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 多くの大学で、心理学科は文学部の中にありますよね。どうしてでしょう?
「文学」というのは、「学」とついてはいますが本質的には「学問」ではなく、「芸術」の一分野ですよね。音楽や美術と同列に考えるべきものです。
 だったら、心理学というのは学問ではないのでしょうか? 少なくとも科学ではない、ということなのでしょうか?

A 回答 (6件)

 


色々な言葉の誤解や、誤解させやすいような言葉の使い方があるように思えます。

1)「文学」と「文学部」

文学という言葉は、普通は、教養や娯楽や芸術としての「文学」のことを指します。「文学が好きです」という時、普通は、小説や詩などが好きだと言っているので、批評が好きな人でも、批評という形の文学が好きなのです。

それに対し、文学史とか比較文学とか、学問としての文芸批評は、普通の言葉では、「文学」とは言いません。大学の文学部で言っている「文学」とは、ユマニストを「人文主義者」と言っているような意味での、「人文の学問」という意味です。

「人文の学問」というのは、human science という意味で、「人間科学」というのが、それに近いでしょう。人間の人間らしさが発揮されているような分野での学問が人間科学で、そこには、人文科学も社会科学も含まれると思います。

「文学」で言っている文学と、「文学部」で言っている文学は別のことなのです。あるいは、「文学」自体の言葉のなかに、娯楽や芸術としての文学観賞と、教養知識としての文学教養と、文学の研究学問としての文学学と、三つぐらいの意味が含まれています。

「文学部」というのは、上で述べたように、human sciense を研究する学問を扱う部門という意味で、上の文学の三つの意味からも逸脱しています。もっと広い意味だということです。

文学部は、文学の研究だけでなく、色々な人間科学が、その学部のなかの学問分野として含まれているのだということになります。

ですから、

>「文学」というのは、「学」とついてはいますが本質的には「学問」ではなく、「芸術」の一分野ですよね。音楽や美術と同列に考えるべきものです。

これは、これで正しいのです。「文学」は科学だという人の方が、普通の言葉の用法からすると奇妙にも思えます。文学部のなかの文学という学科は、科学でしょうが、文学一般だと、やはり芸術の一ジャンルです。

2)「心理学」とは、何なのか

>だったら、心理学というのは学問ではないのでしょうか? 少なくとも科学ではない、ということなのでしょうか?

これは、文学部が、普通に言う「文学」を扱う学部ではなく、「学問としての文学研究」も扱い、それ以外の human science も扱う学部であるということからは、違っていることになります。

心理学が文学部に入っているので、心理学が科学ではないとはならないのです。現代の心理学と考えられている学問は、その内容からは、自然科学に近いものがあります。それが何故、human sciense を扱う文学部に入っているのか、という疑問は成り立つと思います。

心理学とは何なのか、という問題があります。それは、「心理学」という学問を構想した人の考えた心理学と、現代になって、心理学研究の名において、何をしているかの二つの意味に分かれてきます。

現代、心理学の名で、研究していることは、自然科学に近いです。動物行動学のなかの人間行動学のような位置付けになります。すると、猿の研究をしているのが理学部に入るのと同じで、心理学も、理学部なのか、ということにもなります。

現代の心理学の研究は、行動主義心理学だとも言えます。その場合、実験検証や、現象再現性などの基準が入ってきて、自然科学と似た、「科学」の条件を備えてきます。しかし、元々心理学は何であったのか、という視点からは、心理学は、行動主義心理学よりも、もっと広い意味を持っていました。

臨床心理とか、精神医学の扱っている内容に近いものが、心理学の中心をなすのだという心理学の捉え方もあるのです。心理学は、「科学」の資格を得ようと、堕落したのだという解釈も成り立ちます。

本来、「人間の魂・心の現象」を解明しようとする「学」であったものが、「科学」という基準枠を満たすために、検証できないような現象を切り捨てて行って、見かけ上の「科学性」を持ったのが、現代の主流心理学だとも言えるからです。

人文社会科学あるいは人間科学は、自然科学の方法では、構成できないものが多いです。人間の行動も、社会のありようも、歴史も「一回的」で、再現性がないのです。統計的な法則や統計的な再現性によって、科学性を維持するか、理念型のようなもので、科学性を維持しようとしても、自然科学のような科学としては、構成できないのが、人間科学です。

心理学は、科学であろうとして、重要な研究対象や方法を捨ててしまったとも言えるのです。それについては、参考URLを参照してください。

心理学にも、現代の心理学と、それが構想されたときの「魂・心の学」としての心理学の二重の意味があるのです。どちらも「科学」には違いありませんが、現在主流の心理学は、理学部のなかの学問に近いとも言えます。

心理学が文学部・人間科学に入っているのは、その最初の構想、ウィリアム・ジェイムズなどの心理学のヴィジョンから、そうなるのです。現在の心理学は、「人間の魂・心の学」ではなく、人間を高等な猿として、その行動や反応を研究していることになります。

>多くの大学で、心理学科は文学部の中にありますよね。どうしてでしょう?

本来の「心理学」は、「人間の魂・心の学」であったので、人間科学に属し、人間科学を人文科学でくくっていた伝統があり(社会科学は、人文科学の後になって展開しました)、そこから、人間科学のなかでも特に人間科学らしい心理学が、文学部に入っているのです。

現代の主流心理学の研究の状態から言えば、文学部に入っているのはおかしいという意見も出てきますが、「本来の心理学」は、「人間の科学」だったので、人文科学、従って文学部が相応しい所属だったのです。

>No.173615 質問:心理学ってなんですか? -No.2, No.4 回答
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=173615
 

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=173615
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:43

文学も「科学」だったんですよ。

明治時代には、すごく科学的な文学理論の追求がなされていました。今だって、文学部のやっている文学研究は「科学」です。分析して、原因、結果、効果などを明らかにしようとしているのですから。それが(芸術として)本が好きで、文学部へ入ってしまった人たちの苦悩につながるのです。日大芸術学部の「文学」くらいじゃないかな、芸術としての文学をやってるのって。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:42

いくつか違った階層の問題が混在しているようなので,分けて書いてみますね。



★いち。
心理学は,科学です。
心理学の創始者としては,ドイツのカントあるいはフェヒナーの名前が挙げられることが多いのですが,彼らは物理学乃至生理学をモデルとした実証的な科学としての心理学を確立し,哲学とたもとを分かちました。
心理学というと,カウンセリング,催眠,性格類型,さらには深層心理分析や,読心術めいたことを連想される方が多いようですが,それらはあえて言えば,臨床心理学と,社会心理学の一部で,つまり,応用系の領域で扱われている内容に近いもので,心理学全体の流れの中では,やや特殊といってよいと思います。
自然科学系の多くの学問と同様,心理学も,仮説をたて,実験によってこれを検証することが原則で,学生には,科学としての心理学の枠組み・方法論を理解することと,統計学等の基礎知識をマスターすることが,必ず要求されます(臨床心理学の場合は若干違うかもしれませんが)。

★に。
「文学部」というときの「文学」は,芸術としてのブンガクを研究対象とする“学問の名前”です。文学部の学生は,小説を書いたり俳句をひねったりするために大学に通っているわけではありませんよね。当たり前ですが。
これについては,すでに他の方がお書きになっているので,繰り返しません。

★さん。
たいていの「文学部」では,「文学」以外にもさまざまなも学問が教えられ,研究されています。
昔ながらの枠組みで言っても,哲学,倫理学,宗教学,言語学,社会学,歴史学,考古学などは,多くの大学では文学部に研究室を置いています。
ですから,「文学部」は本当は「人文科学部」,というご意見に,私も賛成です(実際には,人文科学のほかに,社会科学の一部も入り込んでいます)。

★よん。
心理学科が文学部に置かれることが多いのは,日本の特殊事情というか,便宜的にたまたまそうなってしまったということではないかと思います。
大雑把に言って,我が国では,法・経・教以外の人文・社会科学の多くは,文学部で扱われてきました(もちろん,教養学部や人間科学部等,現在ではより細かな島分けも行われていますから,一概に言うことはできませんが)。
少なくとも,欧米では「文学」部の中に「心理学」コースが置かれるということは,一般的ではないようです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:42

再び、書き込みます。


元慶応大学教授の佐藤先生という方が、心理学について、こう仰ってます。

『心理学は、人文科学的、社会科学的、そして何よりも自然科学的な側面を
 併せ持った、文学部の中でも異色の学問です。
 ですから、心理学を勉強することによって、文系と理系のセンスを共に
 バランスよく磨き上げることができます。
 21世紀は〈心の時代〉だといわれていますが、この時代を担うことの
 できるのは、心理学を知らない脳科学者でも認知科学者でも精神医学者でも
 教育者でも芸術家でも宗教家でもなく、心理学の素養をしっかりと
 身につけた人々です。』

ちなみに、人文科学、社会科学、自然科学というジャンル分けをした場合
(かつて大学では一般教養科目を、この3つに分けていました。)
私の大学では、社会科学の分野ですた。そして、数年前、文学部から独立して
人間科学部となっています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:41

文学部が「学問」していない・・・というのは、どいういうことでしょう?


百歩譲って、文学を芸術と同列に考えるというのを飲むとしても、
文学部は、文学だけを研究しているところではありません。
史学科もあれば、地理学科、教育学科などを含む大学もあります。

ある大学の文学部のページに、文学部とは・・・という説明がありましたので
一部紹介させていただきます。

『文学部では、人間存在の基本的問題に関する学問が中心である。
 今日、地球規模の文化の交流を抜きにしては生存そのものも危ぶまれる時代。
 われわれ自身の宇宙での位置、地球での位置、日本での位置の確認がますます
 重要になってきている。』

人間に関わる様々な事象について学問するところだと思っています。
心理学科は、もしかすると文学部では珍しく白衣を着たり
数学が必修だったりして、理系とも密接な位置にあるかもしれません。

私は心理学科卒ですが、生物学、統計学、数学(高校でいう数3程度)は
他の専門科目に混じって、必修科目でした。
解剖実験もありましたし、白衣を着ることもしばしばでした。

形の上でのことなんて、どうでもいいかもしれませんが、私は心理学科は
科学していたと感じています。まして学問でないなんて露ほども思ったことない。
あなたのくくり、捉え方に大いに疑問があるのです。
あなたの仰るように、文学を芸術の一部と考えるとして
それでは、芸術は・・・いや、芸術学部は学問してないのでしょうか?
少なくとも、大学で学ぶことが、芸術の分野であっても
テクニックや技術修練だけの場であるとは、到底考えられません。

そのあたりの考え方のベースになったものを詳しく言っていただけませんか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:40

大学の文学部は『人文科学部』と読み替えた方がいいかもしれません


心理学が脳の生理等の角度から研究できるようになったのは近年のことですから、伝統的に人文科学にカテゴライズされるのでしょう
またいわゆる芸術分野についても、単なる技術的な訓練の側面と過去の芸術的成果の分析や更なる技法の研究、開発などの学問的側面が絡み合っており、その他の学問分野ときっちり分離して、こっちは科学でこっちは違う、と区別できるものでもないと思います
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よくわかりました。

お礼日時:2002/08/15 06:40

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