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酢酸エチルの加水分解・一次反応の反応式が
CH3COOH2H5+H2O→CH3COOH+C2H5OH
なので、この式から見ると
「水の濃度」も反応速度に関係あるように思うのですが、
実際は「エステル」のみに関係するようです。
何故なのですか?

A 回答 (6件)

「水の濃度」も反応速度に関係するが、


通常水は「エステル」より相当濃いので、
水の濃度変化は無視できます。
これが理由です。

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酢酸エチルを相当濃くしなければ、
水の濃度の変化は事実上無視できます。

水のモル濃度は 55.55555 mol/l であるから、
通常の試薬濃度の mmol/l のオーダーに比べて非常に大きい。

酢酸エチル濃度 C 、水の濃度 Cw , 反応速度定数を k2 とおけば、
反応速度 v は
v = k2 Cw C
となります。(2次反応と見たばあい)
仮に酢酸エチルと水の1分子あたりの体積が同じだとすると、
酢酸エチル0.1 mmol/lのとき水55.5545 mol/l
酢酸エチル1 mol/lのとき、水54.5555 mol/l
となります。
酢酸エチルの濃度はこの場合 10000倍変わるのに、
水の濃度は 1.02 倍程度しか変わりません。
つまり、酢酸エチルの濃度に関する1次反応、とみても、
誤差は 2 %程度ですみます。
1 mol/l よりも薄い場合は、誤差はもっと小さくなります。

一時反応と見る場合の反応速度定数 k1 とおくと、
v = k1 C なので、
k1 = k2 Cw となります。

------
注意:
もちろん、1分子あたりの体積は、水と酢酸エチルでは違う。
逆反応は考慮していない。
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rei00さん、ご指摘ありがとうございます。


「- d[CH3COOC2H5]/dt = k [CH3COOC2H5][H+] 」は、まさに
『濃度条件を選ぶことによって速度論的な取り扱いを簡単にする』
の場合ですね。ご質問では「加水分解・一次反応の反応式が ・・・」
とのことですから、加水分解の平衡は無視できる範囲が対象と思います。

プロトン化の平衡、言われてみると私の説明は怪しい気がしてきました。
プロトン化した酢酸エチルを「AcOEtH+」とでも書いてみますと、
AcOEt + H+ → AcOEtH+ の速度も AcOEtH+ → AcOEt + H+ の速度も
速そう、K = [AcOEtH+]/[AcOEt] [H+] の平衡が成立しそうですね。

ちゃんと調べていなくて恐縮ですが、
律速段階は AcOEtH+ + H2O → CH3C(OH)2(OEt) + H+ 
「カルボニル酸素のプロトン化(の平衡)が律速段階の速度を支配」
だったでしょうか? そうなら、- d[AcOEt]/dt = k' [AcOEtH+] [H2O]
にプロトン化の平衡 [AcOEtH+] = K [AcOEt] [H+] を代入すれば
- d[AcOEt]/dt = k' K [H2O] [AcOEt] [H+]

加水分解の平衡を無視できる範囲なら、[H2O] の経時的変化は小さくて
一定とみなせ、 k' K [H2O] [H+] = k [H+] が一次反応の速度定数。かつ、
加水分解の平衡を無視できる範囲は [H2O] = 55 mol/Lに近いところ
に限られる(回答#1~2)ということになりましょうか?

わかっているつもりのことも、改めて考えると、誤魔化して憶えていた
ことに気づいたりします。自信なしに転落ですね。(^ ^;
こういうテーマには Org*******さんがお強かったような・・・
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 loveobo さん,お久し振りです。

ANo.#1 の rei00 です。

 律速段階については私も考えなくもなかったんですが,どこが律速かが判断付かず『そう見做せる様な条件を選んでいるからです。』の表現になりました。

 なお,rheart さん,「酢酸エチルの酸触媒での加水分解」は平衡反応であるため,通常は加水分解側へ反応(平衡)を進めるには何らかの工夫が必要です。通常は多量の水を使う事で反応を進めます。ですので,この時点で「水の濃度が無視できる状況」になっています。

 ここまでは「自信あり」です。以下は「自信なし」です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ところで,loveobo さん,よろしければ教えていただきたいのですが・・・。

 上記の様に「酢酸エチルの加水分解」の各ステップ(プロトネーションの段階も)は平衡反応だと思います。この様な平衡反応の場合に,『速度式は - d[CH3COOC2H5]/dt = k [CH3COOC2H5][H+] となります』と言っていいものでしょうか?

 今,「化学反応の速度と機構」(J.H. エスペンソン 著,荻野 博 訳,マグロウヒル 刊)を見直していますが,この様な場合,一般的には平衡定数や逆反応の速度定数も入った複雑な式になるように書かれています。

 さらに,『実際は,しばしば濃度条件を選ぶことによって速度論的な取り扱いを簡単にする。』ともあります。
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前の回答で,「水の濃度うんぬん」と答えたものです.



なるほど.律速段階の考え方を忘れていました.

そうすると,この反応の速度は,
pHに依存する,ということですよね.
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先の回答にある「水は大過剰にあるので 1000/18 = 55 mol/L で一定」も理由の


ひとつかもしれませんが、「エステル加水分解の反応機構」が本質でしょう。
(実際は反応速度の解析等によって反応機構が明らかにされたのですが)

酸性条件では、カルボニル酸素にプロトンが付加するところが『律速段階』で、
その後に「水分子」がカルボニル炭素を攻撃してエタノールが脱離する段階は
相対的に速いため、全体の速度に影響しません。
速度式は - d[CH3COOC2H5]/dt = k [CH3COOC2H5] [H+] となりますが、
H+はリサイクルされるので [H+] は経時的に変化せず、一次反応になります。

一方、アルカリ性条件では、水酸化物イオンがカルボニル炭素を求核攻撃する
段階が律速で、反応の進行にともなって OH- は消費されるので、
- d[CH3COOC2H5]/dt = k [CH3COOC2H5] [OH-] は二次反応になります。
こちらも速度式に [H2O] は登場しません。
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>「水の濃度」も反応速度に関係あるように思うのですが、



 はい,その通りです。この辺りは過去質問「QNo.146453 酢酸エチルの加水分解反応について」(↓)の Organomets さんの回答が参考になると思います。なお,私も回答していますが,若干のミスがありますので,ご注意下さい。


> 実際は「エステル」のみに関係するようです。

 これは,『「エステル」のみに関係する』のではなく,そう見做せる様な条件を選んでいるからです。つまり,酢酸エチル量に比べて多量の水の存在下で測定を行なっているはずです。

 そうする事で,反応が進行しても水の濃度が変化しない(一定)事になり,水の濃度を定数として扱う事が可能になります。

参考URL:http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=146453
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