「50年前に、父に所有権のあった田舎の土地(山林・農地・雑地)を、父と売買契約を完了しているが登記移転がされていなかったので移転登記手続をして欲しい」と、父死亡後に男性Cから相続人の私に言われました。
当初父本人とCとの間で交わされた契約であったと説明をしていたCですが、こちらがいきさつに不信を持ちCから聞き出したところ、真実は「父の義母とCとの間で交わされ、売買契約金も義母に渡した」ということで父の知らないところでの売買意思不在で行われたことがわかりました。
この事実がわかったことによってCの要請する手続きの協力を拒んだところ、「契約書により売買は成立している」ということと「契約書に記載されていない土地も全て含んだ売買契約であるということ」「売買の成立がされなくても時効取得の援用をする」という内容で告訴されました。不法な売買契約による土地の占有と偽証の説明の中での売買成立を主張するCに対して時効取得の援用が適用されてしまうのでしょうか?
売買契約自体は無効と思うので、Cがその土地が必要ならばCとの間で正規の売買契約を取り交して土地を買ってもらうことは可能でしょうか?
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
先方は、50年間、売買契約を信じて、田舎の土地を管理(占有)してきたと思われます。
固定資産税の負担はどなたがなさっているのでしょうか。必ずしもこれが、先方が払っていたとしてもだたちに自主占有事情にも該当するわけでもないのですが、反論はかなり困難な状況だと思われます。さらに土地所有権の取得時効は、占有開始の時点の外形的客観的状況によって判断されるのですが、民法によって、自主占有は、「暫定真実」として推定されてしまっています。このため義母がお父さん名義の土地を直接本人名義で売買契約を結んでいたり、義母が代理人として、売買契約を結んでいたとして、「契約書」を出されたら、自主占有であることは確実であって、契約の有効無効とは関係がなくなってしまいます。あなたは、被告側になるのですが、原告の自主占有取得を否定すべく、他主占有取得、たとえば当初より、先方は、使用貸借等、所有の意思を含まないものであったというか、その後生じた他主事情として、先方が、時効の中断、あるいは援用権の喪失した事情、すなわち所有の意思と相反するような行動を先方がとったということを主張・立証しない限り、時効取得を認められてしまうことでしょう。かなり苦しい戦いになります。敗訴し確定した場合は、相手方は、あなたの意思にかかわらす、この確定判決の謄本と確定証明をもって、相続登記の上、代位して移転登記してしまうことになるでしょう。前提状況が事実なら、相手方が応ずるかは別ですが、「和解」が相当と考えます。
No.2
- 回答日時:
まず、状況からいって、直接弁護士のところに早急に相談にいって、裁判手続の中で適切な反論をしてもらわないことには、事実がどうなっているかとは関係無しに、相手の請求どおりの判決が出てしまいます。
そうなったら、後はむこうが判決に基づいて、勝手に登記の名義変更もできてしまいます。たしかに本来こういうところで相談している場合ではない、ご質問です。
ご質問的に細かい事実関係が良くわからない部分もありますが、相手方の主張の仕方は、明らかに弁護士がついていることを見て取れます。
あなたも弁護士をつけないことには話にならないだろう、と言うのが率直なところです。
<不法な売買契約による・・・売買契約自体は無効と思うので>
あなたは所有者が、お父さんなのに、義母とした契約なので「不法な契約」という表現を使っていらっしゃいますが、この契約自体は別に不法でも、無効でもなんでもなくて、義母と相手方の間で有効に成立している契約です。
もちろん、所有者でもなんでもない人を売主にしている契約なので、この契約が成立しただけでは、土地の所有権は原告に移転したことにはなりませんが、この契約の成立によって、義母に当該土地の所有権を原告Cに移転するようにしてやる義務(とりあえず、土地をお父さんから自分に譲ってもらうなり、お父さんとCの間に入って、契約を取りまとめるなりする義務)が生じているのです。
詳細が良くわかりませんが、いちばん単純な話、義母の相続人もあなたということになれば、現在は、あなたに、原告に土地の所有権を移転してやる義務が生じているという理屈になります(あくまで事の成り行きの一例としてあげているだけです)。
<不法な売買契約による土地の占有と偽証の説明の中での売買成立を主張するCに対して時効取得の援用が適用されてしまうのでしょうか? >
そうではなくて、原告は、売買契約の成立をとりあえずは主張したうえで、かりにそういった事実が認定されないとしても、それとは関係無しに(=契約が成立していなくても)、時効取得の要件を満たしているから、いずれにしろ自分が土地の所有者であると主張しているのです。
<Cがその土地が必要ならばCとの間で正規の売買契約を取り交して土地を買ってもらうことは可能でしょうか>
裁判の進行しだいでは、そういう形で和解になることもありえます。
とにかく、弁護士に相談されることが必要だと思われます。訴状は、裁判官が見れば、主張そのものは、法律的に筋が通っていることは間違いありません。それは断定してもいいでしょう。
No.1
- 回答日時:
時効についてのみ回答します。
民法126条 20年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ物ヲ占有シタル者ハ其所有権ヲ取得ス
2 10年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ不動産ヲ占有シタル者カ其占有ノ始善意ニシテ且過失ナカリシトキハ其不動産ノ所有権ヲ取得ス
Cが本件土地を自己所有の意思を持って占有を開始し、平穏かつ公然とその状態が20年が経過したのであれば、「取得時効」が完成しますので、Cは時効を援用することによって所有権を取得できます。
これは占有開始が「不法占拠」であっても、20年もの間「問題なく」占有継続したのであれば、一般人はその状態を事実と信用するので、この状態を「固定」させるのが「取引の安全」の保護のために望ましいという考えに基づきます。
所有者は、不法占拠者を所有権に基づいて退去させることができたわけですので、なにもしないでほっておいた所有者は「保護に値しない」という考えになります。
「知らなかった」という反論があるかもしれませんが、「確認することすらしなかった」という過失があると考えられるわけです。
法律相談を行うにあたっては、「聞いた話」や「こう思う」という考えだけでは正確な判断ができません。
たとえば、登記簿の名義人が誰になっているか、契約書があるのかないのか、あるのならその内容はどうなっているのか、不動産の占有状態はどうなっているのか、占有開始はいつから認められるのか、などなど確認すべき点があります。
市役所などでも弁護士さんが法律相談を行っていますし、事務所を訪問して相談するなりして、「正確な事実認定に基づく法律判断」をされることをおすすめします。
ここのサイトで、予備知識を収集することはいいことだと思いますが、ここの回答だけでは判断を誤ることになりかねませんので、十分にご注意下さい。
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