ジャンヌ・ダルクについて。

ジャンヌ・ダルクの伝記や文学などが最初に出たのは何年頃なのでしょうか？1456年に処刑されてから、20世紀のバチカンまでの間のジャンヌの経歴を知りたいです＞＜

No.1 ベストアンサー 回答者： caesar-x2 回答日時： 2007/07/08 01:20

一般論ですが、全国（全フランス）的にヒューチャーした

最初の人物はナポレオンであったとされます。
彼がジャンヌ・ダルクを持ち出したのはナショナリズム高揚のため。
それまではあくまでもローカルなヒロインにすぎなくて
一部の地域で（生まれ故郷とオルレアン近郊）しか知られてもいませんでしたが、
それは当時としては自然です。
何しろテレビもラジオも無い時代ですから情報は限られます。

それ以前は、シェークスピアがヘンリー６世で”魔女”として描いてます。
ただし公平を期すためにいうと、シェークスピアはフランス人のセリフとしてですが
黒太子も悪魔と評してますから、特別悪く言うつもりはなかったように思います。
当時の一般的イメージが反映しただけでしょう。

一般に登場しだすのは、19世紀になってから。
1850年代になると、もう国民的英雄というベタなイメージが定着していたといっていいでしょう。
もともとフランス（という国家）を擬人化したものが女性なので
そういうかねあいから自然にうけいれらたんでしょうね。

20世紀になってから聖人に列せられたのは、
完全に教会の露骨な人気取り政策でかなり浅ましいものです。
カトリックでは女性をいまだに不浄としているのにね。

この回答へのお礼

ありがとうございます。
と、いうことはナポレオンにより公言されただけで、
文字としてはあらわされていないということなのでしょうか？
不思議ですね・・・。
350年の間何もほとんど大きくふれられていなかったんですね・・・。

お礼日時：2007/07/08 01:32

No.3 回答者： caesar-x2 回答日時： 2007/07/14 15:49

付けたしですが、ジャンヌ・ダルクがほっとかれた理由のもう一つは、

彼女がパリを攻撃して敗北し、フランス人に捕まったということです。
ジャンヌを捕まえたのはイギリス人ではなくブルゴーニュ派とはいえ同胞で、
しかも売られたとういうことは、あまり国民的ヒロインにしては
ばつが悪い真実です。
当時もパリは主要都市であり、このときジャンヌはパリ市民が自ら立ち上がっての
防衛に敗れています。民衆に降伏を拒絶されたというのは
よく考えれば、相当イメージが悪いでしょうね。
その後、拷問だけなく、性的暴行も受けてるし、話の全体像を細かく吟味すると
かなり中世的なグロさがあります。
腹心のジル・ド・レなんかも小児性愛と殺人、悪魔信仰で後に絞首刑＆火あぶりになってますし、
勝利を収めた戦いですら、信仰とも神の栄光とも無関係の殺戮でしかなかったわけで、
戴冠させたブルボン家だってその後顛末を考えれば、
なんてことはないただの独占欲と支配欲に塊のような普通の王朝に過ぎない。

ロマン主義の時代になって、単純化、抽象化され、美化された
ヒロイン像になるまでには、
十分に”真実が忘れ去られる必要”があったということが言えると思います。
熟成期間でしょうね。

No.2 回答者： nacam 回答日時： 2007/07/08 12:53

1431年　5月ジャンヌ火刑

　　　　6月ヘンリー6世ジャンヌの一件を各国に報告
1436年　5月偽ジャンヌ出現（ジャンヌの兄が認知）
1439年～40年偽ジャンヌ出現
1449年　11月フランス軍ルーアン入城
1450年　2月シャルル7世ジャンヌ裁判の再調査命令
1452年　2月シャルル7世と教皇特使とジャンヌ裁判に関しての協議
　　　　5月ジャンヌのやり直し裁判のための諮問会ルーアンにて行われる。
1455年　4月教皇カリストゥス3世ジャンヌ裁判のやり直しを命じる
　　　　11月復権裁判開始
1456年　1月ドンレミでの審問会
　　　　2月オルレアンでの審問会
　　　　7月処刑裁判の無効宣言
1909年　4月教皇ピオ10世による列副式
1920年　5月教皇ベネディクト15世による列聖式（聖人となる）

ジャンヌ・ダルクの研究が行われだすのは、フランス革命後です。
そしてナポレオン3世の時代（1850年代）以降、急速に研究量や書籍が増えてゆきます。
これは、フランス革命により、フランスという国の国民性が強調されたためだと思われます。
またフランスをことさら強調したナポレオン3世の時代には、さらにそれが盛り上がり、ジャンヌの英雄化が行われたのだと思います。

子供向けの伝記として、1896年ブーテ・ド・モンデールという人が書いています。
ジャンヌの最初の映画化は、1898年です。
ジャンヌの最も古い肖像画（スケッチ）は、1429年5月10日（オルレアン解放の2日後）のクレマン・ド・フォーカンベルクが書いたものです。