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自然選択以外の選択、という話で、遺伝的浮動の話を聞きました。

あまり理解できなかったのですが、遺伝的浮動というのは突然変異で起こるものなのでしょうか?

A 回答 (10件)

進化というのは祖先種から遺伝子の変化が起こって、新しい種に変化していくことです。

遺伝子の変化は変異(突然変異)によって起こります。

変異は個体単位、もっというと生殖細胞単位で偶然起こるものです。変化した遺伝子が、ある集団全体に広まる機構がなければ進化(あるは種分化)は起こりえません。

じゃあ、進化の過程で、変異によって生じたまれな遺伝子の頻度がどのようにして高まったりするのだろう、という説が自然選択であったり、遺伝子浮動です。

自然選択は、ある選択圧のもとで有利な遺伝子は残り、不利な遺伝子は駆逐されていく、これによって有利な遺伝子の頻度があがったという考えです。

遺伝子浮動は、進化論とは切り離しても、自然界でふつうに起こっていることです。ある集団があって、ある遺伝子頻度があったとします。理想的には、有利でも不利でもない遺伝子ならば、遺伝子頻度は何世代たっても変わらないはずです。しかし、自然界のことですから、たまたまある遺伝子タイプの個体が災害でより多く死んだとか、たまたまパートナーに巡り会えなくて子供を残さなかったとか、偶然によって遺伝子頻度は浮動します。これが遺伝子浮動です。

遺伝子浮動が進化の主な推進力であったという考え方は、
・選択説が説くような有利な変異というのは非常にまれである。
・集団内に有利な変異が起こったとしても、それが集団内に頻度が増えて固定とは限らず、ごく低頻度のうちに遺伝子浮動によって消失してしまう可能性が高い。
・なので、個々の遺伝子で有利な変異がそれぞれ選択されてきたのではなく、分断された小集団の中で、遺伝子浮動によって多数の遺伝子座の遺伝子頻度が変化し、より有利な組み合わせになった小集団が他の集団を駆逐することによって進化が起きたのだろう。

というような、考えです。

両者は対立的な説ですが、自然選択論者も遺伝子浮動なんてないと言っているわけではなく(遺伝子浮動の理論創始者のフィッシャーは自然選択派)、遺伝子浮動論者も自然選択なんて起こりえないとは言っていません。有利な遺伝子というのがあるならば、自然選択にかかるだろうというのは合意のうえです。
ただ、実際の進化の上でどちらが主要な原動力であったかというところで論争になっていたのです。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1638835

この回答への補足

>しかし、自然界のことですから、
>たまたまある遺伝子タイプの個体が災害で
>より多く死んだとか、たまたまパートナーに
>巡り会えなくて子供を残さなかったとか、
>偶然によって遺伝子頻度は浮動します。
>これが遺伝子浮動です。

ということは、「突然変異の連鎖で頻度が変わる」(aaa → aab の突然変異が連発することで aab の頻度が増えるとか)ということではないのですね?

むしろ、中立的な突然変異で出てきた形質が、偶然によって頻度が増減する、と考えて良いでしょうか?

補足日時:2006/09/08 18:33
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変異と突然変異は、専門家なら書くときはきちんと分けて書くと私の友人は言っていますけど。

試しに、「変異 mutation」でgoogleなどで検索してみて、変異=mutationの意味で書いているところがどのくらいあるか数えてみるといいかもしれません(特にバイオ系のページで)。遺伝的浮動は突然変異のあとの話ということで正解だと思います。

参考URL:http://en.wikipedia.org/wiki/Genetic_drift
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2006/09/10 14:01

突然変異はmutationの訳語ですが、mutationの原意は「変化すること」=「変異」です。

「突然」がつく理由がないので単に「変異」と言うほうが一般的になっています(少なくとも研究者の間では)。私も突然変異という言葉は適当でないと考えています。

日本語では、個体差をあらわすvariationに「変異」という言葉を先に当ててしまったので、mutationと区別するのに苦し紛れに「突然変異」という言葉をあてたものです。
variationは「多様性」とか「個体差」あるいはカタカナで「バリエーション」と言ったほうが的を射ています。

「変異には自然変異と突然変異がある」なんて説明をしている本もありますが、variation(いわゆる自然変異)とmutationは本来このように並列的に対比されるようなものではないので、要らぬ混乱を招いていると思います。

その辺の事情はともかく、少なくともmutationの意味で「突然変異」ではなく「変異」という言葉を使うことに問題はありません(ただ、頭の固い高校の先生なんかは、試験でmutationの意味で「変異」と書いたらぺけをつけるかもしれませんが)。

この回答への補足

>少なくとも研究者の間では

そうなのですか・・
しかし、研究者同士の日常会話でならともかく、例えば、本やネットなどで variation と mutation を両方とも「変異」と書いてしまうのは、教育上あまりいいことでもないとおもうのですが。訳語は悪いですけど、少なくとも別の言葉が割り当てられてないとまずいのでは。
学生にはっきり意識させるという意味で「頭の固い高校の先生」と切り捨ててしまうのはいかがなものかと思います。

補足日時:2006/09/10 12:58
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>遺伝的浮動というのは突然変異で起こるものなのでしょうか?



厳密に言うと、遺伝的浮動(genetic drift)は(主に単発的な)突然変異で開始され、偶然によって広まるかどうかが決まる。と言うことです。(#2のコメントは突然変異”で”開始されるのはイエスと言う意味です。)

蛋白の重要な部分の変異(=突然変異)はほとんどが生存に不利であり、例外的に生存に有利なのもありえます。これはまさに正統な進化論であり、中立説は本質的には進化論と矛盾するものではありません。

この回答への補足

>#2のコメントは突然変異”で”開始されるのはイエスと言う意味です。)

そういうことだったのですね。分かりました。ありがとうございます。

補足日時:2006/09/10 13:01
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#1です。


説明が下手ですいません。手が開いている時に書いているので雑になっていることをおわびします。

同一の突然変異が連発することとは言っていません。むしろ#5さんの意見とほぼ同等です。
そういう意味で

"直接(突然)変異のことをいっているのではありません。"

と申し上げました。

この回答への補足

ありがとうございます。
だいぶん、分かってきたような気がします。

(あと変異と突然変異は日本語だと似てますが、全く別物だと思います)

補足日時:2006/09/10 11:11
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>質問は途中のドリフトのメカニズムです。



おっしゃることがよく分かりませんが、偶然と申しあげているところでしょうか?
そうであれば、偶然としか説明しようがありませんが、、、、、、、

この回答への補足

分かりにくくてすみませんでした。

できるだけ明確に書くと・・・

#5 さんのドリフト(偶然)のメカニズムは、

> 自然界のことですから、たまたまある遺伝子タイプの個体が災害
> でより多く死んだとか、たまたまパートナーに巡り会えなくて子
> 供を残さなかったとか、偶然によって遺伝子頻度は浮動します

のように、ある突然変異個体が現れた「後」の話です。

その突然変異個体が、出現した後増減するメカニズムに
現実世界の「(上記のような)偶然」が効いてくる、ということで、
ここでいう偶然は突然変異のことではないのだと思います。

一方、#1 さんのドリフトは、

> 偶然集団全部がその突然変異

のように、同一の突然変異が連発することに依って起こります。
(例:aaa → aab という突然変異が10回続くことで aab が増える)
突然変異が止まったら頻度の変動もなくなります。


私の疑問は、遺伝的浮動というのはどちらのことなのかな、
ということです。

補足日時:2006/09/08 22:43
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>むしろ、中立的な突然変異で出てきた形質が、偶然によって頻度が増減する、と考えて良いでしょうか?



中立的であろうと、有利であろうと、不利であろうとも、偶然によって頻度が増えたり、減ったり、集団全体に固定したり、消失してしまったりという遺伝子浮動は起こりえます。

しかし実際問題、自然選択論者の言うような、ある遺伝子が変異を起こすことで自然選択にたいして有利な遺伝子が生じるということはあまりありそうにないし、個々の変異はそれほど有利というわけでも不利というわけでもない中立的なものであるという事実があります。

それで、遺伝子浮動による進化説は中立説とセットで論じられるんでしょう。
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説明の仕方が悪かったですね。



ある集団が一つの遺伝子に対して違う配列を持っていたとします。要はSNPsみたいな感じです。一方をAもう一方をaと表します。
この集団の一部が隔離されたとしましょう。隔離されたグループはもちろんAとaの遺伝子をもっています。しかし、世代交代をとうして偶然(自然選択的な圧力なしに)A(またはa)の遺伝子が排除されるということがありうるということを言っています。

>>変異のことをいっているのではありません

>これは突然変異ですか?

そうです。

この回答への補足

>A(またはa)の遺伝子が排除されるということがありうるということを

それは淘汰の時の話だと思うのですが、
質問は途中のドリフトのメカニズムです。

補足日時:2006/09/08 18:59
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>遺伝的浮動というのは突然変異で起こるものなのでしょうか?



イエス。

分子進化の中立説の説明は以下がより厳密かと。
>分子レベルでの遺伝子の突然変異は、そのほとんどが自然選択に対し有利でも不利でもない中立なもので、それが集団中に広まるのは偶然によって決まる。

進化といってもここで使われる進化は単なる遺伝的な変化(有利、進んでいるとはかぎらない)として使われているような気がします。自信なし。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%AB%8B% …
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中立な突然変異が起こったとします。

その変異はもしかするとその集団の中に広がるかもしれません。その後その集団が2つに分かれたとします(土地的に隔離されるとか)。一方の集団はその突然変異を維持しながら偶然集団全部がその突然変異を持つかもしれません。もう一方はその突然変異を偶然排除するかもしれません。集団が小さければそのようなことが起こりやすいように思えます。
このような中立と思われる変異の偏りが進化に寄与したというのが遺伝的浮動のようです。したがって突然変異がないと遺伝的浮動は起こらないのですが、直接変異のことをいっているのではありません。

参考URL:http://www.geocities.jp/nomuk2001/community2/shi …

この回答への補足

> 偶然集団全部がその突然変異

 全く同じ突然変異が同時多発的に起こる、
というのが、浮動の原因でしょうか?


> 変異のことをいっているのではありません

これは突然変異ですか?

補足日時:2006/09/08 09:01
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