやるというものでしたが、現在では噴射ノズルの角度を操作するという方式が主流になっています。また、ノズルの角度だけでは軸回転を補整できませんので、周りに尾翼や小型の補助エンジンを取り付ける場合もあります。
「誘導装置」といいますのは、「センサー」「誘導計算機」「ジンバル装置(ノズル稼動装置)」の三部からなっています。センサーはロケットの姿勢を感知する「ジャイロセンサー」と、速度を監理する「加速度センサー」のふたつが最低でも必要になります。このセンサーに基づいてジンバル装置を稼動させてやるのが誘導計算機なのですが、更に複数のセンサーを用い、より迅速で精密な誘導を行うためには、当然のことながらコンピューターが使われます。
誘導システムには地上の計算機から電波で指令を送る「地上誘導」と、ロケット自体が誘導計算機を搭載する「慣性誘導」がありますが、現在ではコンピューターの小型化によって後者が飛躍的に進歩しました。このように、ロケットというのはコンピューターがなければまず真直ぐには飛びません。従いまして、ロケットとはどういうものかと尋ねましたら、それはロケット・エンジンとコンピューターを組み合わせた機械ですということでも一向に構わないと思います。
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この回答へのお礼

御回答、ありがとうございました。
現在、主流の化学燃料エンジンもほぼ限界に近づいているとの事。
地球から最も遠くの天体(月)に人類を運んだ宇宙ロケットは今のところ、サターンVだけでしょう。
NASAはこれから、月面基地をベースにした方法で有人火星着陸を計画しているとも聞きます。
惑星に行くのは衛星とは比較にならないくらい、膨大な費用や技術力が必要になってくると思います。
これに向けて、効率のよい次世代の化学燃料エンジンの開発やはたまた全く違うタイプのエンジンの登場が望まれ、実現するかも知れませんね。

お礼日時:2006/05/17 17:44

こんにちは。


#7です。
速度の計算を勘違いしてしまいました。
加速度が一定なのですから、どう考えても2秒後は秒速10m、3秒後は秒速15mですよね。ゴメンなさい、訂正させて下さい(汗)。
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>とんでもない方向へ・・・今でもたまにありますね。



ちょと難しく書いてるけど、こんなページがありました。
結局の所、推進力の方向を制御する事で暴走を防いでいるって事のようです。
なお、推進力制御をする場合、ロケットが回転してると困るので、「わざと回してる」って事はないと思います。

http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5714/satu …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
URL、大変面白く読ませて頂きました。
成る程、推進力方向を細かく制御する事で真っ直ぐに上昇出来てたのですね。
合わせて、例のサターンVの第一段目の尾翼の意味が分かりました。先端の緊急脱出用ロケットが作動した際、機体のブレを少しでも防ぎ、乗員が安全に帰還するためにだけだったとは・・・今更ながら、アポロ計画の完璧な用意周到さには驚くばかりです。

お礼日時:2006/05/17 00:56

ロケット、一見制御装置が何もないように見えますが、ノズルの方向は可変になっていて、それによって噴射の向きを変えることができます。

これは液体式/固体式も同じです。方向の計測等はジャイロなどを使っていると思いますが・・・
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
そうですね、噴射の向きを変えることにより姿勢制御を行うみたいです。あと、液体式は固体式には出来ない噴射量の加減が自由に出来るのでもっと細かい制御が行えるようです。

お礼日時:2006/05/17 00:44

> ガイドの様なものも無いのにどうして垂直に上昇するのでしょうか?


専門家ではないので自信なしですが,
ねじが進むときのように進行方向を軸として
ゆっくりと回転させていると思います.
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
そうですね、無事発射した後はゆっくりと機体を回転させて上昇を続けるようです。これは同じ面に太陽光線があたることによって起きる機体の温度上昇を避けるためだと以前何かで読んだ覚えがあります。

お礼日時:2006/05/17 00:38

地面から離れて、比較対象が空しかないから、ゆっくりに見えるんじゃないかな。



空飛ぶ飛行機も、ゆっくり飛んでいくみたいに見えるし。
内之浦から飛んでいったロケットを見たことあるけど、マッハ10を超えているであろうロケットでもゆっくり飛んでいました(笑)

的外れな回答申し訳ない。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
実際にロケットの発射をご覧になられたのですね。

お礼日時:2006/05/17 00:31

大型のものはその大きさゆえどうしてもゆっくりと上昇せざるを得ない。

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こんにちは。


以前、ほぼ(全く?)同じ質問にお答えしました。
参考URLにあげておきます。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=681129
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
合わせてURLも参考になりました。
が、もう一つの疑問は解決しません。
ガイドの様なものも無いのにどうして垂直に上昇するのでしょうか?初歩的な・・・とお思いでしょうが、実はとても技術的に大変なことなのではないでしょうか?初期のロケットでは発射台を離れたあとよろよろとよろけてとんでもない方向へ飛んでしまい、そのまま爆発という古い映像もよく見たことがあります。
しかし、米国では各有人カプセルを打ち上げたアトラス、タイタン、サターン等歴代の発射の際、とんでもない方向へ飛んでいってしまったというのは私の記憶する限り無いように思います。

例えば、ロケット花火やモデルロケットは竿やガイドが付いているので真っ直ぐ上がりますよね。

大型だからゆっくり上がっているように見えるが実際は早いスピード・・・サターンロケットのような100mを越えるような巨大なものこそ、安定した打ち上げのために滑走路に相当するようなガイドが発射台の途中まであっても不思議ではないと思うのですが。
ロケット内部に打ち上げの際も姿勢制御ジャイロのような装置があるのかも思ったりしているのですが・・・
如何でしょうか?

お礼日時:2006/05/16 20:09

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