プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

ディスクール、コンタクト、コンテクストについて誰か教えてくれませんか?文学についてです。。お願いします!!

A 回答 (2件)

こんにちは



私も大学で文学を学んでいる者です。このコンタクトとコンテクストについてセオリーまたは分析している哲学者を知りませんが、ディスクールについて私が知っている事を説明します。一応、コンテクストは前後の脈絡、または文脈と言われるものですよね。

このディスクールは言語がで使われる専門用語ですよね。使うセオリストによって定義が異なってきますが(有名な所でフーコーがあげられます、彼はこのディスクールと権力を繋げて考えている哲学者です)、基本的に英語での簡単な定義はobject of knowledge 物の知識となっています。

質問者さんも本、雑誌、新聞などなど、を読んでいて、いろいろな単語(記号)を目にしていると思いますが、その一つの単語、またはフレーズがテクスト内で語られない情報を与えていることに気がつきませんか。これが簡単に言えばディスクールです。

ディスクールは私たちの知識を形どるというか、物と物の知識を支えている物だと思います。大雑把に言うと、例えば私たちは目の前にある鉛筆という物体を認識するために知識を通して他の物体と常に比較しています。鉛筆は紙とは違うし、ボールペンとも違う、また消しゴムとも違う。こういった物の知識をディスクールは支えています。つまり私たちはディスクールを通し知識を作り上げ、その知識で物を見ている事になります。

さらにここでこの知識を形どるという行為は権力、イデオロギーなど関係してくるのですが、ここでは多くは語りません。

ここで文学に戻って作者について考えてみましょう。作者、例えば夏目漱石。質問者さんはこの作者名を聞いて何か思い浮かびますか。『我が輩は『猫である』、『草枕』、『こゝろ』、『虞美人草』などの作者また英文学者など彼の情報(他の作者とは違う)が頭の中に浮かんでくると思います。それは夏目漱石と言う名前自体がディスクールとして機能している事になるんですよ。

これは一つのテクスト内でも同じ事が起こっています。つまりテクスト内で使われている記号が読者などに情報を伝える。ここに例文を書きますね。

※彼はもう少しダイエットした方がいいね

この文章の中で『彼』、『ダイエット』が記号でありディスクールになります。またダイエットという記号は社会的なイデオロギーが詰まっています。日本では健康ブームですよね。太っている人間は社会的にだらしないとか、不潔、不健康、または痩せているほうがこの社会ではこのましいという風潮がありますよね、特に女性の場合。こういったテクストが語らない情報を与えている物がディスクールです。

もう少しだけつっこんでみましょう。ディスクールは私たちの知識を体系化します。この時に制度と権力がかかってきます。ここに良い例を乗せておきますね。英単語のterror (日本語でテロル)これは最近新聞などでよく使われるんですけど、テロリズムを定義として含意しています。ただし、少し前まではこの単語の定義は恐怖とか手に負えない子供に使われていました。つまり10年ぐらい前のオックスフォードの辞書にはこのふたつの定義しかありません。そして私たちはメディアを通した新しい知識(terror=terrorism)を手に入れた(知識を形どられた)わけです。そして新聞記事などを読んだ時にこのディスクール辿る事によって記事の全体を読む手助けになるわけです。ただしここで重要なのが例の文脈ということになるかと思います。つまり前後の文章、記号の脈絡によってテロルの定義が変わるわけです。ここで見えてくるのは、単語がその定義を一定に保てるのは他の物との関係が一定の場合にかぎる。それは知識によって意味、や定義は変わってしまうということだと思います。

例えばテーブル。テーブルは食卓だし、デスクとは違いますよね。でもダイニングにあるテーブルを自分の部屋に置き、その上に参考書、電気スタンド、文具を置いたらデスク(机)にかわります。同じ物体でも環境が変われば、定義がかわり、物体に違う記号を与えます(物の知識)。これは文章の中(文脈:コンテクスト)の記号にも同じ事が言えるんではないでしょうか。そして一定の記号の作用とコントロールによってコンテクストを生み出す事もできると思います。

どうでしょう。ディスクールが少し見えてきたでしょうか。私もまだ勉強している者なのでディスクールの全てが分っているわけではありません。これはあくまでベイシック、基本です。さらに良い回答がつけばいいですね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

分かりやすく書いていただき、有難うございます!

お礼日時:2007/10/18 08:42

さらに追加です。

(下記の書き込みで脱字とぎこちない文章があります、申し訳ありませんでした)。

コンタクトについて少し説明したいと思います。

まず質問者さんはコミュニケーション・モデルというのを習いましたか。簡単に書くと、発信者→メッセージ→受信者です。文学で言えば発信者は作者ですね。彼はメッセージ(テクスト)を練り上げ(コード化)、受信者(読者)に送ります。読者は作者のコード化されたメッセージを解読して理解します。この時の作者と読者の関係を結ぶもの、それがコンタクトとという事になります。


でもここがちょっと難しいんですけど、作者が練り上げたテクストは作者の個人としても立ち位置が関係してきます。例えば作者、花子(架空の人物です)。彼女は母親であるし、中流階級の家庭で暮らし、二人の子持ちで働いている女性です。この花子というのが勿論、作者としての発信者ですが、ここでの彼女の女性として立ち位置(position)が、花子と切り離して考えられる、日本語では分らないのですがアドレッサー(Addresser)ということになります。そして読者、薔薇子。彼女も女性として作者ではありませんが花子と同じような環境(position)にいる女性です。読者、薔薇子は受信者ですが、彼女も花子同様、個人薔薇子と切り離せる立ち位置を持っています。それがアドレッシー(Addressee)と呼ばれるものです。つまりこういう事です

sender (addresser) → message → (addressee) receiver

花子と薔薇子が持っているポジション(アイデンティティー)は別に常に一定ではない、常に変わっていくものですよね。私たちがいつもでも生徒としてのアイデンティティーを保っていけないのと一緒です。つまり花子と薔薇子のポジションは彼女達から切り離させたもう一つの花子と薔薇子なんです。ここまで大丈夫でしょうか。

そして花子が練り上げたテクストは彼女のポジションを含意していたとしましょう。ここで彼女のポジションが受信者、薔薇子のポジションに語りかけます。これは薔薇子のポジションが花子のポジションと接触(コンタクト)していると考えられます。作者はポジション(アデンティティー)を利用しテクストの中にこれを織り込んでいきます。故に何も本当に個人花子の持つ本当のポジションをテクストないに含意させなくてもいいわけです。

ここで私が持っている本の引用をしますね。

the phatic is what binds addresser and addressee together in the act of the exchange of signs. conversely, though, in marking out a group like this, the phatic also excludes those who are not part of it (thwaites, 2002 p.18)

※コンタクトは記号を(記号の交換を通して)媒介して、アドレッサーとアドレッシーを繋げるものである。それはまた一定の社会のグループ、メンバーを浮きだたせることにもなる。つまりこのメンバー(コミュニティー)に属さない人達を閉め出せしているとも言える。※意訳です

ここで言われているthe phaticはcontactと同義に考えていいです。私たちは日本語で日常会話しますよね。そして日本の文化の中で言葉を使い、同調しり反発したりします。これが記号の交換です。でもここに違う文化圏から人がいたらどうなるでしょうか。たとえ彼が日本語を分っていたとしても、私たちのコミュニティーにとけ込むのは難しいのではないのでしょうか。送信者が、日本語、または文化を織り込んだテクストをこの受信者が作者の意思を解読できるでしょうか。これが顕著に出るのがジョークです。私は今オーストラリアに住んでいます。もうすぐ5年目になろうとしていますが、やはりジョークを理解するのは難しいんです。つまり、作者はアドレッサーとして区切られたコミュニティーの中の文化や記号、ディスクール、思想をテクストの中に折り込み、読者としてのアドレッシーに接触(コンタクト)しているのです。この時読者も同じコミュニティーに属していなければ、このテクストから排除されてしまうわけです。

コンタクトを勉強するときは、このポジションが重要になってくるんだと思います。それと私の本に書いてあった表をここに乗せておきますね。英語ですけど役には立つと思います。

function of signification

referential (content) metalingual (code) formal (form)

expressive (addresser) phatic (contact) conative (addressee)

function of address
contextual (situation)

これはローマン・ヤコブソンの定義です。質問者さんの大学で彼の著書を調べてみると良いと思います。もっと深く分ると思います。

私も授業中、半分居眠り状態で聞いていたので、けっこうあやしいですがこんなところだと思います

参考まででした
    • good
    • 0
この回答へのお礼

有難うございます!!
詳しく書いていただいて、感謝の気持ちがいっぱいです。
非常に助かりました。

お礼日時:2007/10/18 08:40

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!

関連するカテゴリからQ&Aを探す